2009-07

ブーリン家の姉妹

 16世紀初頭英国王ヘンリー8世は、当初は兄のアーサーが即位するはずだったが15歳で夭逝したため、兄の婚約者でスペイン王室のキャサリンと結婚し1509年に即位した。その後、年上の王妃には女性の子どもしかいなかった。ヘンリー8世は男子の誕生を切望していた。そうしたなかで、ノーフォーク公爵は姉の嫁ぎ先であるトーマス・ブーリンの家をヘンリー8世を狩りの宿舎としたのだ。これは、ブーリン家の娘アンを王に気に入ってもらうための計画だった。王の一行が到着すると、すかさずアンが王の目にとまった。しかし、翌日の狩りの際はりきったアンのため王は落馬して怪我をしてしまった。そこで、かいがいしく手当をしたのは、アンの妹のメアリーだった。彼女はすでに結婚していたのだが、それでも王の眼鏡にかない、ブーリン家は一家そろって英王室に仕えるためロンドンに行くことになった。さっそく、王の寵愛をうるメアリーだった。一方アンは公爵のヘンリー・パーシーと二人で結婚を決めてしまう。しかし、当時は国王の許可なく貴族は結婚することはできなかった。ようやく王の寵愛をうけ、一族が出世を手にしようとした矢先のこと、アンは結婚をなかったことにされ、フランス王室に行儀見習いに出される。間もなく、メアリーが懐妊する。すると、アンは再び呼び戻されることになった。すると、今度は見違えるようになったアンに目を奪われるようになった国王ヘンリー。しかし、妹が妊娠中ということもあって、ひたすらじらすアン。やがて、待望の男の子が生まれた。しかし、庶子ということで、二人は田舎で暮らすことになった。アンは自分こそ、王子を生むと宣言し、ちゃんと結婚をして欲しいと王に迫るのだった。しかし、当時カトリックでは離婚はできない。そこでローマ法王から破門され、英国教会を設立し、無理やりキャサリンを離婚してしまう。そして、アンは正式に結婚し晴れて英王妃となったのだ。しかし、懐妊したものの、生まれてきたのは女子で、エリザベスと名づけられた。再び懐妊するも、流産の憂き目にあい、何とか子どもを欲しいと願うアンは弟のジョージをベッドに誘うが、拒絶される。しかし、こうしたことがジョージの妻から王の耳に入る。するとヘンリー8世は、アンへの想いも失せ、姦通罪と近親相姦の罪でロンドン塔に幽閉し、裁判にかけ死罪とする。
 かつて、「1000日のアン」で描かれた、アンとヘンリー八世の物語。今回は、ブーリン家の兄弟にスポットをあてた作品になっている。ただ、アンブーリンの正確な生年月日が不詳のため兄弟のメアリーは資料によっては姉となっている。それでも、ヘンリー8世の子を生んでいるのは確かなようだ。しかし、嫡子として生まれていないため、王位継承権はなかった。結局、アンは英王室に離婚と再婚をできるようにしたキーパーソンとなった。それによって、後に娘のエリザベスが英王室のゴールデンエイジを築くことになったのだが。この、ヘンリー8世の離婚問題については名作「わが命つきるとも」に格調高く描かれている。これに対して今回の作品は姉妹と王との愛憎を描いているものの、歴史のおさらいのようでいまいち深みがない感じが否めなかった。


監督:ジャスティン・チャドウィック
出演:ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ
2008年米英映画  上映時間:115分

テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

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