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哀しき獣
 中国と北朝鮮の国境の北、中国延辺朝鮮族自治州の延吉でタクシードライバーをしているグナムは妻と小さな娘がいる。しかし、生活が苦しく妻は韓国に単身で出稼ぎに行った。残された子どもはグナムの母親に預けているが、妻の渡航費用の借りた6万元の返済を迫られているが、妻からは何の音沙汰もない。それで、すさんだ生活に明け暮れ、毎夜麻雀荘に入り浸っているが、これまた負け続けている。そんなある夜、負けて金もなくなったグナムは「この朝鮮野郎」と馬鹿にされたことに腹を立て、中国人相手に大立ち回りをする。すると、それを見ていた朝鮮族の顔役のミョンがグナムを翌朝呼び出した。ミョンは借金を棒引きにし、さらに金をはずむから、韓国に行ってキム・スンヒョンという男を殺し、彼の手から親指を切り取ってこいというものだった。ついでに妻の消息も調べてもいいと言うのだった。迷った末、ミョンの指示に従うことにする。すると、大連まで行き、そこからは漁船を乗り継ぎ、韓国沿岸の黄海のなかに飛び込むことになった。ようやく上陸したものの、韓国側のブローカーからは、一週間先の帰りの船の出発時刻を書いたメモを渡された。何とかソウルまで辿り着き、スンヒョンの住まいを見つけ、見張りをするうちに彼は毎夜3時過ぎに帰宅することを突きとめた。しかも、彼が住んでいるのは、マンションの最上階でエレベーターを降りてから鍵のかかった鉄柵の上に住居があるというものだった。グナムは妻が最初の頃に知らせてきた勤め先など探し、ようやくアパートを見つけ出した。そこには、たしかに娘の写真があったが妻は誰か男と同棲していて、隣人に聞くと大げんかをして1時間程前に二人とも出て行ったというのだった。韓国出航の前日意を決したグナムはスンヒョンのマンションの前で待ち伏せていた。ところが、現場にはすでに怪しい2人組がマンションに入っていった。そして、階段で格闘が展開され、あわてて駆けつけたグナムはスンヒョンのボディガードでもある運転手にとどめを刺されていた。それを目撃したグナムに襲いかかる運転手を殺し、スンヒョンの指を切り落としたところで、パトカーが大挙してやってきた。しかも、スンヒョンの妻にも見られたグナムは、何とかその場を逃げ切った。そして、約束の場所に行くと、そんな船など存在しなかった。ここでミョンに利用され棄てられたことを知るグナム。殺されたスンヒョンは大学教授だが、その実態は柔道のメダリストという表の顔の他に裏社会の実力者でもあった。そして、彼の弟分でバス会社の社長キム・テウォンは警察より先にグナムを見つけ殺せと配下に命じる。グナムは警察に追われながらも妻の消息をあたるが、妻と同棲していたらしい男を見つけて聞きだそうとするがうまくいかない。逆に男が、同棲していた朝鮮族の女性を殺してしまったという報道があった。一方、グナムがミョンに韓国に送り込まれたことを知ったキム社長は腹心のソンナムに延吉に行きミョンを殺してこいと命ずる。しかし、ソンナムたちは返り討ちにあい、ソンナムだけが生き残りミョンは仲間を引き連れ韓国にやって来た。そして、血で血を洗う一大死闘が繰り広げられる。
 けっこうご都合主義的な展開になっている。グナムとミョンはけっこう拳銃で撃たれたり、ナイフで切られたりしても、タフというかすぐに回復している。ただ、アクションシーンは前作のチェイサーよりパワーアップしていて、ほとんどが牛刀とか斧とか、動物の骨まで武器にしての肉弾戦。その効果音もけっこうリアルだ。スンヒョン殺しの際、グナムの他にまだ狙っている奴がいてここらは物語を複雑にしている。ただ、もう一方の殺人依頼者の正体が貯蓄銀行の課長で最後の方でスンヒョンの妻と銀行の窓口で話をしている。それと、グナムの妻が最後に中国の駅に降り立っているあたりはサービスだと思った。先の「白いリボン」以来、作品の中の全ての謎に回答を出さなくてもよいというのが、けっこう出てきており、とにかく自分で考え想像してみよう路線が散見するようになった。それはそれでいいと思った。


監督:ナ・ホンジン
出演:ハ・ジョンウ、キム・ユンソク、チョ・ソンハ、イ・チョルミン、チョン・マンシク

2010年韓国映画   上映時間:140分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

11.25自決の日  三島由紀夫と若者たち
 三島が作家として脚光を浴び、ノーベル文学賞候補としても注目されているなか、1967年以降、新左翼の反体制闘争に注目していた。彼は、自衛隊の治安出動で新左翼を制圧し、その先に憲法を改定し国軍を正式に復活させようと考えていた。そのため、自らが自衛隊に体験入隊し訓練をうけ、それをテコに民族派学生を集め、盾の会として発足させた。盾の会もまた自衛隊に体験入隊し訓練を受けた。一方、新左翼運動の高揚に、自分たちも含めて対決を不可避と考えていた。しかし、よど号事件や70年安保闘争を経て、結局自衛隊の治安出動もなく、あせりを感じた三島は遂に盾の会とともに行動する。それが、市ヶ谷駐屯地での行動となったのだ。 1985年「Mishima」という映画がポール・シュレイダー監督でハリウッドで制作された。出演は三島役に緒方拳、他に沢田研二や板東八十助などがいた。しかし、完成後三島夫人からのクレームがつき日本では未公開のままで現在に至っている。ただ、当時日本のレンタルビデオ店ではいくらか出回っていて、それを見た記憶がある。制作総指揮としてフランシス・フォード・コッポラやジョージ・ルーカスが名を連ねているだけに、やはり市ヶ谷事件のあたりの細部は、こちらの作品の方が真実味があった。ただ今回の作品では、市ヶ谷駐屯地での演説はほぼ全て再現したというが、あまりインパクトはなかった。
 結局、三島は自らの文学や演劇という虚構と思想を死をもって統一させるということで自己完結させたかったのだろうか。若松監督は、当時の左右の若者たちの心情こそ描きたかったと言っているが、それは私には伝わるものの、果たして現在の若者にはどう映ったのかわからない。特に民族派と言われている勢力は、排他的に中国、韓国、北朝鮮といったあたりを目の敵にしている。この作品を観て感じたのだが、今の彼らは天皇をどうみているだろうかと思った。外国のことより、昨年の原発事故を引き起こした東電やその対応がお粗末すぎる政府、それとそこにおもねるマスコミに対して、どのように思っているか。日本の国土(皇居も含め)や海を核物質で汚染させた責任をなぜ彼らは追及しないのだろうか。原発反対デモの参加者を「原子炉に放り込め」と言っていたことをみても、とてもそうした思想的な深みがないとしか言えまい。蛇足ながら、若松作品の「連合赤軍あさま山荘への道程」でもインターナショナルの合唱が音程をはずしていたが、今回も三島と盾の会のメンバーが市ヶ谷へ向かう車中で「昭和残侠伝」を歌う場面やはり外していた。「MISHIMA」の方がまだよかった。




監督:若松孝二
出演:井浦新、満島真之介、岩間天嗣、寺島しのぶ
2011年日本映画    上映時間:119分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

スノーホワイト
 とある海辺にそびえる城、マグナス王とエレノア王妃の間にはスノーホワイトというプリンセスがいた。しかし、エレノアが病気で亡くなり、悲嘆にくれるマグナス王の領地に、闇の軍隊が侵略してきた。闇の軍隊とは、近隣の諸王国を滅ぼし奴隷化した黒いガラスの兵隊たちだ。これを打ち破ったマグナス王だったが闇の軍隊の残していった馬車にはラヴェンナが囚われていた。彼女を救出したマグナス王はラヴェンナの美しさに魅了され、結婚することになる。しかし、ラヴェンナこそが魔女で闇の軍隊の支配者だったのだ。彼女はマグナス王を殺し、この国を乗っ取ろうとする。マグナス王の配下のハモンド公爵は城に入ってきた闇の軍隊と闘う。息子のウィリアムは幼なじみのスノーホワイトを救出しようとするが、ラヴェンナの弟で執行役のフィンに捕まってしまう。彼女は城の最上階にある牢獄に幽閉されてしまう。一方、国を乗っ取ったラヴェンナは魔法の鏡に世界で一番美しいのは誰かと聞き「あなた様です」という答えに満足していた。しかし、この魔女による支配で国は荒廃してしまう。15年後、魔法の鏡に世界で一番美しいのは誰かと尋ねると「今日までは、あなたですが、明日からは成長したスノーホワイト」と答えるのだった。さらに、ラヴェンナがが美しく不老不死になるためにはスノーホワイトの心臓を食べなければならないと告げたのだ。すぐさま、フィンにスノーホワイトを連れてくるように命じるラヴェンナ。しかし、スノーホワイトは上手く逃げることができ、闇の森に逃げ込むのだった。フィンの差し向けた追っ手も結局見失ってしまった。そこで、以前この森に行って狩りをしたことがあるエリックに道案内を依頼する。彼は妻を亡くして以来酒浸りの生活をしていた。一方、ハモンド公爵たちは、彼の居城を中心にラヴェンナの勢力と闘っていた。息子のウィリアムは弓の名手として成長していた。そんなある日、スノーホワイトが生きていて城から逃げたという話を聞き、素性を伏せてフィンの追っ手に紛れ込む。エリックは何とかスノーホワイトを見つけ出すが、フィンたちに利用されていたことに気づき彼女をハモンド公爵の元に連れて行くことにする。しかし、森の中で小人の一団に捕まってしまう。ところが、スノーホワイトに気づき共にハモンド公爵の元に行くことになる。それでも、フィンたちが追いつき、戦闘になった。エリックはフィンこそが妻サラを殺害した張本人と知り、彼を殺し、仇をうった。フィンの死を知り、愕然とするラヴェンナは、久しぶりに再会したウィリアムに姿を変え毒リンゴをスノーホワイトに渡す。一口かじったスノーホワイトは息をひきとってしまう。全員で彼女をハモンド公爵の城に運ぶ。ウィリアムがキスをした後、最後の別れにエリックが亡き妻のことを思い出しながら別れのキスをする。すると、魔法が解けスノーホワイトは目を覚ます。そして、全員に檄を飛ばしラヴェンナのいる城に向かい決戦を開始する。
 グリム童話「白雪姫」をアレンジしている。それにしても、ラヴェンナは次なる獲物を10数年も放置していたのだろうか。美貌は相手があってこそ生きるもの。それと、小人は下水に入った時自嘲気味に「ハイホー」でも歌おうかといった、ブラックジョークをかましたりして面白かった。ただ、王子様がウィリアムなのか、エリックなのか紛らわしい。やはり、一回のキスで目覚めさせなければ、何か変と思ってしまう。ともあれ、原作が童話なので何でもありで、目出度しめでたし。

監督:ルパート・サンダース
出演:クリステン・スチュアート、クリス・ヘムズワース、シャーリーズ・セロン、サム・クラフリン

2012年米映画    上映時間:127分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

サラの鍵
 1942年フランスで起きたヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件と呼ばれるユダヤ人約1万3000人を一斉検挙してヴェルディヴ(屋内自転車競技場)に収監した事件が冒頭出てくる。これは「黄色い星の子共たち」でも描かれている。この日、スタルジンスキ一家を早朝パリの警察が急襲し、一家全員3日分の着替えと食料を持って一緒に来いという。父だけはこうした動きを察知して、地下に隠れていた。母と10歳のサラは慌てて身繕いをする。その時、サラはとっさの判断で弟を納戸に隠れるように言う。すぐに帰ってくるからと渋る弟を納戸に入れ鍵をかけてしまう。母は待機している警官に父親と男の子はどうしたと聞かれる。その時サラが「弟が病気で田舎に父と行っている」とごまかした。しかし、家の外に出ると結局父も連行されていた。そして、なぜ幼い子を残してきたのかと怒るが、結局ヴェルディヴに入れられてしまう。そこは、水もトイレもなく、皆そこら中にしてしまい、衛生状態が最悪だった。そんな時たまたま隣にいた若い女性が、仮病で脱出すると打ち明ける。サラは納戸の鍵を彼女に託そうとするが、父は逃げられっこないととりあわない。でも、彼女はまんまとそこから出て行ってしまい、悔やむ一家だった。やがて、一家はフランス国内の収容所に送られた。そこでは、男女と子どもは分けられていた。ある日、近所の女性たちが外から収容所に食料を鉄条網越しに差し入れをしてくれていた。その時、サラは一カ所鉄条網の下にくぼみがあること見抜く。そこで、同年代の少女とともに脱走しようと試みる。何とか脱出し、サラはパリに行こうと念じている。しかし、ようやくたどりついた村では関わりになりたくないという思いがあってかどこかへ行けと言われてしまう。しかし、一夜明けた朝サラと一緒の少女は病気で動けなくなっていた。すると、その家の老夫婦は二人を匿い、医者を呼んでくれた。しかし、その医者はナチに通報した。少女はジフテリィアで死んでしまったが、サラだけは老夫婦に面倒を見て貰うことになった。そこで、パリに出かけ、サラの家に行くが、そこにはすでに違う一家が暮らしていた。しかし、それもかまわず一目散に納戸に行き鍵を開けると、そこには弟の変わり果てた姿があった。
 一方、現代のパリでは、夫と娘と暮らす45歳のアメリカ人の記者ジュリアがヴェルディヴ事件について調べていた。取材を続けると、夫の父親の所有するマンションが実はサラたち一家のものだったことがわかる。ジュリアは夫の一家が強制連行されたユダヤ人の家を奪取したのではという後ろめたさにかられた。そして、サラの両親は収容所で亡くなった記録はあるもののサラの記録はないことから、彼女の調査を始める。すると、サラは大人になるまで老夫婦のもとで暮らしていたが、ある日突然出て行ってしまった。その後、アメリカから結婚式のカードが送られてきたという。そこで、アメリカに行き調査すると、結婚したサラは男の子を産みその後交通事故で亡くなっているというのだ。 ヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件やその後のユダヤ人についてはやはり「黄色い星の子供たち」のほうがよかった。この「サラの鍵」については原作本があるという。しかし、何と言っても最初になぜ幼い子を一人しかも、真っ暗な納戸に入れ鍵までかけてしまうのかというところがひっかかる。10歳のサラが恐怖と驚愕に冷静に判断できなかったことはわかるのだが、親が一緒にいて、少なくとも3日間は帰れないと言われているなかで、子どもを置き去りにすること事態考えられない。こうしたなかで、サラは自らが弟を殺してしまったという罪悪感にさいなまれ、そのことが一生負担になってしまう。ただヴェルディヴやフランスの収容所からの脱走は2本の映画でも描かれているように可能だったのではなかろうかと思った。それはさておき、こうした過去の事件についてはやはり「黄色い星の子供たち」の方が数段よかったという感想は否めない。


監督:ジル・パケ=ブランネール
出演:クリスティン・スコット・トーマス、メリュジーヌ・マヤンス 、ニエル・アレストリュプ、エイダン・クイン、フレデリック・ピエロ、ミシェル・デュショーソワ


2010年仏映画   上映時間:111分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

灼熱の魂
 冒頭、頭を丸刈りにされる男の子たち。おそらくは中東の国で武装兵士としての訓練をうける子どもたちらしい。一方、カナダで数学者として、研究をしているジャンヌ・マルワンは母親が働いていた公証人ジャン・ルベルの事務所で母が遺した遺言を双子の弟シモンとともに開封した。母ナワル・マルワンはジャンの事務所で長年働いていた。彼女は夏のある日ジャンヌとプールに行き、そこで突然倒れ病院に搬送され、数日後死亡してしまった。その際、ジャンに託されたのがこの遺言だった。それによると、ジャンヌには彼女の父を探しだし父への手紙を渡すようにというものだった。シモンには彼ら姉弟の兄を捜し、彼宛の手紙を渡すようにといういものだった。ジャンヌは恩師に相談するが、母の遺言に従うようにというものだった。しかし、シモンは生前母から愛情を感じられず、疎遠な関係だったこともあって、乗り気ではない。そこで、ジャンヌが一人で母の生まれ故郷である中東のレバノンに行く。そこで、母親の半生が明らかになる。母ナワル・マルワンは1949年レバノンで生まれた。彼女たちは伝統的にキリスト教を信仰する地帯で生活していた。年頃になったナワルはイスラム教徒の青年と恋仲になった。しかし、それは家族に露見し相手の青年は彼女の兄に射殺されてしまう。彼女も殺されそうになるが、祖母のとりなしで助かるが、ナワルは妊娠していた。そして、男の子を出産するが祖母はその子のかかとに三つの点のタトゥーを入れ孤児院に入れ、ナワルは都会の大学に入学するということで、村を追い出された。叔父のもとで大学に通い、叔父が発行する新聞の編集の手伝いをしていたが、レバノンはキリスト教徒対イスラム教徒という宗教が絡んだ内戦が勃発し、大学も封鎖されてしまった。そこで、ナワルは生き別れになった息子の安否を確認しようと単身で南部の危険地帯に向かう。息子が預けられたはずの孤児院はイスラム系武装勢力の襲撃を受けて誰もいない。その帰途、イスラム勢力が多い地区からバスに乗るため十字架を隠したナワル。しかし、バスはキリスト教徒武装勢力に捕まった。銃撃されバスも焼かれようとした時、ナワルは十字架を掲げ「私はキリスト教徒よ!」と叫び、一人だけ助かった。そして、彼女は息子も死んでしまったと思い絶望してしまい、今度はイスラム系武装勢力のテロリストとなる。そして、キリスト教右派の指導者を狙い、彼の子どものフランス語教師となった。そして、その指導者を暗殺し、逮捕された。彼女は南部のクファリアット監獄に送られ、15年間収監された。その間、拷問や体罰にも耐えたナワルは絶えず歌を歌っていたため「歌う女」と呼ばれた。しかし、そんな彼女を屈服させるための拷問人アブ・タレクがやって来た。彼はナワルを精神的に追い込もうと、連日レイプする。やがて、彼女は妊娠し自らの腹を殴るが、双子を出産する。本来は生まれた子は川に流されるところを出産に立ち会った看護師によって密かに育てられたのだった。
 こうした母の半生を辿ったジャンヌは弟のシモンと公証人ジャンまでもレバノンに乗り込み、ナワルの出国までのいきさつがわかり、ついに母の遺言を実行することになった二人。
 あまりと言えばあまりの結果。こうした過酷な運命を受け入れざるを得ないとは悲劇としか言いようがない。それでも、ナワルがなぜ、イスラム武装勢力のテロリストになったのか。元々ニハドを産むのはイスラムの青年との恋があったこともあり、あまり宗教的な抵抗感はなかったことはわかるが、それでもという感はある。一方、ニハドはイスラム武装勢力のキャンプで戦士として育てられ、狙撃手となる。ただ、画面で出てくる狙撃手が狙う子どもは難民の子のように見えた。それとクファリアット監獄に拷問人アブ・タレクとして現れるがこの監獄の主体はどっちなのだろうか。ナワルが殺したのはキリスト教右派の指導者なのだから、キリスト教徒からは憎まれても、イスラム勢力側からは憎まれるということはないと思うが、どうしてイスラム側であろうはずのアブ・タレクに拷問されるのかがわからない。とは言え、最後にニハドとして母の墓に行った心境ははかりしれない。


