FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

2011/11
≪10  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30   12≫
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
フード・インク
 かつて「キング・コーン」ではアメリカのコーンへの依存が大きいことを示していた。こちらでも、そのことにも触れるがもう少し多岐にわたっている。ある一家4人とも肥満の家族が出てくる。彼らは、低所得でファースト・フードを食べる機会が多い。それは、安価なハンバーガーを提供する多国籍チェーン店の存在があってのこと。彼らは野菜よりも安くて、早く食べられるということもあって、ファースト・フードを食べつつけ、これらの人々の多くが糖尿病などを患っている。しかも、医療保険がないなかでは高い治療薬などとうてい買えるわけがない。そこで、どうしてこのように安価な食が大量に工場で生産されるのかを追及していく。すると、今や全米の農地の約30パーセントがコーン畑であり、小麦や大豆とともに備蓄できる穀物として大量に生産されている。しかも、ちゃんと農業の補助金も出ており、たくさん作れば作るほど多くの補助金が出されるという。そして、そのコーンはコーンシロップといった甘味料をはじめ多くの食料の添加物として使用され、鶏や牛豚の飼料ともなっている。こうしたチキンは昔に比べ短期間で成長し体重も増している。飼料には大量の抗生物質を添加してあり、急な成長で自らの体重を支えられず歩けない鶏も多くいる。さらに、牛の場合はもっと深刻だ。本来牛は草食であり、そのために胃が複数あるのに、コーンを主体の飼料では成長は早いが、大腸菌の繁殖をさせてしまう。そのため、汚染された肉によってO-157が発生し、小さな子どもが犠牲になった。それは、月に5日ほど草を食べさせれば、容易に防止できるという。しかし、ほとんど動くスペースもないなかに置かれ自らの糞尿の上に立っている状態が常態化し、そこから食肉工場に搬送され過密な状況が続くなかで解体され食肉にされている。それは、豚も同じような状態であり、現場の労働者たちはほとんどが移民や不法就労者であり無権利で過酷な労働環境にある。しかも、彼らは元々メキシコでコーンを作っていた農民だったがアメリカで大量に安価なコーンが作られることで、農業が壊滅となり不法就労している。それで、定期的にこうした労働者が逮捕される。雇用する側は何も問われないという矛盾したものだ。さらに、大豆などは遺伝子組み換えで、虫の付かないものが作られ、一代限りの種子からの販売がモンサント社という1社に牛耳られている。そして、従来のやり方をしている農家はモンサント社のエージェントによって監視され、些細なことで訴訟に巻き込まれている。このように、ファースト・フードチェーンを最大の顧客とする巨大多国籍食品工場はほんの数社によって運営されている。しかも、彼らはアメリカ食品医薬品局(FDA)にも多くの人材を送っており、いわば政府と一体となってこれらの食品会社の利益を守っている。このような実態が明らかにされていく。
 現在のTPPの問題を語る前に、ぜひこのアメリカの現実を見ておくべきだと思う。サブプライムローンをきっかけにした世界金融危機を引き起こしたアメリカはここで示した強欲資本主義の本性はこうのような食の分野でも発揮されている。しかし、食は生きることと不可分な領域で健康ということも含め、これこそグローバルな視点が必要だ。そうした観点からも、TPPは危険きわまりないしろものだということが理解できる作品だと思った。


監督:ロバート・ケナー
出演:エリック・シュローサー、マイケル・ポーラン

2009年米映画    上映時間:94分
スポンサーサイト

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

クロエ
 カナダのトロントで産婦人科クリニックを開業しているキャサリン。彼女は夫で大学教授のデビッドと音大に通っている息子マイケルと3人で郊外のモダンな邸宅に住んでいる。ある日デビッドの誕生日をサプライズパーティで祝おうと数ヶ月も準備し、来客も集まっているなかデビットから飛行機に乗り遅れて帰宅は深夜になってしまうとの連絡が入った。翌朝、着信音の鳴った夫のスマホには、女子学生から「昨夜はありがとう」というメールが入っていた。キャサリンは夫の浮気を疑ってしまう。そんなある夜、キャサリンはデビットとともにトロントのホテルで友人と食事をしていた。トイレに立ったキャサリンは若い娼婦のクロエとひょんな事から言葉を交わす。そして、クロエが夫好みの若い女性であることから、夫デビッドを誘惑するように依頼する。自然を装いデビットに近づいたクロエはデビットをすぐに陥落させてしまう。そして、キャサリンに事細かにデビットとの情事の様子を報告するクロエ。そんなクロエに、デビットと会った直後のホテルでの告白に呆然とするキャサリン。すると、クロエは彼女にもたれかかり、キスをし二人でベッドに倒れ込む。キャサリンは夫とはほとんどセックスレスであり、クロエのテクニックに身をまかせるのだった。そして、クロエに伴われ家の側までタクシーで帰宅したキャサリンに、タクシーの中の人影をだけを見たデビットは、逆にキャサリンの浮気を疑う。そして、一人ソファーで寝たキャサリンは翌日、試験で忙しいというデビットを喫茶店によびだす。そして、そこに時間差で呼び出されたクロエもやって来た。しかし、不思議なことにクロエにはまったく関心を示さないデビット。そこで、全てを知ったキャサリンはクロエにもう自分たちの側に顔を見せないようにと封筒の金を手渡す。しかし、クロエはキャサリンの家に行き今度はマイケルを誘惑するのだった。
 ラストは衝撃的だが、クロエの心情は常に客を満足させるために何でもするという冒頭の伏線が効いている。ただ、リーアムニーソンは「アンノウン」などの作品でも知られているアクションもこなせる俳優なので何かもったいない感じがした。それと、あのラストではなく、さらに次の段階に踏み込むアロエの姿が見たかった。それにしても、クロエ役のアマンダ・サイフリッドは売れっ子なのだと思ってしまう。それと、この作品は2003年の仏映画「恍惚」のリメイクだという。


監督:アトム・エゴヤン
出演:ジュリアン・ムーア、リーアム・ニーソン、アマンダ・サイフリッド 、マックス・シエリオット

2009年米、加、仏映画   上映時間:96分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

恋の罪
 1990年代の渋谷。ラブホで不倫中の女性刑事吉田は事件の知らせに現場に急行した。そこは、使われなくなった古い木造アパートの一室で、壁には「城」と血で大きく書かれ、赤の蛍光塗料が散乱し、セーラー服を着たマネキンと赤のドレスを着たマネキンが横たわっていた。解剖の結果一人の女性を切り刻んでマネキンと合体させたものだが、被害者の頭部と性器は持ち去られていた。猟奇事件として吉田は部下とともにこの事件の捜査にあたる。事件現場のアパートは渋谷の娼婦たちが度々性交渉の場として使われており、被害者もデリヘル関係者とみて聞き込みが開始された。一方、人気作家の菊地と結婚したいずみは、几帳面な夫の言いつけを守る専業主婦だった。夫は朝7時に自宅を出て、仕事場はホテルの一室を借りていて、決まって午後9時に帰宅する。すると、いずみは紅茶を入れスリッパをそろえて玄関で出迎えるのだった。しかし、そうした日々に退屈さをもてあまし、日中はスーパーのハムの試食を担当するパートに出ることにする。すると、ある日女性から声をかけられ、モデルになってみないかと誘われる。興味半分に撮影現場に行くとスタッフたちにおだて上げられ、ついにヌードモデルとAVの撮影までされてしまう。この経験から、はでな衣装を身にまとい渋谷を歩くようになる。そして、若い男にナンパされラブホに行き脅かされてしまう。ホテルを出ても困惑するいずみを助けてくれたのが、美津子という娼婦だった。混乱するいずみに「今なら引き返せるから、早く帰れ」という。そして、美津子は「城」の周りを漂っているというのだった。そんな美津子こそ自らを解放してくれる人物だと思い後を追ういずみ。すると。男を連れ古いアパートに入る美津子。情事の現場を見ていたいずみに美津子は紙片を渡す。紙に書かれた場所は有名な私大の講義室だった。美津子は、昼間は大学で日本文学の助教授をしていた。そこで講義していたのは詩人田村隆一の「帰途」だった。その後、美津子はいずみとともに渋谷に行く。その後、いずみは美津子の父が彼女と同じ大学の教授で10年前に亡くなっているが、美津子は父親を異常に愛していたこともわかった。一方吉田の不倫相手も実は夫の後輩でフリーの仕事柄時間をわきまえず、携帯に電話をしてくる。しかし事件はの解決は容疑者からの電話で解決し、彼女の活躍はないままに終わる。
 「冷たい熱帯魚」に続く実際の事件を下敷きにした2作目だが、今回は現場である渋谷円山町と被害者が高学歴である種エリートなのに売春をしていたというところを除けば、ほとんどが創作である。しかも、「東電OL殺人事件」の方では「犯人」されたネパール人とは別人のDNAが検出され、冤罪の可能性が高くなっている。そうしたところは全く無頓着で、現実の被害者の心の闇とは無縁だと思った。結局この作品は、女性差別に貫かれ、都合のいい男社会の目でしか描かれてはいないと思う。あわせて、田村隆一の詩「帰途」を多用しているが、逆にチープで陳腐な印象しかあたえない。美津子役の冨樫真も助教授と娼婦で声のトーンを変えているが、娼婦の時の怒鳴るような声が逆に痛々しく、これまた場違いなアングラ劇を見ているようだった。また、水野美紀は刑事としての活躍はあまりなく、不倫相手からの電話に操られるといった、もはや妄想の世界の登場人物のようで違和感があった。総じてだらだらと無駄に長く、余計な部分を大幅にカットすべきである。


