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k-19 The Widowmaker
 1960年代初頭米ソ冷戦はキューバ危機をはじめかなり緊迫した状況であった。そのため、宇宙への有人飛行では、ソ連のガガーリンが最初に成功した。一方の核戦略ではミサイル攻撃を双方が準備し、ソ連でも原子力潜水艦にミサイルを配備し米への攻撃に備えていた。こうしたなか、k-19と呼ばれる原子力潜水艦が1961年正式に航行することになった。当初ミハイル・ポレーニンが艦長として航行準備を進めていたが、就航前におこなった訓練の結果は思わしくなかった。そのため、ソ連海軍の上層部は急遽艦長をアレクセイ・ボストリコフ大佐に交代させ、ポレーニンを副長とした。ボストリコフ艦長が就任し艦を視察し、原子炉担当士官が酔っていたので、交代を命じた。しかし、ポレーニンは原子炉に関しては一番精通した士官なので交代は見合わせて欲しいと頼むが却下されてしまった。さらに、出航直前に船医も事故で亡くなり交代してしまう。乗り組み員の間では、そもそもこの艦の製造過程でも10人もの事故死があったことに不安を覚えていた。原子炉担当士官のラドチェンコは訓練を終えたばかりの若者だった。何とか出航したK-19 は毎日あらゆる場面を想定しての訓練が開始され、当初目標にしていた北極海からのミサイル発射実験に成功した。喜び合うクルーたち。モスクワもこの報告に満足していた。そこで、さらに米本土に近づこうとしていた。ところが、艦の原子炉に異常が見つかった。原子炉の中の温度が異常に上がっていた。これは原子炉冷却材システムのトラブルで、冷却水漏れ事故だった。そのまま放置すれば炉心溶融にまで陥いり、核ミサイルをもっている艦が爆発し、ソ連によるアメリカへの攻撃と見なされ、大量の報復措置が発動されることになる。しかしK-19の通信機器も故障しており、モスクワとの交信もままならなかった。そこで、原子炉担当者による応急処置をおこなうことになった。しかし、原子炉内部は高濃度の放射線が出ており、そこでの作業は10分が限度とされた。しかも、防護服の準備もなく単なるレインコート程の装備しかなかった。それでも、最初に二人が修理に向かった。水の漏れている部分の溶接をおこなうが、内部の放射線量は4500ミリシーベルトという高いものだった。そのため、出てきた二人は、意識は朦朧とし嘔吐を繰り返していた。それでも、次の二人が行くことになっていたが、ラドチェンコは怖じ気づき中に入れなかった。そこで、替わりにベテランのチーフが中に入っていった。そこで、何とか冷却水が注入されることになった。やっと、一段落し、浮上すると遠くに米の駆逐艦が航行し上空にはヘリコプターが旋回していた。そして、米艦から救助の要請があれば応じるというものだった。しかし、ボストリコフ艦長は応じようとしない。動揺するクルーの一部は米への救助を求めた方がいいのではという者もいた。そこに再び、炉心の温度が上昇した。もう一度修理しなくてはならないくなり、ラドチェンコが単身中に入り修理をはじめた。そして、そのことに気づいたボストリコフ艦長は原子炉から出てきたラドチェンコを救出した。長時間の作業のため、出てきたラドチェンコは目が見えなくなっていた。そこにソ連の潜水艦が救助に現れたのだった。
 東北関東大震災によってもたらされた福島第一原発事故で起きている状況は複数あるものの、基本的には冷却がポイントになっている。映画で描かれたのも事実に基づいているのだが、冷却がポイントになっている。ただ、原潜では軍隊ということで任務ということで、犠牲を前提に作業がおこなわれた。しかし、現在の福島での状況を見るにつけ、一番危険な箇所での作業は東電の社員ではなく、協力会社といわれる「下請け」の会社の人間におこなせているのが現状だ。それでは、これまで「安心・安全」を標榜しクリーンエネルギーとまでいって原発を稼働させていた東電の責任はどこで果たすのだろうか。何とか収束をして欲しいと思っているのだが、今のところ先は見えない。「念のため」だとか「直ちに」といった逆に不安を煽るような言葉を使わず、きちんとした情報開示こそが求められている。そういう意味でこの映画は、リーダーシップも含め現状をみる上で参考になると思った。ちなみに、この映画の監督は元ジェームス・キャメロン監督の妻で、昨年「ハート・ロッカー」でアカデミー監督賞をとったキャスリン・アン・ビグローだ。