監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ルブナ・アザバル、メリッサ・デゾルモー=プーラン、マキシム・ゴーデット、レミー・ジラール、アブデル・ガフール・エラージズ、アレン・アルトマン


2010年カナダ・フランス映画       上映時間:131分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

外事警察  その男に騙されるな
 まったく車が通っていない道路を白いシャツを血に染めた女性が歩いていて、突然倒れてしまう。手には一枚の古い写真があった。すかさず一台の車が近づき、女性を車中に保護して韓国語で話しかけた。すると女性は「韓国語はわからない」と答えた。今度は、森の中で男たちが何やらやりとりをしていて濃縮ウランを北朝鮮とおぼしき国から持ち出したようだ。しかし、取引相手は射殺されてしまう。一方、日本では東日本大震災で研究員が避難した陸奥大学から、大量のハードディスクが盗まれていた、そこには軍事に転用可能なレーザーの研究が入っていた。この技術によって濃縮ウランに起爆装置をつなげれば小型核爆弾が可能になるというのだ。CIAからも北朝鮮関連のうごきが入っており、日韓の情報担当実務者の協議がおこなわれたが、お互いの手の内は見せなかった。そうした一方、外事警察から離れ現在は内閣情報調査室で有賀の下で働く住本は韓国にいた。そこで、北朝鮮から亡命してきた除昌義を捜していた。彼はかつて日本で核開発の仕事をしていたが、祖国の北朝鮮で原発の開発をしようと妻と娘を残して帰国したのだ。しかし残された妻は右翼をはじめとした様々な嫌がらせを受け、自殺してしまった。娘も死亡したと記録されている。そんな除を被爆して末期ガンに冒されている彼を日本に連れ帰る任務を果たした住本だった。有賀の命令で再びかつての外事警察の部下たちとチームを組みむことになった。彼らは奥田交易という会社に目を付ける。その奥田を追尾中住本は、何ものかに刺されてしまう。しかも、見事に急所を外し、いかにも警告というかたちだった。この奥田は元韓国人で金正秀という男だが、日本人の妻奥田香織と結婚して現在は帰化して奥田正秀と名乗っている。奥田は妻と連れ子の琴美を連れ頻繁に韓国に行っている。しかも、そこで元北朝鮮の軍人と会っていた。調べると表向きの貿易品以外に何やら貿易していることもわかってきた。すると、住本は、部下の松沢陽菜を使って奥田果織に接触させ協力者としようとしていた。香織は両親を知らず、擁護施設で育ち自立してからは水商売に従事していた。そこで知り合った男と結婚し、琴美を生むが結局男とは離婚し、借金だけが残ってしまった。その返済にむけ再び夜の仕事をしていた時、金と知り合い結婚したという。しかし、娘は男親の虐待が原因で失語症になっていると云われている。そうした、事情をまったく覆すかのように住本は香織の痛いところを突き、協力者にしたててしまう。彼は、香織を挑発しその怒りをバネに落としてしまうのだった。そして奥田がレーザーの起爆装置を手に入れたところで、彼の下で働く韓国人が正体を現す。彼は韓国情報院(NIS)のエージェントだった。彼は、奥田から奪った起爆装置を餌に元北朝鮮の軍関係者らの一掃を狙っていたが、逆に狙撃部隊が爆死させられた。そして一端は、住本の手で内調のセイフハウス内に匿われていた除博士が拉致され、韓国内で小型原爆が組み立てられていた。しかし、最後の起爆装置は奥田がすり替えていた。そのため、香織がそれを持って韓国に行く。そして、NISに急襲され、除博士しかいなくなったが、彼は自らの手で起爆装置のスイッチを入れた。すると、住本は一緒に行った香織こそあなたの娘だと告白し、ともに日本に帰ろうと呼びかける。しかし、除は香織に謝った後自ら命を絶った。
 テレビ版から二年後が舞台。しかし、未だあの女性官房長官村松が君臨している。有賀は移動しているものの、倉田はそのままという設定になっている。ところで、韓国のNISは北朝鮮と臨戦態勢で対峙しているということもあってか、とにかく銃撃が素早い。日本の場合とても銃撃戦など無理ということもあってか、もっぱら韓国勢による銃撃は迫力があった。全体的にサスペンス感を盛り上げるための色調や音楽もマッチしていた。ただ、除博士役の田中泯は適役なのだが、長く日本を離れ北朝鮮と韓国にいたという設定なのだからハングルを話すのではと思う。何はともあれ、最後のオチまですっかり騙されてしまったが、以外に香織役の真木よう子が痛いところを突く、これまた好演。ただ、繰り返し述べられ国益を口実に手段を選ばぬ行為。しかし、彼らがいう国益とは庶民の利益ということでは絶対にないはずだ。そういう延長線上で、今日の野田首相の原発再稼働宣言で国民を守るためと言うが、関電を守るためということであってこういうレトリックが使われる以上、国益という言葉も同じものだと言わざるをえない。


