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ヒミズ
 冒頭、地震と津波による瓦礫のなか主人公の中学生住田がピストルで自殺しようとする空想場面が出てくる。この映画では、震災被害にあった場所からそう遠くない場所のようだ。住田は借金まみれで家を出ていった父親と、昼間から男を引っ張り込むような母親から見放されて家業の貸しボート屋を営んでいた。すぐ目の前の川にはどこかから流されてきた小屋が半分沈んでいる。学校では明らかに浮いた存在だが、ただ一人茶沢という女子だけは、住田におもいを寄せ彼の言ったことを正確に覚えて、自宅の部屋に書き出して貼っている。さらに、ボート屋の周辺には震災で行き場のなくなった人たちがテント生活をしている。ある日、酔って金の無心にきた父親は住谷からみ母親がいないと知ると、彼に暴力を振るって、「お前なんかいらなかった。さっさと死ね」と暴言の限りをつくして帰って行った。そうこうするうちに母親も「がんばってね」と書いた書き置きを残して家を出て行ってしまった。やむなく、住田は学校には行かず、店の営業をおこなっていた。学校に来ないこと心配した茶沢は、店を訪ね事情を知り翌日からボートを手伝うことにする。しかし、住田は迷惑そうに「さっさと帰れ」と言い放つ。茶沢も家では両親から疎外され、首を吊るモニュメントを作られて、「完成したらこれで死ね」と言われていた。それでも、茶沢の働きでそれなりに客が来ていた。ある日、ベンツで乗り込んできたヤクザ風の消費者ローン社長金子らが住田に父親に貸した金600万円を返せと怒鳴り込んできた。金などないし、父親もどこにいるかわからないから帰ってくれと言い返す住田を痛めつける金子。それを見ていた、ホームレスたちのなかの夜野は、町で知り合ったスリのテル彦の手引きで麻薬の売人から金を奪う計画にのり、600万円手に入れ金子に返済した。そんなことは知らない住田は、また現れた父親と口論となり、彼を殺害してしまう。そして、もう生きていく意味を見いだせなくなり、包丁をもって町をさまようのだった。
 震災被害の場面が出てきて、そこでの喪失から立ち直れない人々と、親からも疎外されているなかで何とか生きていこうという子どもの交錯する物語だ。ただ、理性や知性を後景化させてしまう感情と暴力が先行し、怒鳴り合い、殴り合うといった場面が多く、嫌悪感に覆われる。また、父親を殺して、絶望のなかから顔や身体に絵の具を塗りたくる場面はゴダールの「ピエロ・ルフ」を思い出した。総じて、茶沢に送られて自首する住田に再生ははたしてあるのかという思いを強くしてしまう。


監督:園子温
出演:染谷将太、二階堂ふみ、渡辺哲、吹越満、神楽坂恵、窪塚洋介、でんでん

2012年日本映画   上映時間:129分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

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