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息もできない
 サンフンは昔からの知り合いのマンシクがやっている借金の取り立てを手伝っていた。粗暴で口より手が早く、口にする言葉も汚くて下品だ。突っ張り尖ったサンフンは年下の仲間すら殴り飛ばし、周囲から恐れられかつ嫌悪されていた。そんなある日、女子高生のヨニと知りあった。勝ち気なヨニはサンフンをきちんと受け止めていた。サンフンは、現在父と暮らしている。しかし、かつてDVで妻への暴力が絶えずサンフンは目を背けていたが、妹が父を止めに入り、弾みで包丁が突き刺さってしまう。母も娘の病院に駆けつけようと道路に飛び出して、車に跳ねられ事故死してしまった。父は逮捕され15年間服役して帰ってきた。しかし、サンフンはあのとき自分が母に暴力を振るう父を制することが出来ず、妹が母をかばったことで、命を落としたという罪悪感から逃れられないのだった。そのため、父への憎悪を抑えきれず、毎日のように殴り続けていた。その一方、父には母親とは別の女性との間に娘がいた。サンフンには異母姉とその息子ヒョンインがいた。姉はDVの夫と離婚していた。そんな二人をサンフンは気にかけていて、すくなからず援助もしていた。一方、ヨニはベトナム戦争に従軍していた父は、精神的に病んでいて母親がやっていた屋台の店がやくざに破壊され、それを止めに入ろうとして殺されたのだった。しかし、父は母の死も理解できずにいた。さらにヨニの弟ヨンジュは高校生だが、学校に行かずゲームセンターに入り浸っていた。ヨニの家も貧困で、金を巡って口論が絶えなかった。サンフンもヨニも似たような境遇で、DVの父親と母を亡くし幼い頃から愛情に恵まれない家庭という共通項があったのだ。こうしたなかで、サンフンは暴力でしか感情表現ができなくなっていた。しかし、そんなサンフンもヨニとヒョンインとのふれ合いで心を開いていった。そうしたなか、サンフンの父が手首を切って自殺を図った。すると、サンフンは父を病院に担ぎ込み、「俺の血を全部抜いて輸血して、助けてくれ」と叫ぶのだった。その夜、ヨニを漢河のほとりに呼び出す。そこで二人は心を通わせ、新たな日々にわずかな希望を見いだそうとするのだが、悲劇に見舞われるのだった。
 下層格差社会の底辺でDVをはじめ家族の紐帯が崩れ、暴力と罵りの言葉にまみれた中、愛を求めさまよう若者たち。そんな切ない境遇でのたうち回る姿をみごとに描いた作品だ。北野武の初期の作品を上回る程の暴力を深作「仁義なき戦い」のように手持ちカメラで追うショット、アップの連続は当初見づらかった。しかしそれは、主人公の心の揺れをも表現しているかのようにも見えてきた。圧巻は、夜の漢河で号泣する場面は胸を打った。しかし、暴力を通しての威嚇、強制はやがてあらたな暴力で陵駕されていくという構造で悲劇を招いていくという結果もまたやむなしか。サンフン役のヤン・イクチュンは主演、脚本、監督、制作を担当しているが、ヨニ役のキム・コッピもまた素晴らしかった。


監督:ヤン・イクチュン
出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン、チョン・マンシク、キム・ヒス
2009年韓国映画  上映時間;130分
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