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我が教え子、ヒットラー
 1944年末、「ワルキューレ作戦」の後間一髪暗殺を逃れたものの、その時の後遺症で聴力も落ち精神的にもかなりのダメージを受け、自信喪失気味のヒットラー。そうしたなかでも、何としても戦況を好転させようと必死なのが、ゲッペルス宣伝相だった。彼は起死回生の策として、1945年の新年にヒットラーの演説を15台のカメラで撮影しかつての勢いを再び喚起しようと企んでいた。それには、ユダヤ人ながら卓越した演出力を持ち教壇にたっていたアドルフ・グリュンバウムにヒットラーの演説の指導を依頼するのだった。収容所から招集されたグリュンバウムは、戸惑うもののゲッペルスに妻と4人の子どもも収容所から連れてきて欲しいと要求し、久しぶりに家族で再会することになった。一方、ヒットラーの指導は、まずはリラックスすることが必要と教える。最初は相手がユダヤ人ということもあって、抵抗するのだが、情緒不安定のヒットラーということで、そのことが逆に作用して次第にグリュンバウムに心を開いていく。そして、ヒットラーは、少年時代実父から度重なる暴行をうけ、そのことがトラウマとなって精神的に追い詰められていたことまで告白する。そうしたなかで、ヒットラーの哀れむべき状況を目の当たりにして、当初隙あらば、命を奪おうとしていたグリュンバウムの気持ちも揺らいでいった。そうして、短い期間での指導を終えたあたりで、突如ヒットラーの声の状況が悪くなり、声が出せなくなってしまった。そこで、急遽グリュンバウムが、当日の舞台の真下にいて、ヒットラーの替わりに演説をおこなうことになったのだ。
 もうすっかり、敗色濃厚なベルリンでっは、わずかに首相官邸周辺だけが残るのみで、後は瓦礫に覆われていた。小心なヒットラーは、実父の虐待とその父がユダヤ人かもしれないというところで苦悩するあたりに注目した。それと、いかにもドイツ的と思われる何をするにも書類と法令が必要というあたり、いかにもドイツと感じた。しかしそうした規範も唯一独裁者の一喝で変わってしまうあたりが、全体主義国家の所以と思った。それでも、けっこうコミカルに描かれていて、面白かった。

監督:ダニー・レヴィ
出演:ウルリッヒ・ミューエ、ヘルゲ・シュナイダー、ジルヴェスター・グロート
2007年独映画   上映時間;95分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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