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ペコロスの母に会いに行く
 長崎に住むゆういちは、年老いた母みつえと息子のまさきの3人暮らし。ただ、最近はみつえが認知症気味で心配だった。オレオレ詐欺の電話が入り孫のまさきの名前をかたるが、そこにまさきが帰宅すると、電話の受話器を戻さずそのままにしてしまう。ゆういちは、地元のタウン誌に勤めているが、ノルマの広告を取れず公園でギターの弾き語りの練習をしたりしている。一方、まさきもアルバイトで働いている。そんな一家の夕食はまさきが買ってきたコンビニ弁当だ。ゆういちは最近みつえの下着が買っても、すぐになくなることに気がついた。それは、タンスの中に入っていた。そこで、介護士に相談すると、認知症の症状だという。思い切ってゆういちは、グループホームさくら館への入所を決める。最初は、抵抗のあったみつえも徐々になれていった。しかし、そうしたなかでゆういちのことも、わからなくなってしまった。そこで、帽子を脱いで、トレードマークの禿げた頭を、なでてもらってわかってもらえた。ある日ゆういちはみつえの妹であるよしのとすずこを伴ってホームを訪ねた。この兄弟たちの会話もちぐはぐだ。こんな日々が続き、ゆういちも会社をくびになり、ちょくちょくホームに来ることできるようになった。すると、さっきまでお父さんがそこにいたとか、妹のよしのもいたと言う。ゆういちがもう父ちゃんは10年前に死んでるし、おばさんも子どもの頃に死んでいると言おうとした。しかしみつえは「あの人たちは死んでからのほうが、よく訪ねてくれるようになった」というのだった。そして、みつえの故郷、長崎県天草での子ども時代、親友だったちえこが戦前長崎に奉公に出されたこと。1945年8月9日の原爆が投下された日のこと。戦後結婚して長崎で暮らし始めたことなどを思い出す。そんななか、長崎ランタンフェスティバルに母みつえと妹のよしの、すずこたちを連れて見学にいく。すると、最初によしの、すずこたちの行方がわからなくなり、それを捜しに手分していくが、今度はみつえも車椅子から降りて歩き出す。みつえは幻想的なランタンに囲まれためがね橋の上で死んだ夫や親友のちえこと会っていた。それを見つけたゆういちが写真を撮るとしっかりと手を握り合っているようなみつえの姿が写っていた。「ボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん」というゆういちの独白で映画は終わる。
ゆういちと同世代なので、親の青春時代とか人生といったことも思い出してしまった。残念ながら母は3年前に他界しており、実体験であのような認知症の場面には遭遇してはいない。ただ、飲んだくれの父親は共通している。ゆういちの父親は被爆者だという。多分戦争体験もあるのだろう。我々世代の男親は戦争にいっており、理不尽な境遇で人殺しを強要されてきた世代で、そのトラウマが酒に走らせたのではと今では思えるが、当時は非常に嫌悪を感じた。それはともかく、森崎東監督も久しぶりだ。ちなみに寅さんシリーズで山田監督に代わって第3作「フーテンの寅」を撮っている。それと、喜劇・女は度胸シリーズは忘れがたい。先日亡くなった米倉斉加年もたしか「女売り出します」にスリの役で出ていたと思う。森崎監督にもっとがんばってもらいたい。