監督:キャスリン・ビグロー
出演:ハリソン・フォード、リーアム・ニーソン、ピーター・サースガード、クリスチャン・カマルゴ
2002年米英独加映画  上映時間:138分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

エクリプス/トワイライト・サーガ
 シリーズ第3弾のエクリプス(トワイライト・サーガ)だが、今回はエドワードに恋人を殺されたバンパイアのヴィクトリアによって新生バンパイア軍団“ニューボーン”が作られる。それというのも、人間からバンパイアになって数ヶ月間が最強のバンパイアになるというのだ。そうして着々とバンパイアが増産されていた。一方、ベラは、エドワードによってバンパイアの仲間入りをしたいと思っているが、エドワードは自分との結婚が先だと主張するエドワード。もうすぐ、高校の卒業を控えてベラは連絡がとれないジェイコブと会って話したいと思っていた。すると、ヴィクトリアがフォークスの森に出現し、カレン家のエメットが追跡し、オオカミ族の境界を破ってしまう。そこで、ベラがオオカミ族の土地に行きジェイコブと話のだった。彼はベラに自らの想いを告白する。そして、強引にキスをする。卒業式の日カレンの家で開かれたパーティでアリスがベラを狙った“ニューボーン”の出現を予知する。強力な敵の存在にベラを守るためにとバンパイアとオオカミ族が共闘して“ニューボーン”と闘うため共に訓練を開始した。
 バンパイアにもいろいろの種族がいるという設定になっている。カレン一族は草食バンパイアだそうだ。ただ今回はベラを巡ってエドワードとジェイコブの三角関係を中心に描かれている。でもバンパイアということでは「ぼくのエリ」を観てしまうと、何だか物足りない感じがした。やはりバンパイアといえば、日光に当たれば死んでしまうという設定はどうなっているのかという疑問が頭をよぎってしまった。


監督:デイヴィッド・スレイド
出演:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、ブライス・ダラス・ハワード
2010年米映画   上映時間:125分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

シングルマン
 1962年LAで英文学の大学教授をしているジョージは、16年間共に暮らしたジムを交通事故で亡くし、失意のなかにあった。11月30日というもう、クリスマスを間近に控えた金曜日、憂鬱のなか自死を決意し身辺整理をおこなった。大学に行く途中でも、隣家の普段は疎遠な少女の表情にもふと安らぎを感じた。大学では、学生のケニーがジョージの住所を聞きに来たという。そして、授業では白熱した議論が展開され、その後ケニーと立話をした。その後、銀行に行き、さらに銃砲店で弾丸を購入した。帰宅したジョージは遺書や保険証書などをきちんと並べた。そして、拳銃をとりだしたジョージだった。すると電話が鳴った。実はこの日、夕食は近く住むチャーリーととる約束があったのだ。チャーリーはかつて、ジョージの恋人だったが、彼がゲイであることで、別れたのだった。しかし、チャーリーもその後結婚して子どもができたのだが、9年間の結婚生活で離婚して現在は一人暮らしをしていた。ふたりは、ディナーを共にした後語り合う。しかし、ジョージはチャーリーの家を後にする。そして、ふと思い立ってかつてジムと知り合ったバーに行きスコッチを買って帰ろうとした時、ケニーが店に入ってきた。ケニーとグラスを傾けたジョージだった。
 かつて、グッチのデザイナーだったトム・フォードの初監督作品。もの哀しい旋律のサントラを背景に喪失感からの絶望のなか、死を決意して違った周囲の状況を淡々と描いている。先の「英国王のスピーチ」でも素晴らしい演技を見せたコリン・ファースはこの作品では、絶望と日常でのわずかな希望を交錯させながら揺れ動く思を繊細に表現していた。ある意味、「英国王のスピーチ」よりもよかったのではないかと思った。特に、愛する人を失った喪失感から寂莫とした思いにいたるのは、現在の東北関東大震災の被災者で肉親を失った人々にも見受けられる。そうしたなか、ジュリアン・ムーアも「マグノリア」で見せた存在感を彷彿させた。とても印象に残る作品。


監督:トム・フォード
出演:コリン・ファース 、ジュリアン・ムーア、ニコラス・ホルト、テディ・シアーズ
2009年米映画  上映時間:101分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

ツーリスト
 高額な税金を滞納したアレクサンダー・ピアースという男を追う英国ロンドン警視庁は、フランスの警察もピアースを追っているため連携してパリでピアースの恋人エリーズを密着して追っていた。すると、朝の日課になっていたカフェで朝食をとるエリーズのもとに宅配人が手紙を届けた。それはAPのイニシアル入りのピアースからのものだった。そこには、パリ発ベネチア行きの列車に乗り、自分と骨格の似た男性と同行するように書いてあった。すぐに手紙を焼いたエリーズは、行動に移った。ちょうど、通勤時間帯を利用して尾行をまいたエリーズだったが英国のアチソン警部の指示で焼けた紙をスキャンして手紙を解読し、ベネチア行きの列車に部下を乗せ、尾行を再開した。エリーズが声をかけたのは、フランクというアメリカからの観光客だった。かれは高校の教師だという。ベネチアに着くと、エリーズはピアースの準備していた高級ホテルのスイートルームにフランクとともに滞在する。英、伊警察はフランクが整形したピアーズではないかと疑っていた。一方、英警察のある男が英国マフィアのボスにこのことを内通した。実は、ピアーズはこのボスのショーの金23億ドルを盗んでいたのだった。そこで、ショーは自家用ジェットで配下を引き連れベネチアに向かった。エリーズのために、ホテルにはドレスなどが準備されていた。夕食の後、エリーズは窓際でフランクとキスをし、それを写真に撮られてしまう。すると、翌日ショーの配下に急襲され、何とか逃げてイタリア警察に保護されたフランク。こうして、マフィアと警察に追われることになったフランク。ただのツーリストが、危険な状況に巻き込まれてしまう。
 ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの共演で、ベネチアの観光映画。しかし、冒頭はけっこうな出だしだったが、最後まで見てしまうと何だか安易な結末と思わざるを得ない。もともと2005年の仏映画「アントニー・ジマー」をリメイクしたものだが、もうひとひねりあって、最後にどんでん返しがあってもよかった。そういう意味では、ほんの少しの意外性をもったジョニー&アンジーの顔見せ映画の域をでないのでは思った。


監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナー
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン2011年米・仏映画   上映時間:103分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

ショパン 愛と哀しみの旋律
 今年はショパン生誕200年という。冒頭ポーランドでの生活が描かれている。当時のポーランドを支配していたのは、コンスタンチン大公でショパンも深夜呼び出され、ピアノの演奏を強要されていた。この、コンスタンチン大公の暴君ぶりに軍内部から暗殺計画が発覚し、シベリアに流刑になる。こうした、ロシアとの関係からこのままポーランドにいては、ショパンの才能が埋もれてしまうことを危惧した父親がショパンを自らの故郷でもあるフランスのパリに行けと言うのだった。そして、単身パリに来たショパンだが、その頃パリはコレラが蔓延して多くの人が亡くなっていた。一方、パリではショパンの楽譜を出版しようと持ち込むが、もっと簡単な曲じゃなければだめだと言われる。失意のなか、アメリカに行こうと考えていた頃、サインウィットゲンスタイン公爵夫人主催のパリ社交界での演奏会に出席した。そこで、リストがショパンのエチュードを見事に演奏し、その後ショパン自身も自らの曲を披露し一夜にして注目を集めることなった。その後、リストの紹介で女流作家ジョルジュ・サンドを紹介された。ジョルジュからは熱烈な愛の誘いがあった。しかし、ショパンは故郷ポーランドのマリアという伯爵令嬢に求婚していた。だが、ショパンが病弱だということで、求婚は実らなかった。すると、肺炎で寝込んでいたショパンをジョルジュが看病し、二人は結ばれる。サンドは当時、夫と離婚しノアンにある家屋敷や土地を分与され二人の子どもを育てていた。ショパンの病気静養もかねて、サンド一家とともにショパンはマジョルカ島への旅に出た。温暖であるはずのマジョルカ島だったが、めったに雨が降らない所のはずが大雨に見舞われ、ショパンは体調を崩し、医師は肺結核だと診断する。そして、母とショパンの関係に露骨に嫌悪する息子モーリス。やがて、半年あまりの滞在からフランスに帰国。ノアンのサンドの家で作曲を続けるショパン。数年後、成長したサンドの娘ソランジュは、ショパンに積極的な愛の告白をする。そうしたこともあって、モーリスはますますショパンへの憎しみを増していった。それは、自分が絵を描くようになり、自らの凡庸な才能に絶望するのと比例していた。そこでとうとう8年余のサンドとの生活にピリオドうつことになった。しかし、ショパンの体力はもうあまり余力がなくなっていた。故郷にいる姉に看病して欲しいと依頼し、とうとう39歳の生涯を閉じるのだった。
 ピアノといえばショパンがすぐに連想される程の天才なのだが、こうした生き様を見るにつけ、やはりあのような曲は、こんな感性の持ち主から紡ぎ出されるのだと思った。一方のジョルジュ・サンドだが、かつてマルクスの「哲学の貧困」にサンドの「戦いか然らずんば死。血みどろの闘争か然らずんば無。かくの如くに、問題は厳として課せられている。」という文が引用されているのを読み、随分かっこいい女性だという印象を持っていた。彼女は、映画「年下のひと」に描かれているようにショパンと出会う前、若き詩人ミュッセとの恋におちている。本作では、ショパンとサンドの年齢差を15歳と言わせているが、実際は6歳年下で、ミュッセもショパンと同年齢だそうだ。ショパンと別れた頃から政治的にはマルクスやバクーニンとも親交があったという。ただ、いくら恋多き女と呼ばれていても、思春期の子どもがいて、愛の生活といっても相手がショパンという繊細で病弱な天才ということでは、親子の関係恋人との関係はうまく行くはずもないのは、承知の上だったんだろう。それは、そうと本来はフランス語で語られるべき台詞がなぜか英語だというのはなぜなのだろうか。ハリウッドで作られた「ワルキューレ」でも違和感があると言った覚えがあるが、今回はポーランドの役者なのだから余計に首をかしげてしまった。


監督:イェジ・アントチャク
出演:ピョートル・アダムチク、ダヌタ・ステンカ、ボジェナ・スタフラ、アダム・ヴォロノヴィチ
2002年ポーランド映画  上映時間:126分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

ぼくのエリ
 ストックホルムの郊外で母親と二人で暮らす12歳のアーサーは、学校ではクラスメートのヨンニにいじめられている。その悔しさから、一人でアパートの中庭でナイフを持ち、ヨンニに見立てた木を「ブタ」と罵り刺していた。すると、背後に一人の少女が立っていた。彼女は「私はあなたとは友だちにはならない」という。そんな彼女を気にするアーサーは翌日も中庭に行った。そこで、また彼女に会い、名前を聞いた。すると、彼女はエリと名乗り、年齢はだいたい12歳と言う。そして、アーサーがいじめられていることを知り、「仕返しをすれば、いじめられなくなる」とアドバイス。さっそく、オスカーは放課後筋トレのクラブ入るのだった。さらに、アパートの隣室に住むエリとコミュニケーションの手段としてモールス信号を二人で覚えるのだった。エリははた目には親子とみられる中年の男ホーカンと暮らしていた。彼は夜な夜な催眠ガスの入ったボンベと空のポリタンクを背負って外出していた。それは、エリがヴァンパイアで、彼女のための血を求めて連続殺人をおこなっていた。しかし、このところ、立て続けで失敗していた。それで、血に飢えたエリがある男性に噛みついてしまった。それは、オスカーたちのアパートの引きこもりの中年男性に目撃されていた。ホーカンは残された死体を郊外の湖に捨てに行く。そして、ますます、親密さを増すエリとアーサーに当てつけるように、若い学生を狙って血を採取しようとするが、仲間に騒がれ捕まってしまったホーカンは顔に硫酸をかけてしまう。一人取り残されたエリは、アーサーの部屋に入ろうとするのだが、「入っていい」と言われないままに入ると、全身から血を吹き出してしまうのだ。そんなこともあって、エリがヴァンパイアであることを認知する。そして、とうとうヨンニに湖でのスケートの授業中、割れた湖面に落とされそうになり初めて反撃に出て、ヨンニの耳から出血する程殴りつけたのだった。ちょうどその頃湖面からエリが噛みついた死体が発見された。さらに、被害者の友人たちもエリを探しはじめ、もうこの町にはいられないと出て行く決意をしたエリ。すると、ヨンニの兄がオスカーに仕返しをしようと、オスカーをプール襲うのだった。 白い雪に赤い鮮血、少女と見紛う程の金髪で白い肌のオスカー、黒い髪と瞳でボーイシュなエリ。この好対照が非常に目立った作品。ただ、映画の中でエリが言っているように、女性でも男性でもないという性を超越した存在なのだと思う。それと、ハリウッド版のリメイクのタイトルが「Let Me In」というように、ヴァンパイアは招かれない限り、その家には入れないという由来を踏まえている。ただ、二人の未来は、ホーカンの姿を見てしまっているなかで、暗澹たる思いはよぎるものの、そうするしかないのかと思った。


監督:トーマス・アルフレッドソン
出演:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナル、パレ・オロフソン2008年スウェーデン映画   上映時間:115分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

英国王のスピーチ
 第2次世界大戦の直前、イギリス王はジョージ5世だった。彼には二人の王子がいた。弟のヨーク公アルバートは幼い頃からの吃音に悩まされていた。時代は、ラジオやニュース映画の普及する頃になっていた。当時、英本国のみならずオーストラリアをはじめとしたニュージーランド、カナダ等の英連邦でその頂点に英国王がいた。そうしたなかで、アルバートも演説する機会があった。しかし、彼はその度に吃音がひどく、聴衆をがっかりさせていた。そこで、アルバートの妃エリザベスはあちこち、専門家を探し治療に同行した。しかし、どこもうまくいかなかった。そんな折り、たまたま見かけた新聞広告にあったスピーチ矯正指導をするライオネル・ローグ のもとへやって来た。彼は相手がヨーク公と知っても動じず、王室だけで許されるバーティという愛称で呼び、奇妙な訓練をはじめた。そして、ヘッドホンで音楽を流し、「ハムレット」の一説を朗読させ、録音した。しかし、その風変わりな指導に腹を立て席を立ってしまう。ところが、兄の王太子デイヴィッド王子が離婚歴のあるアメリカ人女性シンプソン夫人との交際が話題になっていた。英国教会の長でもある英国王は離婚歴のある女性とは結婚することは許されない。そうしたこともあり、アルバートは録音された自らの朗読が流ちょうだったことに驚き再びライオネルのもとへ通い、様々なトレーニングをおこなう。それでも、なかなか彼の吃音は改善されない。そんな折り、ジョージ5世が亡くなり、すぐにデイヴィッド王子が「エドワード8世」として即位する。しかし、国王となっても、シンプソン夫人と付き合うエドワード8世だった。思いあまって忠告するアルバートだが兄に「バ、バ、バ バーディ」とからかわれてしまう。ある夜、ライオネルの家を訪ねてきたアルバートは、幼児の頃兄をひいきする乳母から虐待されていた事や、左利きを無理やり矯正させられたり、X脚も金属の補助具を付けて矯正させられたりした過去があった事を語った。そして、厳格な父王と奔放な兄へのコンプレックスが吃音の原因ということがわかった。ところで、兄エドワード8世は、どうしてもシンプソン夫人との結婚を望み、ついに退位することになる。そこで、アルバートがまったく望んでもいないジョージ6世として王位につくことになる。ウィンスト・ミンスター寺院での戴冠式にむけたスピーチの練習をライオネルとともにおこなうが、カンタベリー大司教らがライオネルは何の資格も学位も持っていないことを理由に彼を排斥しようとする。しかし、アルバートは決然とこれを受け入れず、無事二人三脚で戴冠式を成功させた。そして、ナチスドイツとの開戦に向け世界中の英連邦の人々にその決意をラジオで演説する事になる。
 現在の英国エリザベス女王の父がこのジョージ6世である。この第2次大戦中エリザベスも陸軍士官として参戦していたことが映画「クイーン」で紹介されていた。さすがに、コリン・ファース は吃音のアルバートを見事に演じていた。ジェフリー・ラッシュもくせのある役を演じきっていた。さらに、これまでは悪女役の多かったヘレナ・ボナム=カーターも献身的なエリザベス妃を好演していた。ただ、気になったのは英国教会は現在のチャールズ王太子が離婚歴のあるカミラ女史と再婚しているが、彼女はコーンウォール公妃と呼ばれ決して王太子妃とは呼ばれない。そこでエリザベス女王の後はウィリアムが継ぎジョージ7世を名乗るという話すらある。そんなこともあって、なかなか面白い作品だった。英王室の王子夫妻にも動じず、対等な立場で接していったライオネル・ローグの姿が印象的だった。この話はライオネルの手記があり、もっと前に映画化の話があったが、ジョージ6世のエリザベス妃が生存中はだめだということで、今世紀に入ってからようやく日の目をみたというもの。


監督:トム・フーパー
出演:コリン・ファース、ヘレナ・ボナム=カーター、ジェフリー・ラッシュ、ガイ・ピアース、マイケル・ガンボン
2010年英豪映画  上映時間:118分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

終着駅 トルストイ最後の旅
 1910年ロシアの文豪トルストイは自らの博愛主義を運動として広めようとしていた。その中心はチェルコトフで、モスクワで事務局を担っていた。そのコミューンをトルストイの住むヤースナヤ・ポリャーナの近くで実験していた。そんな折り、トルストイに心酔したワレンチンが秘書として雇われた。彼は、チェルコトフにトルストイの妻ソフィヤの動向を監視するように命じられていた。それというのも、トルストイが伯爵として広大な屋敷に住み多くの使用人に傅かれ贅沢な生活を続けていることに罪悪感をもっており、自らの著作権を放棄すること希望していた。しかし、ソフィヤは子どもたちのこともあり、著作権放棄には反対していた。ただ、トルストイ自身はそんなソフィアには辟易していたが、やはり愛していた。そんな二人の間に入ったワレンチンだったがけっこう二人には気に入られていた。ワレンチンはコミューンにいたマーシャという女性に恋をしてしまう。彼女は当初はトルストイの思想に共感して来たのだが、チェルコトフらがトルストイを偶像化してしまい、トルストイ自身も首をかしげる程の規則が存在していた。そこでは、恋愛は御法度であったが、二人は愛し合ってしまった。一方、トルストイ夫妻も決定的な場面を迎え、ついにトルストイが家を出るのだった。それには、娘や主治医が同行したが、82歳という高齢もあってトルストイは高熱を出しアスターポヴォという小さな駅に降りた。そこで、療養するのだが、回復は難しく、ソフィヤが特別列車を仕立ててやってくる。
 日本でも、戦前華族でもあった有島武郎が自らの農地を解放したり、武者小路実篤の「新しき村」の実践にも影響を与えたのがトルストイの運動だった。一方、トルストイの思想ということだがチェルコトフらによって、一人歩きしていくあたりはレーニンの後,スターリンがレーニンを巧みに利用しながら、レーニン自身が忌み嫌った偶像化を通して逆にスターリンの偶像化と独裁への過程を思い起こしてしまった。それはさておき、トルストイ夫妻の愛とトルストイの思想と著作に魅入られた若者の愛を対比させて、愛について描いた作品だと思う。ヘレン・ミレンは「RED」とは違い、本来の演技派として、また、クリストファー・プラマーも「サウンド・オブ・ミュージック」から数えても数十年のキャリアを遺憾なく発揮していた。


監督:マイケル・ホフマン
出演:ヘレン・ミレン、クリストファー・プラマー、ジェームズ・マカヴォイ、ポール・ジアマッティ 、アンヌ=マリー・ダフ
2009年独・露映画   上映時間:112分

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