監督:堀切園健太郎
出演:渡部篤郎、キム・ガンウ、真木よう子、尾野真千子、田中泯、遠藤憲一、余貴美子、石橋凌

2012年日本映画   上映時間:128分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

ジョニー・イングリッシュ  気休めの報酬
 英国情報部MI7の諜報員ジョニー・イングリッシュは5年前モザンビークでの失態で、チベットに行って反省と武術修行をおこなっていた。彼の導師ティン・ワンはジョニーに復帰のゴーサインをだした。久しぶりにロンドンに帰るとMI7は東芝の看板を掲げていた。新しい上司ペガサスは女性で、英国の首相と会う中国の首相を暗殺しようという動きをつかんでいて、ジョニーにその真相を探るように命じる。さっそく、旧知の諜報員サイモンと会い、MI7武器開発責任者パッチからジョニーの声に反応するロールス・ロイスなどを支給された。さらに、相棒として新人のタッカーとともに任務に就く。さっそく二人は香港に飛び、そこで元CIAのフィッシャーと接触する。彼によると今度の暗殺は「ボルテックス」と呼ばれる3人組が関与しており、彼もこの一員だという。そして彼らは三分割された鍵を持っているという。その話をしている最中にフィッシャーは老婆の殺し屋に狙撃されてしまった。彼女を追っかけていく隙に鍵を持ち逃げされる。何とか取り戻し、ロンドンに戻るが、鍵は飛行機のなかで奪われていた。当初から失敗したジョニーに、MI7の行動心理学者ケイトの催眠術で、モザンビークでの事件も実は「ボルテックス」の仕業であり、3人組の一人ロシアのカルレンコという男を突きとめた。さっそく彼と接触するが、またしても老婆の狙撃で彼は死んでしまう。何とか鍵は手に入れ最後の「ボルテックス」がMI7にいるということも聞いた。タッカーはサイモンが怪しいというのだが、ジョニーは信じない。逆にサイモンからはパッチがそうだと吹き込まれる。するとサイモンはジョニーが「ボルテックス」だとMI7に通報し、彼を逮捕しようとする。すると、ジョニーはパッチの高性能電動車椅子を奪い逃亡する。そしてケイトの協力で、「ボルテックス」の企みを暴き、英中首脳会談の会場であるスイスの山中の要塞へと向かう。そこで、あやうくジョニー自身が中国首相を暗殺犯にされようとするが、チベットでの修行によって、事件を何とか解決する。
 かつて、TVシリーズで「ミスター・ビーン」があった。このビーンはなぜか笑えなかった。今回もいろいろと小ネタは満載なのだが、あまり笑えなかった。これは、個人の好みの部類に属するのかとも思うが、主役のローワン・アトキンソンがどうも苦手だ。英国では人気があるのかもしれないけれど、だめだ。まだ、アメリカの「スマート」の方が面白いと思った。