監督:森崎東
出演:岩松了、赤木春恵、原田貴和子、加瀬亮、竹中直人、温水洋一、原田知世

2013年日本映画           上映時間:113分
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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
  冒頭、老人が車が行き交うなかとぼとぼと一人で歩いている。すると、パトカーが止まり「ここは高速道路だ」ということで保護される。そこで迎えにきた次男のデイビットに対してウディは、100万ドルの宝くじが当選したという知らせを見せる。これは、雑誌の定期購読を宣伝のためのもので、いかにもいかがわしい。実家に連れて帰ると、母親のケイトにも文句を言われるデイビット。彼は40過ぎて電気店のスピーカー売場に勤めているが、2年ほど同棲した恋人と別れたばかりだ。彼を訪ねてきたモトの彼女に未練たっぷりで、復縁を持ちかけたが断られてしまう。ウディは、初期の認知症のせいもあって、一人で1,500キロも離れたリンカーンの町まで賞金を受け取りに行こうと何度も歩き出す。そこで、デイビットが無駄と知りつつ、父を連れて車での旅に同行することにする。元々ウディはネブラスカ州のホーソンの出身で、リンカーンもすぐ近くにある。そこで、デイビットの愛車スバルのワゴン車でモンタナを出発する。二人は、ワイオミング州を過ぎサウスダコタ州に入り、せっかくだからとラシュモア山の大統領たちの顔を見によった。その夜モーテルの部屋に倒れ込んできたウディは、額に大きな傷があり、出血もしている。すぐに、病院に連れて行くが、アルコール依存症でしばらく様子を見た方がいいと言われる。しかし、ウディは夜明けを待たず一人で歩き出していた。ようやく、ネブラスカに着き、兄の家を訪ねる。すると、そこにはウディの兄と二人のおっさんになった息子たちが座ってテレビを見ていた。兄弟は、定職もなくブラブラしていて、逮捕歴もある。夜ウディ親子は町の酒場に行く。デイビットがトイレに立っている間にウディはしばらくぶりにホーソンに来たのは、100万ドルの宝くじに当選したと言ってしまう。すると、店にいた昔なじみの連中が「今日は、ウディのおごりだ」と大騒ぎになる。しかも、翌日には彼らが泊まっている兄に一家でも話題になる。そして、親戚一同がホーソンに集まる。そして、一様にウディにたかるのだった。しかし、そこに現れたケイトが、はっきりと貸し借りはないと宣言する。一方、デイビットは町で地方紙を発行している女性が父とつき合っていたこと聞く。そして、彼が朝鮮戦争に従軍し、帰還後酒浸りになったことを聞いた。しかも、かつてウディが自動車修理工場を共同経営していたエドから金を要求される。しかし、ウディは元来人が良く、人に頼まれれば断ることができないという性格を利用されるのが常だった。そして、ウディが大事に持っていた通知が強奪され、インチキだとわかった途端エドをはじめ、皆ウディを嘲笑する。それでも、ウディはあきらめず、リンカーンの町に行く。そして、はっきりと当選していないことを確認する。
 親と子の絆を確認するためのロードムービー。ネブラスカの何もない荒廃した町で、仕事もなく、ぶらぶらしているおっさんたち。農業と放牧の仕事ぐらいしかないなかで、宝くじが当たったというと、途端に群がってくる人々のあさましさが描かれる。そして、ウディの妻ケイトが墓に行き「この人は私のあそこを触った」とか「この人は私のあそこを覗きたがっていた」とか言い、墓石にスカートをめくっている場面が下品だが、おもしろかった。久しぶりのモノクロ映画で、なかなか趣があった。何もない荒野を描くのに、ちょうどいいのだろう。最後にデイビット兄弟がエドへの復讐をやろうとして、母親の勘違いで盗みを止めるシーンや、デイビットが自分の愛車スバルをトラックと交換し、コンプレッサーを買って父にプレゼントする場面は、父の思いに応えての行動で胸を打った。
鑑定士と顔のない依頼人
