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ローマ法王の休日
 先日第266代ローマ教皇(正しくはこちらの表記)フランシスコ1世が就任した。この教皇は南米アルゼンチン出身でイエズス会から初の教皇となったが、下馬評では最有力ではなかったという。この現実を踏まえて、この作品を見た。映画では、教皇の死によってコンクラーヴェが世界中から集まった枢機卿たちの投票がおこなわれる。そのなかで、下馬評に上がった候補たちの名前が投票結果で読み上げられるが、規定の3分2には届かない。そのため、システィーナ礼拝堂の煙突からは黒い煙が出て、世界中から集まったカトリックの信者とマスコミは固唾を飲んで注目している。なかなか決まらないままに、自分が選ばれないようにひたすら祈る枢機卿がいた。しかし皮肉なことにその彼メルヴィルが教皇として選出される。しかし、バルコニーに出て最初に全世界12億人のカトリック信者に向かってあいさつをするのが慣例となっているが、その直前それを拒否する。しかし一旦は教皇となることに同意したわけで、教皇庁は大混乱となる。ましてや、マスコミとの対応もある報道官は大慌て、さっそく医者に診てもらうが健康面は問題ない。そこで密かにローマ1の精神科医を呼ぶが、枢機卿たちが見ている前での診断は難しいということで、この精神科医の元妻である精神科医の元を密かに訪ねる。しかしここでも、その原因はわからず、その帰途お供のものたちをまいて、教皇は一人町に逃げ込んでしまう。あちこち彷徨い、その日の夜泊まったホテルに、ある劇団員たちが公演のために宿泊していた。彼らはチェーホフの「かもめ」を上演するらしい。主役の男優が舞台の台詞を諳(そら)んじながら階段を降りていった。その声に引かれるように教皇も後をついて行った。すると、男優は救急車に乗り込み、その場を去って行った。残されたスタッフや俳優たちは困り果てていた。教皇はかつて、演劇を志しており、「かもめ」の台詞は今でも全て覚えていた。劇団員たちに自分が代役をやりたいと言い出したくてうずうずしていた。一方、教皇庁では報道官が教皇は自室で休んでいると嘘をつき、枢機卿たちは精神科医の発案でバレーボール大会を地域ごとにチームで戦うことになった。しかし、いつまでも、嘘をついている訳にもいかず、報道官が枢機卿たちに教皇が楽しみにしている「かもめ」の公演に大挙して出かけ教皇を連れて戻るのだった。そして、改めて新教皇としての挨拶をするためにバルコニーに顔をだすのだった。
 この作品も、予定調和のストーリー展開ではなく、随所に批判が隠されている。その1、教皇は枢機卿たちの投票で選ばれるのだが、最終的には神によって選ばれたということになる。それを、拒否するということは、逆に大変な決断になると思う。その2、枢機卿たちは教団の指導部にいるのにもかかわらず、けっこう精神安定剤や睡眠導入剤を常用しているという場面が出てきて、驚いた。その3、精神科医がプロテスタントの信者ではないと断ってはいるものの、聖書の記述のあちこちに「鬱病」の人が書いたような箇所があると指摘する。つまり宗教指導者といえども、所詮は弱い人間なのだからということを描いているようだ。それにしても、教皇役のミシェル・ピッコリはかつての「軽蔑」や「獲物の分け前」とは打って変わった穏やかな面持ちで、気弱な教皇を見事に演じきっていた。いろいろと考えされられる作品だ。


監督:ナンニ・モレッティ
出演:ミシェル・ピッコリ、イエルジー・スチュエル、レナート・スカルパ、ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ


2011年伊映画     上映時間:105分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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