監督:オリヴァー・パーカー
出演:ローワン・アトキンソン、ジリアン・アンダーソン、ドミニク・ウェスト、ロザムンド・パイク

2011年英映画       上映時間:101分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

ファミリー・ツリー
 ハワイのオアフ島に暮らすマット・キングは、その祖先がカメハメハ大王に連なる家系で、カウアイ島にある広大な土地の筆頭所有権を持っている。そこから、それなりの賃貸料が入ってくるが、父の教えを守り基本的には弁護士としての収入で生活している。17歳の長女アレックスと10歳の次女のスコッティの二人の子どもがいる。しかし、ある日妻のエリザベスが海で事故に遭い、意識不明の昏睡状態となってしまった。次女のスコッティはショックから様々な問題行動を起こしてしまう。これまでは仕事優先で子どもの世話は妻にまかせていて、久しぶりに子どもの世話をするのに苦労するマットだった。病院で医師から、病状は悪化し、本人が尊厳死に同意する文書に署名しており、近々生命維持装置を外して死を迎えさせたいとの報告を受け呆然とするマット。隣の島にある全寮制の高校にいる長女アレックスを迎えに行くマットとスコッティ。久しぶりの再会した父子の間はぎこちない。そして、枯れ葉が浮いている自宅のプールに入っているアレックスに母親の死が近いことを打ち明ける。実はアレックスとエリザベスは昨年のクリスマスに大げんかをしてその後は口を聞いていない状態だった。そこで、けんかの原因について娘が打ち明けた。それは
エリザベスが浮気をしていたというものだった。ショックを受けたマットは近所に住むエリザベスの親友ミッチエル夫婦の家に行き事情を聞く。すると、妻は離婚も考えていたということと浮気相手の名前も聞いた。そこで、アレックスが二人を見かけた辺りを探りにいくと、捜している人物がブライアン・スピアーという不動産会社を経営している男だということを突きとめた。一方、マットは、カウアイ島の土地を後7年で所有権を放棄せねばならないという事情があり、一族で協議している最中だった。また、エリザベスの死が近いということをミッチエル夫妻主催のパーティに参加した彼女の知り合いに告知し、最後の別れをして欲しいと訴えた。その後、ブライアンがカウアイ島に行っていることを知ったマット一家も島にむかった。そこで、彼と会うことができたマットは事情を聞くと、本気だったエリザベスに対してブライアンは遊びだということを打ち明けた。そして、島で会ったマットの従兄弟から島の土地を売る相手がブライアンの義兄だということを知る。この取引でブライアンに莫大な手数料が入るということも知り、親族会議の投票で従前までの売却という選択を覆したマット。そして、一家それぞれがエリザベスに別れを告げる。
 仕事一途で、家族との関係をあまり密に持ってこなかった父親が、突然妻の事故によって、改めて妻の気持ちを初めて知った。しかし、意識はなく、これからは妻と親密に生活しようと思っていた矢先、話合う機会を失われてしまった。それは、娘たちも同様で、それどれ戸惑う様子が描かれている。ジョージ・クルーニーもかっこ普通のオヤジを見事に演じていた。舞台がハワイということで、町並みには日本の墓地が写っていたり、有色人種も多くいて、ハワイらしさを感じた。最後に土地を当面売らないという思いも、環境問題を大上段に掲げないというあたりも、普通らしさを出していて、これはこれでよかった。ラストシーンの親子水入らすのシーンもほっとする。

監督:アレクサンダー・ペイン
出演:ジョージ・クルーニー、シャイリーン・ウッドリー、アマラ・ミラー、ニック・クラウス、ボー・ブリッジス、ジュディ・グリア

2011年米映画   上映時間:115分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

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