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BIUTIFUL ビューティフル
 スペインのバルセロナで暮らすウスバルは不法移民に仕事を斡旋する裏社会の人間だ。精神的に不安定な妻と別居していて、アナとマテオという幼い二人の子を育てていた。彼にはまた特殊な能力があった。それは、死者との交信という力があり、遺族に依頼されて言い残した言葉を伝えていた。そんな時、身体の異常を感じたウスバルは訪れた病院で末期ガンで、余命2ケ月を宣告された。子どもの将来を考えると、不安で仕方がない。しかし、日常的には子どもに口うるさく立ち居振る舞いを注意する。さらに、元妻との同居を始めるが、息子マテオにつらく当たり、それが原因でぼやを起こしたりする。一方、アフリカのセネガルからの不法就労者たちのめんどう見ているウスバルは警察に賄賂を渡すが、警官は薬物販売は止めろと警告する。しかし、アフリカ系不法就労者は稼ぎの少ない日用品の販売だけではやっていけないということで、薬に手を出し一網打尽に逮捕されてしまう。残された乳飲み子を抱えたアフリカ系の女性に住まいを手配してやるウスバル。さらに、中国人の不法就労者たちは、縫製や違法複製のDVD製作をおこなっていたが、これもあまり収益が上がらなかった。そこで、ウスバルの兄から紹介してもらった土木作業員として働かせることにした。彼らの中の女性にウスバルは時々子守をしてもらっていて、寒い中集団で寝ている一団に同情して安い石油ストーブを買ってきてやった。しかし、これが逆にあだとなって一酸化炭素中毒で、20人近い中国人たちが亡くなってしまった。これにショックを受け呆然となるウスバル。そして、亡くなった自分の父親との会話を交える夢のなかで、自らの死を自覚するのだった。
 昨年のギリシャ危機以降スペインの経済的な危機が取り上げられていたが、まさにそうした状況にもっと深刻なアフリカのセネガからの不法就労者夫婦の会話は「国に帰っても、仕事なんかない」というもの。中国人の不法就労者たちの過酷な生活であっても「この国に来られるのならどんな犠牲も払う」といった会話もあった。そう、いかに経済的な危機に直面していても、スペインの状況よりもさらに厳しい現状が、あの発展めざましい中国ですら存在するというのだ。このような先の見えない状況下で貧しい暮らしのなかで、親子の思い。とりわけ、死に行く父が子どもに残したいと思う願いと想いに肉薄する作品。


監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ出演:ハビエル・バルデム、マリセル・アルバレス、エドゥアルド・フェルナンデス、ディアリァトゥ・ダフ、チェン・ツァイシェン