  有名な鑑定士でオークションを仕切るヴァージルは私生活では独身で、潔癖症でもあり、いつも手袋をしていた。そんな彼が、プラ-ベート食器を持つホテルで食事をすると、デザートとして誕生日を祝うケーキが出された。ろうそくの日をなかなか消さないので、ボーイが聞きに行きと「私の誕生日は明日」だと言って返ってしまう。翌日、彼のオフィスには山のように誕生日プレゼントが届けられていた。そのなかで、携帯電話を目にして「これは、使わない」と言い切るヴァージル。すると、そこに電話が入る。いつもなら秘書が対応するのだが、たまたま彼が電話を取った。相手は女性で家にある両親の遺産を鑑定してもらいたいというのだ。しかし、約束の日に彼女は姿を現さず、その次の機会でも広大な屋敷の前で待ちぼうけを食わされた。そこで、電話でもうこの話はなしだと激高するが、受話器の向こうからは泣きながら非礼をわびる声が続く。3度目にようやく家の前には、彼女の両親に使えてていたというフレッドが待っていた。そこで、彼に案内されて屋敷の中を見ることができた。家具を中心に、いろいろとそろっていた。そのなかで、とくにめを引いたのは金属の歯車の断片だった。ようやくヴァージルは、電話の主と話ができた。それは壁越しにだった。彼女は「広場恐怖症」ということで、15歳から一度も外には出ず、家の中でも人がいれば部屋から出ないという生活を続けているというのだ。ヴァージルはそんな彼女クレアと契約の話を進めた。壁に立てかけてあったバレーをするきれいな女性がクレアの母親だと説明された。その帰途、ヴァージルは長年の知り合いで、手先の器用なロバートの店に寄る。そして、クレアの家の地下室から見つけた歯車を見せた。すると、歯車には18世紀の有名なからくり人形の作者の署名が見つかった。この人形を復元できれば、莫大な値段で売れる。
そんなことを考えるヴァージルは、オークションでもビリーという売れない画家と組んで、本物の絵画を贋作と偽って安く入札し、最終的にはビリーに手数料を払って自らのコレクションを増やしていた。そうして集めたコレクションはルノワール、モディリアーニ、ゴヤ等の女性の肖像画ばかりだが、彼は一人で悦に入っていた。そんなある意味したたかなヴァージルは、度々クレアの家を訪れ、鍵まで預けられ彼女と接しているうちに、どうしても顔を見たいという衝動に駆られてしまう。それと、彼女との連絡を取りたいという思いから、嫌っていた携帯電話も持つことにした。ついでに、歯車の収集も着々と進めていた。そのおり、いったん返ったふりをして、部屋から出てきた彼女を見たヴァージルは、若くて魅力的なクレアの姿に圧倒される。しかも、それまで異性経験皆無で恋愛も実体験のないヴァージルは、すっかり恋に落ちてしまい、恋愛経験豊かなロバートにアドバイスをもらう。そして、彼の言うとおりにすると、クレアはようやく扉を開け姿を見せるようになる。すると、ヴァージルは舞い上がり、毎日のように彼女の元に通うのだった。そして、ついに彼女と結ばれる日がやって来た。ある夜、ヴァージルは彼女の家にやって来てが、車を降りたところを3人組の強盗に襲われ、道に倒れ込んでしまう。それを、窓から見ていたクレアが家から出て、彼を病院に搬送する。こうして、彼女広場恐怖症は克服され、クレアがヴァージルの豪邸に移り住むことになった。すると、ヴァージルはうれしさもあり、秘密のコレクションを彼女に披露する。そして、クレアの家に残された家具や絵画等のコレクションのカタログが完成した夜、ロバートと彼の彼女も交えて4人でディナーを囲むと、クレアはあのコレクションは売らないと宣言する。するとヴァージルはそれがいいと、カタログを破ってしまう。こうして幸せな日々を得たヴァージルは、オークション鑑定士を引退することにする。そのため、しばらく家を留守にする。そして、クレアのもとに急いで帰ってくると、驚愕の事実が待っていた。
 いわゆる、コンゲーム映画とよべるのだろうか。それとも、老いらくの恋の物語とでもいうのだろうか。ラストの10分は、驚かされてしまう。しかも主人公の鑑定士は「贋作者は必ず痕跡を残す」という見方で贋作の真贋を見抜いていた。そうした伏線もこの作品には秘められている。しかも、これまでの所行では、本物を贋作と偽って、仲間のビリーと組んで欺してきたことも、すべて跳ね返ってくるということになる。
 そうした意味では、なかなかよかった。
 
