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カーテンコール
 東京の出版社で、契約社員として働いている橋本香織は、正社員をめざしスクープを狙っていた。数ヶ月の張り込みの後、政治家と女優の密会現場の写真撮影に成功した。これで、晴れて正式な記者になれると思っていた矢先、当の女優が自殺未遂を起こしてしまった。これによって、香織は謹慎処分になってしまう。そんな香織の姿を見かねた編集長が、博多のタウン誌でしばらく働いてみないかと言うのだ。香織の実家は下関で、実家には父が一人で暮らしていた。元々、香織は大学を卒業して、実家に戻ってくるということで、東京に行ったのだった。博多での仕事は、懐かしマイブームを担当することになった。読者からのはがきで香織が目に止めたのは下関のみなと劇場という映画館に1962年から、映画の幕間に出ていた芸人のことだった。さっそく、みなと劇場を訪ねていった。そこは、昔ながらの映画館で、客もまばらだった。支配人は2代目で5年前に先代の父が亡くなり、昔のことはよく分からないというのだ。しかし、古くから劇場で働いている宮部絹代という女性から話を聞くことがでをきた。その芸人は安川修平といった。彼は、劇場に雇われていた青年だったが、客の呼び込みから、ビラまき、フィルムの運搬などあらゆる雑務をこなしていた。そして、ある日「座頭市物語」の上映中フィルムが切れ、上映再開まで時間がかかるということで、大入りの客を前に、修平がマイクを握り映画に関わるコントや歌を披露した。それは、客に大受けをし、いつしか幕間には修平が様々な趣向をこらして舞台に上がり人気を博していた。そんななか、彼のファンであったOLの平川良江と知り合うことに。いつしか二人は、みなと劇場のロビーでのデートを重ね、結婚することになった。やがて、娘美里が生まれ、今度は親子三人でロビーのソファーで弁当を食べるようになった。そんなささやかな幸せも、テレビの普及でみなと劇場の客足も急速に減っていた。その影響で、修平は支配人から解雇を言い渡される。しかし、良江は自分がもう一度働くから、無給でもいいからとみなと劇場の舞台に立てるよう、支配人に申し出ていた。しかし、舞台の修平にグループサウンズの歌を歌えとか、修平が舞台に出ると帰って行く客もいた。1970年、とうとう修平は舞台を去ることになった。この日だけは、昔なじみの客が押し寄せた。
 そうした日々を取材した香織は、久しぶりに実家に戻った。母はもう他界しており、父と二人の気まずい時を過ごすことになる。さらに、取材を重ねると修平の娘美里が下関にいることがわかる。彼女は在日朝鮮人の夫とともに焼肉屋をしており、息子もいることがわかった。彼女のところを訪ねた香織に美里は、父が韓国の済州島出身であることを話し、母の良江がみなと劇場での最後の舞台を終えてすぐに亡くなり、父もあちこちのキャバレーでの仕事を最後に行方がわからなくなり、養護施設で育ったこと話してくれた。美里は最後に父からきた手紙を見せて、私を捨てた父を許せないと言うのだった。それでも、香織は韓国居留民団の力を借り、修平が済州島にいるらしいことを聞き、韓国に渡るのだった。
 昔の描写はモノクロで描かれ、現在はカラーでという対比で、映画のなかで上映される映画も「網走番外地」や「座頭市物語」などのプログラムピクチャーが次々に上映され、修平が歌う映画の主題歌も「下町の太陽」「寒い朝」などで、リアルタイムに映画館で見た情景も思い出した。当時は、5社(東宝、松竹、東映、日活、大映)の他、新東宝、第2東映(ニュー東映)などがあり、二本立て興業でトップ俳優たちは、5社協定で自社の作品にしか出演できなかった。そして、映画の主題歌はスターたちが歌っていた。このレコードも45回転のドーナツ盤が中心で、A面B面の2曲が入りだった。こうした懐かしい昔のことを次々に思い出してしまった。
それはさておき、この作品は家族の絆、そして在日朝鮮人の人たちの置かれてきた状況をも考えさせる。特に、安修平はみなと劇場以降キャバレー回りでも素人芸ということであきられ、故郷の韓国済州島へ帰郷するのだが、娘を結果的には捨てることになってしまった胸の内はさぞ苦しかったろうと思う。やはり、日本での差別、しかも韓国でも、当時は日本語や日本の歌など受け入れようもなく、日本からの帰還者ということでの差別もあったことを思えば、貧しい生活をここでも余儀なくされたことへの思いも膨らんでしまった。ともあれ、出演者では、伊藤歩がよかったが、藤井隆も「パッチギ!2」でも存在感を示していあたが、この作品の幕間芸人という役柄はぴたりはまり役だった。それと、後年の修平役の元ザ・スパイダースの名ギターリスト井上堯之が渋い味を出していたよかった。けっこうはまった作品だ。

監督:佐々部清
出演:伊藤歩、藤井隆、鶴田真由、藤村志保、夏八木勲
2004年日本映画  上映時間115分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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