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少年と自転車
 児童養護施設に入所した11歳のシリルは、その現実を受け止めようとしない。父親と二人で暮らしていたアパートの自室に電話するが、電話はもう使われていないし、父親もそこにはいない。シリルは父に買ってもらった自転車を探しに、かつての自宅に行く。しかし、施設から迎えにきた職員相手に大暴れする。たまたま居合わせたサマンサという美容師にしがみつくシリルだった。これが縁で、シリルの自転車を見つけ、すでに売られていたものを買い戻して施設に届けてくれたサマンサに、シリルは週末だけの里親になって欲しいと依頼する。彼女は約束通り週末の里親になってくれたが、どうにも父が気になるシリルは自転車で手がかりを探すが父の行方はわからない。サマンサが自転車を買った人物からようやく、シリルの父の居所を突きとめた。二人で出かけ、シリルは久しぶりに父と再会する。しかし、彼は経済的に子どもを養っていける状態ではない。そのことをサマンサだけに打ち明ける。しかし、シリルにはあいまいな話しかしなかった。そこで、サマンサはもう一度シリルにきちんと話をするように父親に言う。そこで、父はシリルに冷徹に「もう、おまえとは会えない」と言い放つ。ショックを受けたシリルは帰途の車中で自らの顔をかきむしる。さらに、頭を車内でぶっつける。そんなシリルに優しく向き合うサマンサ。やがて、サマンサはシリルか俺のどちらをとると迫る恋人とも別れてしまう。そんなシリルに近づいてきたのは、団地では「密売人」と呼ばれている悪がきのボスだった。彼もかつて、シリルと同じ養護施設に3年間いたことがあり、現在は団地で祖父母と暮らしていた。自らの経験もある「密売人」うまくシリルを取り込んで、自分が勤める書店の主人をバットで殴り売上げを奪えとシリルに命じる。サマンサはシリルが「密売人」とはつき合うなと厳命をし、シリルに見合う少年を紹介する。しかし、シリルは「密売人」の命令通り書店主を襲い、遅れて出てきた彼の息子までも殴り倒し金を奪った。しかし「密売人」は顔を見られたことを察知し、金は受け取らず逃げていった。思いあまったシリルは父の元に自転車を走らせた。しかし、父もまた「俺を犯罪者にするのか」と言い放ち、金を受け取らない。サマンサのところにはすぐに、警察の呼び出しがあった。結局、金も戻り怪我の治療費を分割で支払うことで示談が成立した。そして、サマンサと二人郊外に自転車でピクニックに行き、養子として育てることを打ち明けるサマンサ。しかし、幸せな暮らしがスタートしようとしたとき、偶然にも書店主の親子と遭遇したシリル。書店主の息子は殴られたことを根に持っており、シリルに襲いかかる。そして、唐突に映画は終わる。
 この映画の元になったのは、2003年に日本に来たジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ監督が日本の養護施設で親を待つ子どもの話を聞いたことだという。親との関係を一方的に遮断された子どもたちの痛みや心の傷は計り知れない。かつて「葦牙(あしかび)」というドキュメンタリー映画でも、こうした子どもたちが姿を見たことがある。掛かることはない電話機に執着したり、自傷行為で心の隙間を埋めようとする描写は胸が痛む。それと対照的にサマンサの優しくシリルを受け入れるのもすごい。シリルのちょっとした態度にも腹を立て怒鳴りつけるのではないかと思いながら見ていた。こうしたなかで、傷ついた子どもが精神的に立ち直るためには、癒やすためのやさしさと時間がかかるということを示しているのではなかろうか。それと、唐突な終わり方も、現在進行形ということのメッセージだと思った。


監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ
出演:セシル・ド・フランス、トマ・ドレ、ジェレミー・レニエ、ファプリツィオ・ロンジョーネ
2011年ベルギー、フランス、イタリア映画
上映時間:87分
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テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

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