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルビア・ホークス、ドナルド・サザーランド、フィリップ・ジャクソン

2013年伊映画   上映時間:131分
大統領の執事の涙
 1950年代アメリカ南部の綿花畑で働くゲインズ一家。ある日、母親が綿花畑の主人に呼ばれ小屋に連れて行かれた。明らかに性的暴行が加えられているようだった。子どもだったセシルは父に何とか言って欲しいと言う。すると、主人はそんなセシルの父を撃ち殺してしまう。そのショックで母は精神を病んでしまった。そんなセシルに同情した女主人のトーマスは、彼を「ハウス・ニガー」として家の中の仕事に就く。そうしたなか、この家を出て行くことになるが、一歩外は、白人が黒人を殺しても罪に問われないという世界だった。空腹であてもなくさまよい歩いたセシルは、とあるホテルの陳列ケースを割り、ケーキむさぼり食べてしまった。ホテルには、年配のボーイがいて、セシルの手当をしてくれた。それが縁で、セシルはホテルに雇ってもらうことになった。そこでセシルは、客の気持ちに応えるよう気配りをした仕事をするように教えられた。数年後、ワシントンのホテルからボーイの仕事が舞い込む。新天地でもセシルは、誠心誠意仕事に打ち込む。すると、そんなセシルの仕事ぶりに注目した、ホワイトハウスの職員がセシルに声をかける。セシルは結婚していて、二人男の子がいた。勇躍、ホワイトハウスでの執事の仕事が始まった。ただ、ここでの仕事は聞かざる、言わざるがモットーだった。最初に仕えた大統領はアイゼンハワーだった。彼の副大統領をしていたニクソンは自分が大統領になったら、黒人の執事たちの待遇もよくすると言っていた。しかし、次の大統領選で当選したのはケネディだった。一方、セシルの息子ルイスは大学に進学するが、政治から目を背ける父に反発し公民権運動に参加し逮捕される。ルイスは大学で知り合ったキャロルとともに運動にのめり込んでいく。セシルの妻グロリアは、息子ルイスを心配しつつ、仕事が忙しい夫セシルとのすれ違いから、酒におぼれていく。ルイスはキャロルとともに公民権運動の活動家としてフリーダム・ライダーズに参加しKKKに襲撃された。こうしたなかで、ケネディが公民権運動を認めるテレビ演説をおこなう。しかし、その後暗殺されてしまい悲しみにくれるセシル。また、公民権運動の旗頭であったキング牧師もまた暗殺されてしまう。その後、ジョンソン大統領、ニクソン大統領と続く。一方でルイスは、キャロルとマルコムXのグループに近づくが、余りに過激なので、一人身を引く。一方セシルの弟チャーリーはベトナム戦争にいくものの、戦死してしまう。これを気に、グロリアは酒を断つ。セシルも大統領に気に入られ、レーガン大統領の代になって、ようやく待遇改善を申し入れ認めさせることができた。そして、自らの人生を見つめ直し、民主党の下院議員の候補となったセシルと和解する。
 アメリカの現代史をホワイトハウスから見ていく。こうした一方で黒人家族の置かれた立場で、白人の執事は従属する立場と写る長男、彼は父への反発もあり、黒人の人権確立にむけた公民権運動にのめり込んでいく。一方で、セシルはホワイトハウスの中から世間を垣間見ていく。長年の功績から、夫婦でレーガン大統領主催の晩餐会に招待されたことにより、逆に仕事に身が入らなくなったのは、やることをやりきったということだろう。それにしても、息子との和解の場面が胸を打つ。最後にオバマの当選に心を躍らせ、彼からホワイトハウスに招待され、案内されるまでもなく、知り尽くしているといったあたりも、いい終わり方だった。しかし、現在でも毎年多くの黒人たちが、白人警官に様々なかたち殺されている現実があることも、我々は見逃せない事実ではある。


監督:リー・ダニエルズ
出演:フォレスト・ウィテカー、オプラ・ウィンフリー、ロビン・ウィリアムズ、ジョン・キューザック、ジェーン・フォンダ、ヴァネッサ・レッドグローブ、アレックス・ペティファー、キューバ・グッディング・Jr.、コールマン・ドミンゴ、マライア・キャリー 