監督:園子温
出演:水野美紀、冨樫真、神楽坂恵、津田寛治、 町田マリー 、岩松了

2011年日本映画    上映時間:144分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

コンテイジョン
 仕事で香港出張に行っていた女性重役のベスはその帰途、自宅のあるミネソタではなく、かつての恋人とシカゴで密会をした。ベスは、帰宅後咳き込み発熱する。翌日、けいれんし意識を失って救急車で病院に搬送されるが、そのまま亡くなってしまう。あまりの突然のことでうろたえる夫のミッチ。しかも、病院に来る間、ベビィシッターにみてもらっていたベスの連れ子の幼いクラークまでもが亡くなってしまう。一方、香港ではカジノのウェイターが、ロンドンではウクライナ人のモデルがベスと同じような症状で倒れていた。同様に東京でも、ビジネスマンがバスの中で発熱と咳をしながら倒れてしまう。その様子は、バスの乗客に携帯電話で撮影されYouTubeにアップされた。アメリカで最初に見つけたのは、多くの読者を持っているブロガーのアランだった。彼は早速ブログにアップして、政府が隠す謎の伝染病だと書きこんだ。そうしている間にも、ベスの不倫相手ジョンや香港のカジノのウェイターの妹までもが亡くなってしまう。ベスの死因を調べていた医師は脳の中を見て驚き、すぐに全方面に連絡するように指示した。これを受けて全米疾病予防センター(CDC)も調査に乗り出す。エリス博士を責任者とする対策チームは、ドクターアリーがベスの脳細胞を分析する。さらにドクターエリンをミネソタに派遣し感染者を隔離する指揮を執るように派遣した。CDCはカリフォルニア大学のサスマン博士にもウィルスの分析を依頼した。しかし、あまりに感染力が強大で危険がともなうので、中止を要請したがサスマン博士はコウモリと豚の混ざったウィルスであることを突きとめた。こうしたなか、WHO(世界保健機構)も動きだし、ドクターオランティスが調査に乗り出し、最初の発症が香港であると思われ、現地に入りする。そこで、各国の衛生担当者とテレビ会議をおこない、48時間以内に世界中に拡散すると宣告し、早急にワクチンの開発にかかるように指示する。しかし、ウィルスは次々に変異してワクチンの開発は進展しない。こうしたなか、世界中に感染は広まり、ミネソタでは学級閉鎖や他州への移動禁止までおこなわれた。さらに、アランがブログでこの病気はの特効薬として「レンギョウ」の名を挙げ、薬局は長蛇の列ができたり、その薬を奪い合ったり、不足する食糧を求めての暴動まで起きていた。そして、ようやくワクチンが開発された。 とにかく、つぎつぎと広がるパンデミックに恐れおののく民衆。いっぽうで、こうした事態に対してブログでいい加減なニセ情報を流し続けるブロガー。この男にまで情報提供を直に迫るハイエナ投資ファンドの手先。人類の危機ともいえる状況にあっても、目先の金儲けに走ろうとする強欲な連中の存在は、日本の原発事故に絡んで情報を隠し、利権を守ろうとする存在とダブって見えてしまう。映画は最後にウィルスの発生源を映し出すが、現実にいつ起きても不思議はなく、サーズや鳥インフルエンザの変異など想定される中怖さが現実味を帯びる。


監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:マット・デイモン、マリオン・コティヤール、ローレンス・フィッシュバーン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロー、ケイト・ウィンスレット

2011年米映画  上映時間:106分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

まほろ駅多田便利軒
 東京から神奈川県に突き出した街がまほろという設定になっている。おそらくは町田がモデルなのだろう。その駅前で便利屋をやっているのが多田啓介。まじめで頑固だが、バツイチのやもめ暮らしをしている。ある日、郊外の常連客岡の依頼で終日バスの運行をチエックして間引き運転がないかを確認していた。最終バスの確認を終えて帰る時、バス停で一人の男と出会った。彼は行天春彦で、多田の中学時代の同級生だった。彼は何も事情を言わず、今晩泊めてくれという。結局、車に乗せて事務所に連れて帰る。翌日から何となく居座って一緒に仕事をする行天。さっそく、預かっていたチワワを返しにいった。しかし、その家は無人で夜逃げをした後だった。次ぎに事務所に来たのは、自称コロンビア人の娼婦ルルとルームメイトのハイシーだった。彼女たちはチワワを譲ってくれというのだった。そこで、彼女たちの部屋に行き立て付けの悪くなった引き戸の修理をする多田だったが、突然そこにルルのヒモでヤクの売人のシンちゃんがやってきてた。行天ともども多田はシンちゃんを押さえ込み、ルルと別れるように迫るのだった。こうして、チワワはルルたちのペットとなった。この後、母子家庭の小学生由良の塾の迎えを依頼され多田と行天が毎日迎えにいくが、母親の愛情を知らない由良は生意気な口をきく。それでも、由良が熱を出した時には二人で看病するが、帰宅した母親はあまり関心を示さない。そんななか、由良はある事件に巻き込まれていた。それを、解決しようと身体を張る多田。
 ありふれた日常のなかで、多田と行天はそれぞれバツイチということがわかる。しかも、多田には家族の喪失というトラウマもある。一方行天も擬制家族ということを承知での婚姻という過去があった。多田には、家族も含め、由良に語ったように親から愛情を注がれなくても「自分には与えられなかったものを、新しく誰かに与えることはできるんだ」と希望を口にする。小さなことだけど、気がついたところだけでも、人助けをしようという思いがある。しかし、そんな多田の行為を早坂という刑事は「人助けをしたなどと思い上がるな」と嫌悪感をあらわにする。こうしたなかでも頑固に生きていく多田。それと、飄々と相棒として生きる二人の姿がなかなかよかった。瑛太が松田龍平の前で「なんじゃこりゃ」と叫ぶと「似てねぇ」と応える松田龍平。こんな遊び心のあるシーンにはつい笑ってしまう。しかし、同じ相棒ものでは「探偵はBARにいる」の大泉、松田のコンビの方が数段よかった。思うに、松田龍平のキャラクターはこんな相棒ものにぴったりはまる。

監督:大森立嗣
出演:瑛太、松田龍平、片岡礼子、鈴木杏、麿赤兒、大森南朋、本上まなみ、岸部一徳


2011年日本映画   上映時間:123分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

ウィンターズ・ボーン
 アメリカのミズーリ州オザーク山地に住むリーは17歳の少女だ。母は精神を病み、ほとんど口もきけない状態で12歳の弟と6歳の妹の面倒はリーが一人でみている。一家の住む一帯はヒルビリーと呼ばれる人々でアイルランド人の末裔で同族意識が強いが、貧困地帯なので覚醒剤の密造をやる人間が多くいる。リーの父も、密造をやっていた。彼は覚醒剤の密造容疑で逮捕され、保釈されたが、間近に裁判が開かれるが、行方をくらましている。そこで警察からは、裁判に出頭しなければ保釈金の担保として設定されている自宅と所有する森が没収されるというのだ。リーは父親の行方を捜し始める。廻りは、ほとんどが親戚だがだれもリーの父親の行方を知らないという。いろいろ手を尽くすが、伯父のティアドロップだけはつっけんどんだがリーの手助けをしてくれる。そして、裁判の日父は裁判には出なかったため、1週間後には家を明け渡すよう管財人に言われたリー。さらに、父を執拗に捜すリーに対して、地区のボスが家族を使ってリーに私刑をくだす。それでもひるまないリーに、ある晩秘密の場所に連れて行かれる。そこには、リーの父親の白骨死体があった。その両手の骨を持ち帰り、保安官に提出して、差し押さえを免れることはできた。しかし、極貧の生活はかわらない。
 サンダンス映画祭グランプリをとった、前回の「フローズン・リバー」に続く女性監督の作品だという。貧しい生活を寒々しい冬の季節を舞台にしているという点も共通しているように思えた。ただこの作品の主人公は17歳の少女で、向こう気は強いが、それでも若くして大人の世界と対抗しながら幼い兄弟の面倒をみなくてはならないのだ。しかも、ほとんどが遠縁といった閉鎖的な世界。さらに貧困ときている。主人公の少女は幼い弟に隣家で解体する鹿を物欲しそうにながめて、おねだりしたらと言われるが、卑しいことは言うなと諭す。そこは農業をするような土地もない山間部で牧畜にもそれほど適していないなか、てっとり早く稼ぐためには麻薬に手を染めるという構造のようだ。保安官も大麻で止めておけば、これほどの追及はなかったという。それでも一線を越え、風邪薬を原料に覚醒剤をつくというところに踏み込んでしまったらしい。そうなると、罰則も長期化する。そうしたあたり、現在99%の大衆の反乱が起きているアメリカで、底辺のなかにあるむごたらしい現実を垣間見せてくれる。ジェニファー・ローレンス の演技ももちろん素晴らしいが、アメリカのある意味負の現実に向き合う意味でも秀作といえよう。


監督:デブラ・グラニック
出演:ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス、シェリル・リー 、デイル・ディッキー

2010年米映画    上映時間:100分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

ミッション: 8ミニッツ
 アフガンに派遣されていた米空軍のパイロットスティーヴンス大尉は、いきなりアメリカ本土の朝の通勤列車に乗っていた。連れの女性クリスティーナからショーンと呼ばれ、びっくりする。そこで、トイレに入り鏡を見ると自分とは違う顔が写っている。あわてて、財布の身分証をみるとショーンの写真が貼ってあり教員だとわかる。そして駅で停車し次は終点のシカゴだということがわかるが、シカゴに到着する直前に列車は大爆発を起こすのだった。目を覚ましたスティーヴンスは何かのカプセルに身体を固定されている。モニターからグッドウィン大尉という女性が話しかけてくる。彼女はこの空間を「包囲された城」と呼びスティーヴンスに列車爆発について質問する。状況がよくわからないスティーヴンスは逆にグッドウィンに何が起きているかを質問する。すると今日の朝7時48分にシカゴ行き列車が爆発したことは事実で、この後もシカゴを爆破すると予告しており、これを阻止するためにも犯人を特定しなければならないというのだ。そして、何度も列車にショーンとして戻るのだった。これはソースコード”というラトレッジ博士が開発中の極秘実験によるミッションだというのだ。量子力学によると、脳は死の直前の8分間の記憶が死んだ後も残っていて、その記憶にソースコードとして入り込むことにより、最後の8分間に入りこめるということらしい。しかし、列車に乗っていた人々は全て死んでしまうのだが、スティーヴンス自身も軍の発表ではすでに2ヶ月前に戦死しているという。そうしたこともわかってくるが、スティーヴンスはひたすら8分間の世界に入り込んでいき、遂に爆弾犯を突きとめグッドウィンに報告する。すると、現実世界ではすぐに爆弾犯を指名手配し、逮捕することができた。しかし、スティーヴンスはグッドウィンに最後にもう一度列車にもどして欲しいと言うのだった。 前作「月に囚われた男」もなかなか印象深い作品だったが、ダンカン・ジョーンズ監督の2作目の本作もなかなかおもしろい。8分間に入り込む度に何が起こるかをあらかじめ知っている存在がいることにより、ちょっとした対応の違いによっt、そのリアクションもどんどん変わっていく。最初はどうせ皆死んでしまうのだから、多少の変化は想定内だと思っていた。それでも、案外と簡単に犯人にたどり着くことができたと思った。ラストは、時折りスティーヴンスの見た記憶の断片に出てきたシカゴ駅のモニュメントが重要な地点となる。それと、8分間で起きたことは現実を変えないといわれていたが、携帯メールから、パラレルワールドへとねじれてしまったのか。それでも、ハッピーエンドということで目出度しめでたしというところか。

監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン、ヴェラ・ファーミガ、ジェフリー・ライト

2011年米映画  上映時間:93分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

海洋天堂 (OceanHeaven
 中国の青島の水族館に勤める王は47歳で21歳になる自閉症で知的障害のある息子の大福と二人で暮らしている。冒頭、一艘の小舟から二人は海に身を投げる。しかし、大福はとても泳ぎが得意で、王父子の無理心中は未遂に終わる。近所の雑貨屋のチャイという女性は一人で店を切り盛りしていて、王父子に親切にしてくれる。彼女は王に気があるようだが、障がいのある子があり、しかも末期の肝臓癌を患ったことで、王の方は、気持ちを抑えている。大福は平日、父の勤務する水族館に行き、暇をみては水槽で気持ちよく泳ぐのだった。それでも、死期の近づくの自覚した王は、大福の行く末を心配し、できる限り伝えたいことを真剣に教える。ようやくのことで、民間の施設を見つけ、単身でそこに入ることになった大福。しかし彼は、これまで父と二人で暮らしてきたので、たとえ多くの人がいようとも不安にかられ落ち着かない。結局、王が大福と同居することになる。それでも、水族館にやって来たサーカス団のピエロをしているリンリンという少女と仲良くなった大福だが、彼女たちはすぐに他の街へ移動していった。そこで、別れを経験するが、ついに父とも別離の日がやって来る、王は水族館のウミガメを大福と一緒に見ながら、「俺はウミガメになり大福といつまでも一緒に泳いで、お前を見守っている」と言い残すのだった。
 アクションスターのジェット・リーが中年のお父さん役を見事にこなしている。大福役のウェン・ジャンも自閉症の特徴的な手の動きや視線を合わせないといった演技が自然だった。母親は小さい頃の思い出としてしか出てこない。しかし、息子の障がいをしって、自死したらしい。父と子と、母の事情も重ね合わせ、親なき後の障がいを持つ子の行く末というテーマは、何としても身に沁みてしまう。それでも、これまでの韓国映画の「マラソン」などで描かれたように障がいのある親と子という設定はほとんどが母子の関係だった。しかし、今回は父子の関係でうまく描いている。中国での、障がいをもった人々が、どのように処遇されているのかよくわからいが、かつて北朝鮮では「我が国は障がい者はいない」と言い張ったり、旧東ドイツで障がいのある子どもたちを牢獄のような施設に収容していたことを思えば、随分と変わっていると思った。


監督:シュエ・シャオルー
出演:ジェット・リー、ウェン・ジャン、グイ・ルンメイ、グイ・ルンメイ

2010年中国映画  上映時間:98分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

skdfg

Author:skdfg
FC2ブログへようこそ!

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSフィード
ブログ内検索
Amazon

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カレンダー
10 | 2011/11 | 12
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。