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劒岳 点の記
 1907年時の陸軍参謀本部陸地測量部は、先の日露戦争の勝利に列強からの圧力を感じ、国内の正確な地図の作成を急ごうとしていた。三角点(経度、緯度、標高)による測量法によって作成する日本地図で唯一空白となっているのが、富山県の剣岳一体であった。実は5年前、陸地測量部の古田測量手によって剣岳の測量が試みられたことがあったものの、あまりの難所に断念せざるを得なかったのである。しかし、今回は前人未踏のこの山に結成されたばかりの日本山岳会・小島烏水らも初登頂を目指していることがわかった。参謀本部では、遊び半分の民間人に先を越されたくないという思いもあって、陸地測量部の柴崎芳太郎測量士に厳命だと言って剣岳の登頂と測量を完遂するように申しいれたのだ。芝崎は先輩である古田の元を訪ね、意見を聞いた。すると、古田は地元では立山の山岳信仰が盛んで剣岳は死の山として恐れられていて、案内人を見つけるのは難しいが、自らが経験から宇治長次郎がうってつけだと紹介してくれた。柴崎はさっそく下見に富山に向かった。駅では長次郎が待っていてくれた。彼の村までは徒歩で行かなくてはならない。そして翌日柴崎と長次郎は山麓の村の総代に挨拶に行った。彼はあからさまに、剣岳への登頂には反対の意向だった。それでも、二人は晩秋の立山山麓を出発した。一帯は山岳信仰を信ずる多くの人々が行き交っていた。そんななか、長次郎の家を出て山の案内人として働く幸助の姿もあった。二人は行けども行けども厳しい剣岳への登頂の道を見つけ出せず、苦労していた。そんな折り、日本山岳会の小島烏水の一行とも鉢合わせてしまった。しかし、思ったよりも早く冬の訪れがあり、やむなく下山することになったが、途中で山にこもる行者を助けることになった。行者は「雪を背負って登り、雪を背負って降りよ」という言葉をかけるのみだった。翌年、測量隊は柴崎の他に木山竹吉、生田信が加わり、地元からも長次郎の他に宮本金作、岩本鶴次郎、山口久右衛門らが合流した。何せ、登山だけではなく三角点を設置するのだからその装備だけでも大変だった。一行が山には入るが、あたりはまだ雪渓や氷雨に見舞われていた。それでも、一行は観測も実施しながら少しずつ剣岳に近づいていった。前年、長次郎が登ろうとしたコースを生田が挑戦するが、あえなく滑落してしまった。やがて、日本山岳会の五人のメンバーも登頂しようとやってきた。
 一体何のために、山に登るのか、地図の空白部分を埋めるだけのために苦労する一行。それでもCGや空撮を一切使っていない画面は美しく、そして自然の厳しさを見せつけてくれる。木村大作初監督の作品とはいえ、かつて「八甲田山」の撮影もおこなっており、同じ新田次郎原作で相通ずるものがあると思った。現代では、登山道具は進歩しているが、当時は靴からして草鞋だし、テントや食料、灯りに至るまではるかな困難な状況だったと思われる。それに、交通手段といっても、基本は徒歩だし、そんななかでの山岳信仰に集う当時の民衆の思いもよぎるものがあった。出演者では松田龍平、仁科貴、蟹江一平らの芸能人二世も多く出ていたが、同じ二世といっても香川照之は浅野忠信とともにとてもよかった。抑制のきいた演技で、惹きつけてくれた。それと、添え物気味だが、宮崎あおいはやはり見とれてしまった。それでもなお、素晴らしいのは立山連峰から一望する山々の四季の景色は天下一品だ。


監督:木村大作
出演:浅野忠信、香川照之、中村トオル、松田龍平、モロ師岡、宮崎あおい、役所広司
2009年日本映画  上映時間:139分
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テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

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