2013年米映画       上映時間:132分
ウォルト・ディズニーの約束
 1961年ロンドンに住む「メリー・ポピンズ」の原作者パメラ・トラヴァースは、経済的に困窮していた。そんな彼女には20年前から「メリー・ポピンズ」の映画化を切望していたウォルト・ディズニーから何度目かの映画化の話が来た。代理人はとりあえず、アメリカに旅行にでも行くつもりでアメリカに行くことを勧める。しかし、トラヴァース夫人はけっこう偏屈で、飛行機でも自分の我を張る。ロサンジェルスに着き、迎えのリムジンの運転手ラルフにもつらく当たる。翌日、ディズニープロの「メリー・ポピンズ」の脚本家ダグラディや音楽担当のシャーマン兄弟の出迎えにも、頑な態度を変えない。しかも、ディズニー本人にも他人行儀でとりつく島がない。そんな彼女が、アメリカに来てホテルの部屋に用意されたフルーツの中から梨を外のプールに投げ捨てた。そして、
トラヴァース夫人の幼い頃、故郷のオーストラリアの場面に変わる。彼女は銀行員の父親と幼い二人の妹と暮らしていた。しかし、父は何度か銀行を解雇されている。それでも、長女のギンティ(トラヴァース夫人)には優しく、空想好きな彼女の想像力を刺激してくれた。しかし仕事には向いておらず、使用人のいた家から郊外の一軒家で暮らすはめに陥り、父親の酒量が増えほとんど、依存症状態だった。その上、結核も煩っていた。そんな父親と、メリー・ポピンズを彷彿とさせるおばさんの存在が交錯し、映画化に反対していたのだった。そんなトラヴァース夫人の気持ちを和らげようと、ウォルト・ディズニーが彼女をディズニーランドに招待する。しかし、それでも、気持ちを開かない
トラヴァース夫人だったが、スタッフたちの努力で最終シーンを変更し、音楽にも乗っていたのだが、アニメと合成シーンの挿入に腹を立て帰国してしまった。しかし、すぐに、後を追ったウォルトが自らの生い立ちを話し、彼女の父との思い出ときちんと向き合うよう言い、ついに契約を結ぶことになる。そして、試写会では自ら父への思いが重なり合い嗚咽をもらすトラヴァース夫人。こうして映画は成功する。
  子どもの頃見た映画「メリーポピンズ」の制作の裏事情がみえた。ちょうどあの頃は、主演のジュリー・アンドリュースこの映画でブレイクし、アカデミー主演女優賞を獲り、翌年公開の「サウンド・オブ・ミュージック」が公開されるという頃だ。
 ところで、近年映画のシリーズでは、無理矢理過去に設定を戻すといった作品がけっこうあるが、この作品は50年経ってその制作秘話を映画化した作品だし、「メリー・ポピンズ」という映画も知っている者からすれば、けっこう集中できる。もう一度改めて「メリー・ポピンズ」を見ようと思わせる作品だ。


監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:エマ・トンプソン、トム・ハンクス、ポール・ジアマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、ブラッドリー・ウィットフォード、コリン・ファレル

