FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

2019/09
≪08  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30   10≫
牛の鈴音
 韓国の山あいの村で79歳のチェ爺さんは76歳のお婆さんと二人で農業を営んでいた。そんなお爺さんの農作業の手助けする雄牛は40年も生きている。通常牛の平均寿命は15年と言われている。しかしこの牛は30年も働いている。それでも、さすがに歩くのもよろよろしながらゆっくりゆっくり荷車を引いていた。チェ爺さんは子どもの頃、針治療のミスから片方の足が不自由だった。こちらも年のせいで満身創痍だった。しかも、このお爺さん農薬は一切使わない。それは、毎日牛の餌として刈っている草に農薬がかかれば、毒の餌を牛に与えてしまうからというのがその理由だ。一方、長年連れ添ったお婆さんは、口を開ければ愚痴がでてしまう。「こんな男と一緒にならなければ、もっと楽な暮らしができたのに」と。それでもこの夫婦は9人の子どもを育て上げている。獣医はこの老牛はあと一年持たないかもしれないという。そこで、チェ爺さんは牛の市に行き、農耕用の牛を探しに行った。しかし、今時農耕用の牛なんていない。それでも一頭の牛を買ってきたのだが、それは妊娠した雌牛だった。間もなく雌の子牛が生まれた。婆さんは、私の仕事がまた増えたと愚痴る。しかし、老夫婦では子牛も入れて3頭の面倒をみられないので、子牛は売ってしまった。そんな折、韓国のお盆のような行事で老夫婦の子どもたちが集まった。さすがに、チェ爺さんには、経済的には援助するから、もう隠居した方がいいと口々にいうのだった。チェ爺さんは足の怪我や頭痛を抱えながらも、老牛と黙々と農作業をおこなっていた。でも、稲刈りはさすがに、鎌を持つ手が動かない。近所のコンバインを持っている若者がチェ爺さんの次男に頼まれたからと言って、稲刈りをやってくれた。やがて、冬徐々に雌牛に荷駄を引かせる練習をするのだが、なかなか言うことを聞かない。そうこうするうちに、ついに老牛の具合が悪くなった。チェ爺さんは、30年以上使ってきた、鼻輪を切って自由にしてやる。せめて、それが安らかな死を迎えるための心遣いだった。
 粗末な家、家電といえるものは牛の荷車にもぶら下げるトランジスタラジオぐらいだ。後は牛ぐらいしかいない。そんなただただ自分の身一つの農業を牛と婆さんと、自分のペースでやっている。かつて、日本の農村でも見ることの出来た風景だ。頑固に無農薬に徹しているチェ爺さんの姿は実に感動的だ。牛の鈴音とともに、農村の四季の風景は印象深く心に刻まれた。


監督:イ・チュンニョル
出演:チェ・ウォンギュン、イ・サムスン
2008年韓国映画  上映時間:78分
スポンサーサイト



テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

Secret
(非公開コメント受付中)

プロフィール

skdfg

Author:skdfg
FC2ブログへようこそ!

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSフィード
ブログ内検索
Amazon

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カレンダー
08 | 2019/09 | 10
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -