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イキガミ
 冒頭、ある若者がディスコに勤める男性を室外の連れだし、ナイフで斬りつける。それは、かつていじめをしていた男への復讐のためだった。しかし、寸でで襲った方の男が突然倒れて死んでしまった。これは、「国家繁栄維持法」が施行され、小学校入学時に全員にナノ・カプセルが注射される。そして、その中の1000人に一人の誰かが18歳から24歳の間にカプセルが破裂して死ぬことになる。これは、この舞台の社会の為政者が国民の「生命の価値」を高めることが、社会の生産性を向上させるとの認識で、その手段として「死の恐怖」を対峙させるために作られた法だという。この法の下、厚生保健省だけが知っている死ぬ人間に、24時間前に「逝紙」(イキガミ)を配達することになっている。新任の配達人になった藤本は、入省式の場で臨席の男が、この「国繁法」によって恋人が亡くなっており、この法に疑問を持ってそれを口にしてしまった。すると彼は拘束され、思想改造収容所に送られていった。その後、藤本は国家公務員として「イキガミ」の配達に従事する。最初は、母と子の二人暮らしでミュージシャンを目指している田辺の元へ行く。藤本は24時間後に死亡すること、遺族には年金が支給されること、24時間内の飲食や移動はすべて無料になることを機械的に告げる。ただし、やけを起こして犯罪をおかせば、年金などの特典は無効になるといった注意も付け加えた。しかし、母親は冷静さを失い藤本に花瓶の水をかけて、帰れと言い放つ。本人は24時間後ちょうどテレビデビューの時間に重なっていた。二人目は、ひきこもりの滝沢という青年だ。彼の母親は国会議員で保守派の代表格だが、かつて彼女は収容所にいて転向した経験があった。それからは、「国繁法」推進の旗振りとして活動していた。そうした親の都合に振り回されて引きこもりになったのだ。藤本が配達した「イキガミ」を知った母親は、ちょうどおこなわれている選挙に利用しようする。さらに、3人目は飯塚という、交通事故で両親を亡くし、妹とともに養護施設で育った若者だった。兄は暴力団の手先で、詐欺商法に手を染め少年院に入ったこともある。現在でも、ヤミ金融の仕事をしていた。妹は事故の後遺症で視力がなくなっていたが、ドナーが見つかれば視力が回復するという「盲学校」に通う高校生だ。こうした3人を通して藤本の想いに変化がみられてくる。
 明らかに、戦前の「治安維持法」や通称「アカガミ」と呼ばれた「招集令状」を下敷きにしていることは容易に想像される。原作は漫画で、昨今はこうした作品は日本のみならずアメリカでも盛んに作られている。ただ、死の恐怖を植え付けることで社会の生産性が向上するという説明には、いささか疑問が残る。ファシズムの支配と相容れないような、路上ミュージシャンや通常の形態の選挙、ひきこもりといった問題は描かれたような社会とは相容れないものであり、至る所に張り巡らされた監視カメラ群からも、当然摘発され抹殺されていくことになるのではないだろうか。滝沢の夫が語る「民主主義的希望」も難しいのが現実となろう。そうした意味で、逆に現代日本の政治状況を見つめ直す契機とすることできるのではないだろうか。


監督:瀧本智行
出演:松田翔太、塚本高史、山田孝之、成海璃子
2008年日本映画  上映時間:133分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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