2014年米・英・豪合作映画               上映時間:125分
少女は自転車にのって
 サウジアラビアに住む10歳の少女ワジタは、女学校に通っている。幼なじみの男の子アブダラは自転車に乗って通学している。その様子を見てワジタは自分も自転車に乗りたいと思い、アブダラにいつか自転車で競争しようと言う。
しかし、この国では自転車をはじめ自動車の運転を女性がすることは禁じられている。しかし、おてんばなワジタはそんなことちっとも気にしない。自転車屋に展示されている自転車の値段は800リヤル。彼女はその目標に向かってお小遣いを貯めはじめる。勉強の合間に作ったミサンガを学校で売ったり、上級生の逢い引きを手伝ったりして小遣い稼ぎをする。しかし、イスラム教の下の法律で自由恋愛は禁じられており、後で逢い引きが発覚した娘は嫁に出されてしまう。ワジタのそうした行為は女性校長は苦々しく思い、いちいち服装や振る舞いを細かく注意する。一方、ワジタの母はワジタを産んでから子どもに恵まれず、父親は男の子が欲しくて第二夫人を娶ろうとしている。一方、ワジタも小遣いで自転車を買うことが難しいと思っていた矢先、校内のコーランの暗唱や理解力のコンクールが開催されることを知る。しかも、優勝賞金は1000リヤルだという。彼女は早速、出場を申しでた。しかし、これまでコーランの勉強などそっちのけだったので、さっそくプレステのコーラン入門のソフトを買い込み、練習をはじめた。あわせて学校でも、コーラン勉強会に入って勉強することにした。ワジタの母親は夫が第二夫人と結婚することに悩んでいる。こうして、コーラン大会が開催され、見事ワジタは優勝する。校長が賞金は何に使うのかと聞くのでワジタは「自転車を買う」と即答する。しかし、校長からパレスチナの人々に贈りなさいと、無理矢理取り上げられる結果となった。その夜母はワジタに自転車を買って贈ってくれた。
 数年前、イラン映画「別離」を見た。イランでは、女性が車を運転する場面があった。ところが、サウジアラビアでは、車の運転を今でもしてはいけないという。それと、各国共通なのだろうか女性差別は共通している。男女7歳ぐらいから席を同じゅうせずとか、顔を見られないようにする。歌声や声も聞かれてはならない。家族以外には顔や姿かたちを見せてはいけないと、外出時には女性はアバヤという黒い布製の身体や顔を隠すことが常態となっている。ただこうしたなかで、女性たちは細やかな抵抗をする。主人公のワジタは何度注意されても米国製のバスケットシューズを履き、ジーンズも履いている。その他の女学生たちもピアスやペティキュアをしたりしていた。最も
根本的に家系図でも女性は省略され、数には入れられない。先に問題となった女性に教育はいらないと主張するグループをはじめ、いろいろ考えさせられる作品だ。この作品の監督は女性監督でメガホンをとる際も車の中から隠れてとったという。しかも、サウジアラビアには映画館が1館もないというなかで作られており、もちろんサウジアラビア以外の国でしか上映されていない。

監督: ハイファ・アル=マンスール
出演:ワアド・ムハンマド、- リーム・アブドゥラ、- スルタン・アル=アッサーフ、 アブドゥルラフマン・アル=ゴハニ、アフド

2012年サウジアラビア映画             上映時間:98分
小さいおうち
 1930年布宮タキは郷里の山形から東京に出てきて、小説家の浅野の家で女中として働く。その1年後、浅野の親戚である平井家に女中として働くことになった。平井家は遠くからも目立つ、赤い屋根のモダンな家だった。当時、東京の裕福な家では女中を置くのが一般的だった。平井家の当主は、玩具会社の常務をしており、妻の時子は夫より10歳年下で美人の誉れが高かった。二人には恭一という小さな子どもがいた。タキは心優しい時子とともに、これからの激動の時代を生きていた。
 一方、現代の場面では、亡くなったタキの様子も描かれる。タキの元をたびたび訪れたのは、健史という大学生でタキの妹の孫だった。たまたまタキが平井家で女中をしていた頃の手記を書いているのを見つけ興味をもった。健史はタキに誤字を直すという口実で、書き進めるように勧めた。タキの手記には、「南京攻略」の頃の意気揚々とした平井家の描写や、東京オリンピック開催にわく様子が描かれており、健史は、もう軍国主義に覆われていたのではと疑問を呈す。しかし、タキはそんなことはないと言う。そんな平穏な日々の中、恭一が小児麻痺の症状が出た。そこで、医者から恭一を毎日マッサージに連れてくるように言われる。そこでタキは半年間恭一を連れて通院する。そしてその後も自宅でマッサージを続けることによって恭一は歩けるようになる。ただ、そのため小学校への入学は一年遅れる。そんなおり、1911年の正月、平井家に玩具会社の社長以下主立った人々が集まった。そこに、遅れてやって来たのが。板倉正治だった。彼は、平井家の近所に住んでいる、新入社員だった。板倉は近視と気管支が弱いということで徴兵は丙種ということで芸大を出て、デザインの仕事をしていた。この正月の訪問を契機に板倉は近所だということもあり、たびたび平井家を訪問するようになった。
台風で、平井が帰宅できないという知らせを、あわせて雨戸の修繕などをして平井家に泊まっていった。その際、雷で停電した際、時子は板倉にキスをする。その後、平井が社長から板倉の見合い写真を預かり、見合いをまとめるようにいわれ、時子に板倉に話すように言いつける。
 その後、板倉の元を訪ねる時子に、タキはある日帯の締めた模様の違いに気がつく。そして、戦争が拡大し太平洋戦争が始まる。そんななかついに丙種の板倉にも招集礼状が来た。そのことを告げにやって来た板倉。翌日帰省し入営の準備をする板倉のもとに行こうとする時子を止めるタキ。そしてその際にある秘密を心に秘めて亡くなるまで一人抱え込んだタキ。
 戦争前夜、けっこう市井での生活描かれていた原作だったことを思い出した。ただ、映画では時子の不倫がメインになっており、戦争への突入が国民そのものも支持していった結果であったという側面も描いて欲しかった。ただ、舞台となったのも中流以上ということもあり、宜なるかなという思いもある。現代では殆どみることが珍しくなった正月を迎えるための大掃除やおせち料理の準備などの描写がある。しかも原作ではタキがけっこうやりくりして食生活もそれなりに豊かだったことも描かれている。そうした裏状況も含め、山田監督自身のノスタルジックな思いも込められているように思われた
 