2010年スペイン・メキシコ映画  上映時間:148分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-
 サダム・フセインが全盛だった頃のイラクでは1980年から隣国イランと国境を巡って戦争をおこなっていた。その戦争の終盤、イラク共和国軍の中尉として前線で闘っていたラティフは、バクダットに呼び戻された。厳重なボディチェックのあと彼の前に現れたのはウダイ・フセインであった。元々、彼らは高校の同級生だ皆に似ていると言われていた。ウダイはラティフに自分の影武者になれというのだった。当初、拒否をするラティフを拷問し監禁した上で、どうしてもいやというのならば、家族も巻き込むと脅かすのだった。仕方なく、影武者となったラティフは整形手術も施され、ウダイの住む豪邸に一緒に住むことになる。そして、ウダイと同じ高級時計やスーツ類を着て、話し方や立ち居振る舞いを似せる訓練を積む。そうした一環でウダイが代表を務めるオリンピック委員会関係のビデオを見せられると、そこには試合で負けた選手を拷問する場面が映されていた。夜には毎夜のように、ナイトクラブに出向き、同行するボディガードとともにラティフはウダイの弟と紹介された。ここでも、傍若無人のに振る舞うウダイ。その店のナンバーワンのサラブにはぞっこんで、バクダッドで最も美人と褒めちぎる。それでも、毎夜の女性をとっかえひっかえベッドに連れ込むウダイ。麻薬を常用し、酒浸りの日々でバクダッドの町を高級車で乗り回し、目についた女子学生をだれかれかまわず、引っ張り込むという有り様だった。そんなウダイにある夜サダムの側近カーメルがウダイを女性のことでからかった。すると、ウダイは激怒しあろうことか彼をナイフで刺殺してしまった。これには、さすがにサダムも怒り、睡眠薬の飲み過ぎで病院に運ばれていたウダイのもとを訪れ、ぶん殴り「生まれた時に殺しておけば良かった」という捨て台詞を吐いて出て行くのだった。そうしたなかで、隣国クェートへの侵攻をおこなったサダム。これに対して、米国など多国籍軍が直ちにイラクを攻撃してきた。そうしたなかで、ある夜邸宅にこっそりとやって来たサラブはウダイではなく、ラティフのところに忍んできた。彼女は、自らをウダイに選ばれたおもちゃで、そのうち飽きられてしまえば捨てられるとつぶやき、それはあなたも同じと言い、そのまま二人は結ばれてしまう。戦争の最中ウダイの身代わりとして前線に行かされるラティフ。テレビ中継される演説に見とれ、「俺だ」と叫ぶウダイ。しかし、その帰途、敵対勢力から武力攻撃を受け負傷してしまったラティフ。何とか完治して、静養していたウダイとラティフだったが、たまたま居合わせた結婚式の披露宴に遭遇した。そこで、ウダイは花嫁を一室に連れ込み強姦してしまう。彼女はショックからその場で命を絶ってしまう。ここまで悪行が続けられ、もうこれまでとラティフはウダイと決別をする覚悟で自らの死を選ぼうとする。しかし、一命を取り留め数年ぶりで家族のもとに返される。それでも再び召集されるが、今度は彼の下からの逃避行をサラブとともに決行する。この後、ある行動でるのだが。
 現実にウダイの影武者を4年間勤めたラティフ・ヤヒア氏の原作を映画化したもの。実際のウダイがスポーツ選手を拷問したという話は後に明らかにされたが、女性関係はやりたい放題という酷いものだったことがわかった。昨年アラブの春と呼ばれた一連の独裁者たちが民衆に打倒され、カダフィも哀れな最期を迎えた。彼の一族の住居跡も公開されたが、ウダイほどではないが、結構贅沢三昧、好き放題の日常だったことが報道されている。こうした連中が一掃されたのはいいのだが、肝心のイラクでは米軍の侵攻で多くの人々が殺され、いまだに混沌とした状況は変わっていない。こうした事態はどう考えればいいのだろうか。折しも、今度はイランを巡ってきな臭い状況になってきている。


監督:リー・タマホリ
出演:ドミニク・クーパー、リュディヴィーヌ・サニエ、フィリップ・クァスト

2011年ベルギー映画   上映時間:109

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

アレクサンドリア
 4世紀末のエジプトのアレクサンドリア、ローマ帝国も凋落を迎え、東西に分裂しようとしていた。しかし、このエジプトに地においては、いまだ宗教的にも古代の神々を信奉し巨大灯台や知の宝庫であるアレクサンドリア図書館があった。そこでは、古代エジプト文明と古代ギリシャ文明が融合した高度な文明を継承していた。しかし、シーザー以来ローマ帝国の属州となり、次第にキリスト教徒の数が増えてきていた。そうしたなかでも、図書館長テオンの娘ヒュパテイアは宗教を不問にして生徒に天文学の講義をしていた。町ではキリスト教徒、ユダヤ教徒と古代からの神を信奉する人々の間に不穏な空気が流れていた。キリスト教徒のキュリロスはそうした急先鋒で火の中を歩くというパフォーマンスで奇跡を吹聴し信徒を拡大していた。そうして、古代の神々を貶める発言を繰り返していた。これに対して、町の長老たちはキリスト教徒への弾圧を決断する。ところが、キリスト教徒側は修道兵士という武装集団を組織していて、反撃を開始した。すると、力ではキリスト教徒たちに圧倒的されてしまう。決着はローマ皇帝に委ねられた。裁定は古い神々の偶像をすべて破壊し、図書館も蔵書を焼き払うというものだった。ヒュパテイアは持てるだけの書物を持って避難した。すると、今度はキリスト教徒はユダヤ教徒に的を絞り追い詰めていき、結局町から退去させてしまった。数年後、東西に分裂したローマ帝国。こうしたなか、かつてヒュパテイアの教え子で彼女に求婚したオレステスも改宗してアレクサンドリアの長官となった。ヒュパテイアも子どもたち勉強を教えていた。そして、天動説ではなく何らかの地動説に考えが及んでいた。一方、唯一神のキリスト教にはなじめず、つい本音がでるのだが、それを咎められ彼女を処罰せよという声が上がる。何とかくい止めようとオレステスはがんばるが、逆に修道兵士の長であるアンモニオスに投石される。そして、キュリロスによってヒュパテイアは魔女の烙印を押され虐殺されてしまう。
 この作品では、科学や知性を唯一神に反するとして抹殺するという、キリスト教のそもそもの出発点をさらけ出している。このような宗教の影響で暗黒の中世を迎え、同根の亜流宗教イスラム教との十字軍の戦いなど、まったく最悪な展開へとつながっていったと思う。ヒュパテイアのように性は関係なく正しく学問的評価がおこなわれ、アレクサンドリア図書館のような人類の英知の結晶が正しく継承されていれば、現在の人類の有り様も変わっていたに違いないと思う。それにしても、キリスト教(この宗教に限ったことではないが)は野蛮で無知で非科学的な無用な存在だということがいやと云うほど痛感された。


監督:アレハンドロ・アメナーバル
出演: レイチェル・ワイズ、マックス・ミンゲラ、オスカー・アイザック、マイケル・ロンズデール、サミ・サミール

2011年スペイン映画   上映時間:127分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

月光ノ仮面
 第2次大戦も終えて2年が経過した頃、顔半分を包帯で巻いた復員兵が東京に帰ってきた。そして神田にある小さな寄席に入り、あろう事かいきなり口座に上がったのだ。慌てる寄席の関係者が数人がかりで外に連れ出すと、有名な落語家森乃家天楽の娘の弥生が通りかかり、その復員兵が落としたお守りを見て許嫁だった森乃家うさぎではないかと言い出す。復員兵は森乃家天楽の家に連れてこられたが、記憶喪失になっていて、何も思い出せない。うさぎは戦死したという知らせもあったが、それが間違いで帰還したという兵隊もいたという例もあって、帰還兵は内弟子数人とともに、天楽の家で暮らし始める。うさぎは出征前には、真打ち直前で人気もあり、森乃家一門を背負って立つ存在と嘱望されていて、弥生とも結婚の約束をしていたのだった。しかし、包帯に隠された顔面と、わずかにつぶやく「粗忽長屋」の一説以外何一つものを言わなかった。ある日、弥生に連れられて近くの神社に行き、そこで出征の際お守りを渡したことを告げられた。すると、その復員兵は弥生を神社の奥に連れ込み、身体を重ねたのだった。天楽の意向で、寄席に慣れた方がいいというので、小さな寄席に出ることになった復員兵は、うさぎではなく森乃家小鮭と名乗って出演することになった。しかし、まともに落語を演ずることもなく夜は赤線通いを始めた小鮭だった。しかし、なじみの女性とは床下に穴を掘る作業を続けていた。そんななる日、もう一人の復員兵が寄席にやって来た。彼は戦闘中の爆発で喉をやられ、声が出ない状態だったが、彼こそが本物の森乃家うさぎだった。実は、彼らは同じ戦地でにいた知り合いで、たまたま同じ左肩に大きな痣があったのだ。本物が返ってきたものの、しゃべれない状態では落語家は無理なので、うさぎは小鮭に継いでもらい、自分は弥生と結婚したいと手紙に綴り、天楽のもとに持ってきた。天楽はそれを了承し、森乃家一門会を開催して、うさぎの再デビューをはかろうということになった。晴れて、うさぎの口座になった時、彼はいきなり機関銃を取り出し、最初は口で銃声をまねるが、その内に実弾を発射して、全ての観衆を撃ち殺してしまう。 前作の「板尾創路の脱獄王」を見て、期待して見に行ったが、がっかりだった。何度もあくびはでるは、ドクター中松が突如現れて、タイムトラベラーとか言い出す辺りでこりゃ駄目だと思った。そもそも、落語の「粗忽長屋」という死んだかどうか自覚できず、自らの死体だと思い込むという内容を踏まえ、自らの死を自覚できないままに、その確認に現世に現れたということと解釈するのがいいのだろうか。題名の月光ということでキーワードとして「女は月の魔力に左右される」「穴の中には月の光は届かない」「目は口ほどにものを言う」ということが書かれている。確かに石原さとみ演じる弥生は連日の満月に二人の男の間で揺れる想いが描かれていたが、月の光をさえぎるための穴というのは意味不明だ。総じて、色調を落として、現世をどちらから見るのかということを表現したかったのかとも感じた。それにしても、戦争中の板尾の演じた兵隊の小銃の撃ち方の様になっていないのが目立った。それと、寄席の客たちの笑いすぎの場面は、現在の吉本の芸人が笑えない舞台に無理に笑い声を入れているテレビを彷彿し興ざめだった。総じて、シュールで哲学的な趣を仕込んだ作品にしたかったのだろうがつまらないの一言ですまされよう。あくび百連発。最後の「キーハンター」のテーマ曲は何なんだ。


監督:板尾創路
出演:板尾創路、浅野忠信、石原さとみ、前田吟、國村隼、六角精児、根岸李衣

2011年日本映画   上映時間:102分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

デビルクエスト
 14世紀、魔女裁判がおこなわれ処刑後、一人の神父が止めのソロモンの教典を読もうとした際、魔女に殺されてしまう。その頃、十字軍の騎士としてベイメンとフェルソンは10年間従軍していたが、女性や子どもまでも殺してしまう闘いに疑問をもち、十字軍を離れて帰郷することにする。ようやく町に着いた二人は、ペストが蔓延した荒廃した事態に遭遇する。しかし二人は勝手に十字軍を離れたことで逮捕されてしまう。それでも、二人の武勇伝を聞き及んでいた枢機卿が一人の若い女性を修道院に連れて行き、魔女裁判にかけるように命じ、それを条件に二人を免罪するというのだ。それというのも、ペストは魔女が元凶と考えられていて、修道院にある魔力を封ずる最後の教典によって魔女の力を封印することができると、瀕死の枢機卿は考え最後の命令をくだすのだった。そこで、ベイメンとフェルソンと神父のデベルザック、枢機卿の従者カイ、騎士志望の若者エッカートらが鉄格子のなかに入れられた女性を連れ旅にでることになった。修道院までは、深い霧の立ちこめる森を通らなければならない。そうしたなかで、狼に襲われたりするなかで、犠牲者もでてしまう。一方、ベイメンは若い女性がどうしても魔女には見えず、裁判に必ずかけることを約束する。ようやくたどり着いた修道院もペストの犠牲者が出ていた。それでも、修道院では、巨大な「悪」が出現し、ここまでの行程も仕組まれたものだということも判明する。 ニコラス・ケイジとヘルボーイのロン・パールマンの強力コンビならではの最初の十字軍の遠征部隊による戦闘シーンはなかなかよかった。しかし、その後のSFXを使った悪魔との闘いというのは、けっこうありきたりで、こんなものかという感じだった。何かもうひと工夫もふた工夫も欲しいと感じる作品。


監督:ドミニク・セナ
出演:ニコラス・ケイジ、ロン・パールマン、クレア・フォイ、スティーヴン・キャンベル・ムーア、ウルリク・トムセン

2011年米映画    上映時間:95分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

マイウェイ  12,000キロの真実
 1928年日本統治下のソウルで二人の少年が出会った。一人は日本人長谷川辰雄とキムジュンシクだ。辰雄は祖父の住むソウルに医者の父と家族でやって来た。ジュンシクはその使用人の息子でともにマラソンが得意だった。二人はライバルとして活躍するが、ある日辰雄の家に送られてきた小包に爆弾が仕掛けられていて、祖父が爆死してしまう。手渡したのが、ジュンシクの父親であったため、逮捕され拷問の上仕事をなくしてしまった。それからは、人力車の車夫として働きながらマラソンの選手を目指すジュンシク。1938年2年後の東京オリンピックにむけマラソン選手の選考会がおこなわれ、優勝したジュンシクが失格となり、会場は大混乱に陥り朝鮮人たちが抗議をおこなった。しかし、2位の辰雄もその場から淋しく去っていった。一方のジュンシクたちは強制的に戦地であるノモンハンに送られる。しかし、ソ連軍の近代的な兵器の差や物量に圧倒されて退却をを余儀なくされた。しかし、そこに辰雄が陸軍大佐として赴任し徹底抗戦を強いるのだった。辰雄の指揮下ソ連軍に一斉攻撃をかけようとした時、逆にソ連軍の奇襲攻撃に遭遇し部隊は壊滅してしまう。生き残った辰雄の部隊と朝鮮人兵たちは捕虜として思想教育とシベリアでの強制労働に従事させられる。すると、先に捕まっていたジュンシクの友だちが今度は捕虜を監督する側になっていて日本兵たちに恨みをはらす。過酷な労働のなか今度はドイツのソ連侵攻に対して捕虜たちもまたソ連軍兵士としてスターリングラードの攻防戦に投入される。しかし、ここでも辰雄とジュンシクは生き残り、二人で雪山を踏破する。しかし、ようやくたどり着いた町でドイツ軍に遭遇する。そして、時を経て二人は今度は独軍の兵士として、ノルマンディーで連合軍を迎え撃つための準備をしていた。はからずも2人はソウルから12000キロも離れたところまでやって来たのだった。
 マラソン選手のライバルということを縦軸に日本の統治下での関係から始まり、最後は固い友情で結ばれるというストーリー。確かにノモンハンから始まってソ連軍そしてドイツ軍として闘った人物はいたらしいのだが、今回の作品はあくまでもオリジナルといっていい。ただ、日本の漫画「ハッピータイガー 」の盗作という話もある。それはさておき、ストーリー的に無理があると思われる点がいくつかある。それは、長谷川辰雄が後任の士官しかも大佐としてノモンハンに赴任する場面だ。ジュンシクたちがノモンハンに送られてそんなに時間が経過していないにもかかわらずいきなり関東軍の大佐として赴任するというのは無理がある。さらに中国人女性スナイパージュンシクもノモンハン近郊にたった一人でゲリラ戦を遂行するのも腑におちない。強引に女性をからませ、あげくにライフルで飛行機を撃ち落とすのもやり過ぎだ。戦闘シーンもスターリングラード攻防戦やノルマンディー上陸作戦もかつて見た映画の風景に似ていて、がんばっているのだけれど、どうしてもこれまでの作品と比べてしまう。せっかくの奇跡の物語なのだから、もうちょい工夫がほしかった。
 ただ、日本統治下で朝鮮人への蔑視、差別が露骨なのは、見ていていい気持ちはしない。山本太郎演じる当時のステレオタイプの日本兵は教育の影響もあって中国人、朝鮮人への侮蔑意識は相当高い。そうした姿も見るに堪えなかった。


監督:カン・ジェギュ
出演:オダギリジョー、チャン・ドンゴン、ファン・ビンビン、キム・イングォン、夏八木勲、鶴見辰吾、山本太郎

2011年韓国映画   上映時間:145分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
 これまでのサムと行動をともにしてきたバンブルビーは米政府と協力してオートボットの一員としてNESTとともに秘密の任務を遂行していた。一方のサムは大学を卒業しても、就職先が見つからず、新しい恋人のカーリーと同居しながら就活をおこなっていた。カーリーの勤める会計会社の社長ディランは自動車と芸術品のコレクターでもあるが、ある事情からサムを目の届くところに置く必要があり、宇宙開発事業に携わるアキュレッタ・システムズ社の副社長ブルースとの関係で縁故入社させる。ところが、1969年、アポロ11号による人類初の月面到達の裏の事情が浮かび上がってきた。それは、かつて惑星サイバトロンで悪のトランスフォーマー軍団ディセプティコンと善のトランスフォーマー軍団オートボットとの闘いで敗北寸戦まで追い詰めらたオートボットは一隻の宇宙船で脱出をしたが、攻撃されて月の裏側に不時着してしまった。そして、この事実はアポロ11号によって発見されたが、長く秘密にされてきた。オプティマスは調査の結果、不時着した宇宙船に彼の師とも言うべき伝説の戦士センチネルが眠っている事を知り、自ら月へ赴き、彼を蘇生させた。すると、彼が開発したという物質転送システム「スペースブリッジ」とそれを発動する「柱」の存在が明らかとなる。しかし、センチネルは、オートボットとの決別を宣言し、NESTが保管していた最後の「柱」を奪って逃走する。その夜、センチネルは月と地球をスペースブリッジでつなぎ、それを通じてメガトロンの命令を受けたディセプティコンの軍団が地球へと侵入する。こうして、圧倒的な力を持ったディセプティコンの軍団が登場し、彼らとつながったセンチネルはオートボットを地球から追放するように要求する。一旦はこの要求に屈した振りをしながらも、ディセプティコンによって地球を植民地としようとする策略にサムともどもオートボットや米軍が最後の闘いをおこなう。
 話もネタ切れで、アポロの月探査まで持ち出したり、前作までのヒロインが問題発言で降板させられ、新恋人という設定や、サムとバンブルビーの関係も疎遠になってしまい、トランスフォーマーたちの闘いを地球上でやっているだけという感が否めなかった。変身シーンも相変わらず早すぎるし、CGだからそれまでと言ってしまえばそれまでなのだが、とにかくストーリの展開が当初からかけ離れてしまい、アポロを出してきても、タイムラグがありすぎて、返って説得力がなくなっている。とりあえず、シャイア・ラブーフが出演する3部作はこれで完結したらしい。2Dでも目がついていかないのに、3Dはどういう風になっていたのだろうか。昨今何でも3Dという風潮も如何なものかと思っている。


監督:マイケル・ベイ
出演:シャイア・ラブーフ、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー、ジョン・タトゥーロ、ジョシュ・デュアメル、タイリース・ギブソン
2011年米映画   上映時間:157分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

12人の怒れる男/評決の行方
 これで4作目を観た。一作目は言わずと知れたヘンリー・フォンダ主演作。二作目は三谷幸喜脚本の「12人の優しい日本人」。三作目はロシア版「12人の怒れる男」そして1997年ハリウッドリメイク版の本作だ。ストーリーはオリジナル版とほぼ同じ。これは1957年製作だから、ほぼ40年を経ても、ほぼ同じ内容で通用しているのも驚きだ。ただ、陪審員にはオリジナルでは白人だけだったが、さすがに黒人や南米系などを入れている。ただ、ジェンダーバランスというか女性が入っていない、これは題が12人の怒れる男ということで、仕方ないかとも思った。ただ日本の映画では女性は入っている。ストーリーはスラムに住む未成年の少年が父親殺しの容疑で裁判にかけられ、12人の陪審員の評決を待つというところから始まる。当初の印象では、大半がクロという印象を持っていた。ただ一人デイビスという建築家の陪審員がたった5分で評決するのでは間違っていたら大変な事だと主張する。そこで、陪審員長が投票すると11対1で有罪となる。ただし、評決は全員一致でなければ決まらない。そして、改めて被告の少年の有罪を裏付けているという証拠の検証から始める。すると、少年親子が暮らすアパートの階下に住む老人が、上で争うような物音が聞こえ、その直後少年が階段を駆け下りてきたのを見たという証言についての疑問が出た。老人は15秒程の時間で降りてきた少年を見たというが、足の不自由な老人には目撃することはできないということが指摘される。続いて、犯行に使用されたという飛び出しナイフも特殊なものであまり出回っていないとされていた。しかし、デイビスは少年が落としたと主張したという同じナイフを町で手に入れてきていた。それは、けっこう普通に出回っていたものだった。こうして、当初のスラムに住む少年なら父親でも平気で殺してしまうという予断に満ちた思いを払拭させ、目撃証言もあまりに正確性を欠くものということが明らかになる。そして、ついに全員で無罪の評決に達する。
 オリジナル版に比べると、ジャック・レモンが地味ながら光っていた。あわせてジョージ・C・スコットもさすがだと思った。ただ、映画手法的には現在では、ほとんどが実際の事件を再現するシーンが挿入され、観客にも納得させるのだが、この作品には一切そうしたシーンがなく、ただただ陪審員が語る証人の印象や証言によって判断が揺れていく。そうしたディスカッションによって判断が変化するという手法も見物だった。そして何よりも全員一致という陪審裁判についても一人から始まって全員を同じにさせるというのが圧巻だ。日本の裁判員制度だと多数決で、しかも裁判官3人の内一人でも入っていなければ、多数を占めてもそれは決定されないという。つまり、裁判官3人裁判員6人で、裁判員全員が無罪と主張しても3人の裁判官が有罪といえば、有罪になるという。そういう意味で、裁判官とは一線を画した陪審制の方が市民の判断が優先されると思うのだが、どうしてもこの国では国民を信頼していないということなのか。


監督:ウィリアム・フリードキン
出演:ジャック・レモン、ジョージ・C・スコット、コートニー・B・ヴァンス、オシー・デイヴィス、アーミン・ミューラー=スタール、ドリアン・ヘアウッド、ジェームズ・ガンドルフィーニ
1997年米映画     上映時間:117分

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