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いのちの食べ方
 いのちの食べ方という同名の森達也の本が出版されている。しかし、こちらは日本のと場を中心にした牛や豚などの食肉として食卓に上がるまでを中学生にわかるように解説した本だ。一方ここで取り上げるのは、原題を「OUR DAILY BREAD」というドイツ・オーストリア合作のドキュメンタリー映画だ。とにかく、動物、植物など我々人間が日々食する様々な「いのち」をいかに生産し、いかに消費するのかを実に淡々と映し出している。この作品は、会話の部分はほんの少しあるものの、ほほとんどが状況を映すだけで、音楽もナレーションも字幕もないという一風変わった作品だ。野菜では、トマトはハウスで大規模に生産され、レタスは路地栽培だがその収穫は移動式の車に収穫籠積み工場のような形態で箱詰めしていく。見渡す限りのナツメヤシの植わった一帯では最初に車のアームで木を振動させ、実を一気にふるい落とし、それを機械で拾い集めていく。リンゴなども木から切り取るとプールのような水槽で洗い選別したものを詰めていく。こうした農業に関わるものも、大規模で無機質に機械化が進んでいるのを目の当たりにする。一方、動物に関わっては、鶏はひよこから選別され、養鶏も大規模でその後は文字通りベルトコンベアーに吊され足が次々に切られ、それぞれの部位に切り分けられていく。豚も同様だが、腹部を切り裂くのは機械ですぱっと切られていた。牛は一頭ずつ顔だけ出せるスペースに入れられ、「ノーカントリー」に出てきたエアーガンのようなものを眉間に打ち込み絶命させる。そして、すぐに逆さに吊り血抜きのため喉を切ると滝のように血と体液が噴出する。以後もさすがに大きな牛ということで、機械を使い身体を切り分ける。こうしたシーンの合間にこれらの現場で働く労働者たちが昼の食事を淡々ととる様子も映し出される。
 日本では、野菜や果物といった植物にも生きものとして、生あるものとしての扱いはあると思う。しかし、この作品のなかでは、ただ単に我々の食料として、ハウスが工場のような役割をして大規模に生産されているだけという印象をもった。ただ、あのと場などで働く労働者たちが耳に当てているヘッドホンは騒音対策のものなのか、単に音楽を聴いているのか疑問に思った。それと、文字通り我々は殺生というイメージを持ってしまう牛、豚、鶏といった血を流し、命を奪われし食料たちもまた、大規模工場のようなところではそうした感慨がわきにくくなっているのだろうか。それでも、我々は他の生物の命をいただいて生きながらえている存在なのだから、こうした現実を直視する意味で、この映画存在は大きいと思った。


監督:ニコラウス・ゲイハルター
2005年独・墺映画  上映時間:92分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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