監督:山田洋二
出演:松たか子、倍賞千恵子、吉岡秀隆、黒木華、妻夫木聡、片岡孝太郎、室井滋、橋爪功、吉行和子

2014年日本映画      上映時間:136分
二つ目の窓
 奄美大島に住む界人は、高校1年生で夏休みを迎えた。学校からの帰り道同じクラスの杏子が制服のまま海に入って泳いでいた。そこで、彼女を自転車に乗せ送っていった。杏子の母イサは島の巫女のような存在だが、重い病気に罹って入院中だ。一方、界人は父篤と離婚した岬が奄美に戻って界人を育てていた。しかし、母岬には絶えず男の影が見え隠れしているようで界人には耐えられなかった。数日後、界人は東京で暮らす父の元を訪れた。父は、刺青師として東京で働いていた。久しぶりに会った父に界人は単刀直入に「なぜ離婚したの」と聞くが大人の世界のことなので、よく理解できなかった。奄美では、イサの具合が悪化したため、自宅にベットを持ち込んで最後の瞬間を待つことにした。家族3人でふれ合い、自然とも交信する。イサは杏子に「私が死んでも、杏子の子どもへと命は繋がるから、怖いことはない」という。海のそばにいつもいる島の長老亀爺は杏子に「あんたは今人は死なないと思っているだろうが、人は必ず死ぬ。それは、どうしょうもないことだ」という。そして、杏子の島唄を聴いてイサは安堵したようだった。それから、数日後イサの容態が悪くなり親戚が集まるが、イサはある島唄を歌って欲しいと言い、それを聞きながら、皆に見守られながら息をひきとる。イサの死後、界人と杏子は会っていて杏子から「セックスしよう」と誘われるが、界人はそれを拒む。そして、母親の岬に「次々に男を作ってはずかしい」と怒りをぶつける。しかし、それを聞いていた杏子が界人を非難する。すると、その日から母は家を出てしまい、携帯電話も繋がらない。折りからの台風が上陸していることも影響してはいるのだが、界人は心配であちこと探し回る。杏子も界人を心配して家に連れてくる。すると、杏子の父徹は、岬は何よりも界人のことを大事に思っているのだということを告げる。翌日、台風が通過し、岬の勤めているレストランに駆け込み、界人は「お母さんは、僕が守る」と言い、和解する。その後、界人は杏子と結ばれ、怖がってた海に二人で入り泳ぐのだった。
日本の死生観をテーマを中心に、清青も描いている。特に、離婚を経た母親の男性関係に対する高校男子の思いが、杏子から誘われてもなかなか応じきれないという、あたりがうまく表現されていた。とは言え、命の繋がりについても、やはり女性の方がより実感できるのだろうと思った。もともと、生物の起源は海、とくに人間は海と切っても切れない関係にある。海水と子宮の中の羊水の塩分濃度は同じ。生物は進化の過程を再現しているということは事実である。そうしたことも踏まえて、ラスト二人が結ばれ海で泳ぐというシーンにつながったのだろうか。
 
監督:河瀨直美
出演:村上虹郎、吉永淳、杉本哲太、松田美由紀、渡辺真起子、常田富士男

2014年日本映画     上映時間:120分
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