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キング・コーン
 大学卒業を目前にしたイアンとカートは、ある日自分たちの髪の毛の分析をしてもらい、炭素原子のほとんどがコーンを検出したことを知った。つまり自分たちの食事の大半にコーンが含まれていることを知らされたのだ。そこで、あちこち当たってみると、偶然にも二人の曾祖父がアイオワ州出身であることが判明した。この繋がりもあって、二人はアイオワの人口1000人余の小さな町に行き、1エーカー(約4,047平方メートル)のコーン畑を借り、実際にコーン栽培に挑戦する。コーンは元来メキシコが原産だが、温暖で栽培に適したアイオワ州で改良が重ねられた。現在では、遺伝子組み換え技術も相まって40年前に比較して約5倍の収穫を上げている。もちろん大規模なトラクター等にもよるのだが。そうしたなかで、かつてのコーンはタンパク質を多く含んでいたが、現在のものは糖質がほとんだという。町には、コーンの集荷場のエレベータ塔がそびえ立ち、町を見下ろしている。ただ、単価は安く、コーン栽培に関わる政府の助成金によって、かろうじて黒字になるという仕組みだ。こうした現状は、次第に大規模農家しか生き残れない状況を生み出していた。こうして安価で大量のコーンは、日本などに輸出、バイオエタノールの原料、この絞りかすを含め牛、豚、鶏の飼料として使われる。ただ、牛の場合、本来は牧草や干し草が主要な食物なのだが穀物であるコーンを食べさせることによって生育は早く、かつ囲い込みによる牛の肥育が可能になり、安い牛肉が生産されることになったのだ。結果として、安くて脂肪過多の牛肉が大量に生産されるようになったのだ。しかし、牛の胃にとってコーン等の穀物では胃酸の濃度を濃くしてしまい、病気にかかりやすくなるという。そのため、抗生物質を大量に投与するという事態になっている。このようにして生産された脂肪分多い牛肉はハンバーガーの原料となっている。ここに、マクドナルドなどのハンバーガーがなぜあんなに安いのかの答えがある。さらにハンバーガーにつきもののポテトフライはコーン油で揚げられている。それと、飲み物とくにコーラなどの炭酸飲料にはコーンシロップが入っている。コーンから作られるコーンシロップは砂糖より安価なため炭酸飲料の甘味料はほとんどこのコーンシロップが入っている。こうしてかつてない安価な食料があふれ、これを日常的に食べることによって、健康被害多くでている。それは高脂肪、高カロリーの食事となり結果として肥満と糖尿病などを誘発しているという。こうして、コーンの栽培を通して現在アメリカの食の現状農業の実態を鋭く描き出している。
 かつてこの映画について、米在住の映画評論家町山智宏氏がTBSラジオ「ストリーム」で紹介したことがあった。それで関心はもっていたが、日本で公開されるということで観た。同様にドキュメンタリーで「命の食べ方」という作品があったが、ヨーロッパでの牛、豚、鶏さらには農産物の大量生産と斯うした結果「生きものの命によって」人間が生きながらえているという状況を示していた。これとも相通ずるものがあるが、「キングコーン」が昨年の原油高もあってバイオエタノールが増産されたあたりは製作年度が2007年ということもあって描かれていない。こうしたこともあってアメリカのコーン栽培面積は日本の国土を上回ることになっている。食のアメリカ化が加速しているなか、これからはアメリカの若者同様、親の亡くなる年歳よりも若くして亡くなるという状況が招来するのだろうか。


監督:アーロン・ウルフ
2007年米映画  上映時間:90分
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テーマ : ドキュメンタリー映画
ジャンル : 映画

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