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点と線
 福岡県博多の郊外の香椎海岸に男女の遺体が並んでいるのが発見された。1月の末の事であった。地元の博多東警察署では現場検証の結果、合意の上での心中という結論をだした。それというのも、男の方は産経省の課長補佐の佐山といい、折しも汚職事件の鍵をにぎるキーマンであり、女性は赤坂の料亭小雪の仲居お時で、捜査が及ぶのを苦に心中したのではないかというものだった。しかし、ベテラン刑事鳥飼だけは、二人の死に疑問をもった。それは、佐山が単身で博多の旅館に泊まっていたという点とポケットに入っていた食堂車で一人分の領収書しかなかったということだった。一方、東京の警視庁捜査二課の三原刑事は産経省の汚職事件を捜査していたが、佐山の死で追及の矛先が鈍ってしまったと思っていた。彼は、博多に行き心中の捜査をおこない、鳥飼から状況を聞いた。東京に戻った三原は佐山が東京駅を出発した1月14日、特急あさかぜに乗るところを見たという安田に面会した。彼は産経省石田部長とも懇意で、産経省関連の機械商社の社長だった。彼が言うには、その日小雪の仲居二人とともに食事をした後、妻が病気療養をしている鎌倉に行くため東京駅に行った際、たまたま自分たちのいた13番ホームからあさかぜの停車していた15番ホーム見通す事ができたという。その15番ホームを佐山とお時が連れ立って歩くのを見たというのだった。あまりに、都合がいいので、二人の心中した日のことを聴くと、安田はその日は北海道にいたというのだ。裏をとると確かに青函連絡船の乗船通行票が残っていた。しかし、三原は安田の妻を鎌倉に訪ねると、彼女の枕元には時刻表がおいてあった。結核で静養中の亮子は、時刻表を眺めて想像で全国を旅するのだという。このことを地元の同人誌に随筆で書いていたことを、亮子の主治医に見せてもらった三原は、安田に疑惑の目を向けた。そして、綿密に練られたアリバイ工作を覆すため、東京に出てきた鳥飼ともども追及していく。
 松本清張の出世作である「点と線」1958年の作品で、新幹線もない頃の話である。それでも、日本一発着の多い東京駅で隣のホームが見渡せるのが、一日でたった4分間だけというところうまく使ったミステリーで、当時の社会状況を踏まえており、社会派ミステリーの草分けといったものだった。そういう意味では、後の西村京太郎のトラベルミステリーなど時刻表を使っての筋立ての原点ともいえる作品だ。映画は当時の新人南廣が三原役で出ており、鳥飼には加藤嘉、安田には山形勲、亮子には高峰三枝子、その他志村喬、堀雄二、三島雅夫といった芸達者が出ていた。この後、東映では警視庁物語というシリーズが何本もつくられており、この作品にも、この「点と線」のキャストが出ていたと思う。
 それはそうと今年、テレビ朝日がこの「点と線」を前後編2回にわたって放送し、芸術祭大賞を受賞したという。ここのところ、ハリウッドにならったのかリメイクが大流行である。しかし、「天国と地獄」「生きる」といった見るも無惨な状況なのだが御多分にもれず、「点と線」もひどいものだった。芸術祭大賞があきれてしまう。何といっても、ビートたけしが大根すぎる。ただしかめっ面で、捜査権限もないままに東京まできて、勝手に動き回るという設定に無理がありすぎる。戦争中のエピソードも原作にはないものをつくっており、これも後付けといった感が強すぎ。それと、安田役の柳葉敏郎もただただ眼を見開くだけの例によっての一本調子だし、とても悪には見えない。さらに、産経省の石田役の竹中直人も、腹黒い官僚には見えない。しかも帽子や靴といった小道具もあざとすぎる。さらに、警視庁の捜査二課の刑事たちが鳥飼に敬意を表する場面も作りすぎで、まったくの駄作と言わざるを得ないし、そもそも空白の4分間を持ち上げすぎと言わざるをえない。それより、食堂車の領収書でいうと、閉まる時間というの鍵だし、安田のアリバイ作りに産経省の佐々木がかんでいたところなどもっと詳細に描くべきではないだろうか。話を膨らませすぎで、お時の家族や安田の愛妻家といった側面がかえって話をぶち壊していると思う。

監督:小林恒夫
出演:南廣、高峰三枝子、山形勲 、加藤嘉 、志村喬
1958年日本映画 上映時間85分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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