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バーダ-・マインホフ 理想の果てに
 1967年西ドイツを訪問したイランのパーレビ国王夫妻に対する抗議デモがおこなわれた際、警察によって一人の若者が射殺されてしまった。当時、アメリカによるベトナム戦争に反対する学生を中心にした反戦運動が世界的に巻き起こっていた。それは、アメリカも含め、フランスやドイツ、日本など主要な資本主義諸国で顕著だった。西ドイツでは、この事件後一段と反米、反戦の運動が高揚した。そんななか、ウルリケ・マインホフ はすでにマスコミで活躍中の左派系ジャーナリストで、二人の娘の母親でもあった。彼女は学生を中心にした反政府運動の取材を精力的におこなっていた。こうした反政府運動の中心がアンドレアス・バーダー で、集会やデモでは解決しないという思いから、過激な革命闘争を組織していった。そんな時、バーダーが些細なことで逮捕された。残された組織は、マインホフに協力をしてもらいインタビューをするということで訪れた施設に押し入り、バーダーを奪還する。その際、一緒に逃亡したマインホフは彼らと行動を共にすることなった。そして、極左地下組織「バーダー・マインホフ・グルッペ」が結成された。1970年には、日本赤軍の影響でドイツ赤軍(RAF)と改称し、レバノンのPFLP訓練施設で戦闘訓練を受けた。しかし、男女別の宿舎や砂漠での軍事訓練に不満だったバーダーらは、マインホフの恋人を除いて早々にドイツに帰国した。その後、彼らはデパートの放火をはじめ銀行強盗、爆破事件を次々に起こした。しかし、こうした活動によって次々とメンバーは逮捕され、バーダーもマインホフも逮捕された。彼らは一ヶ所の刑務所に収監され、彼らだけの話し合う場所も確保され、比較的自由な環境で投獄されていた。獄中組からのアッピールに応えようと残されたRAFのメンバーたちは、より過激な運動を展開するようになった。そうしたなかで、マインホフは1976年に刑務所内で自殺するが、それは権力によって殺されたという噂もあり、RAFのメンバーはギュンター・フォン・ドレンクマン西ベルリン高等裁判所長官、ジークフリート・ブーバック西ドイツ連邦検事総長、ユルゲン・ポント ドレスデン銀行会長などを次々に暗殺し、報復とした。そして、翌1977年には、ドイツ経営者連盟会長ハンス=マルティン・シュライヤーを誘拐し、獄中のバーダーたちを釈放せよとせまった。さらに、この時期ルフトハンザ航空181便を連携していた中東のパレスチナ人ゲリラ4名がハイジャックした。彼らの要求もRAFのバーダーたちの釈放だった。しかし、このハイジャックは、結局当初の思惑を外れ、西ドイツ対テロ特殊部隊GSG-9によって掃討され、パイロットは射殺されたものの人質の乗客、乗員は救助された。結局、この事件によって獄中のバーダーたちはもはやこれまでと思ったのか、自殺してしまった。一部には獄中で虐殺されたという説もあるのだが、ともあれこれによって誘拐されていたシュライヤーもフランスで射殺されて発見された。
 ドイツ赤軍と日本の赤軍および連合赤軍を比較すると、日本での銃撃銭は「あさま山荘」で一方てきに連赤のメンバーからのものだったが、ドイツの場合あれだけの武器をどのように調達したのかはわからないが、けっこう本格的な銃撃銭が展開され双方に犠牲者がでている。組織的には、上下の規律を変に突き詰め連赤の「総括」というリンチ殺人にまで至っていた過程は、ドイツ赤軍との差が歴然としていている。そうはいっても、両方ともに大衆的に支持を得られぬまま自壊していった過程だけは共通していると思った。それでも、バーターがスピード違反で逮捕されるというのも、日本的には革命的警戒心不足と責められるところだが、そんな点も含めあの時代をきちんとふるかえるという意味で、観ておく作品だと思う。ちなみに「ハイジャック181」や「連合赤軍あさま山荘への道程」もあわせて観ておきたい。


監督:ウーリ・エーデル
出演:マルティナ・ゲデック、モーリッツ・ブライブトロイ、ヨハンナ・ヴォカレク、ナディヤ・ウール
2008年独、仏、チェコ映画  上映時間:150分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

月に囚われた男
世界企業ルナ社は地球上のエネルギーとしてヘリウム3を供給していた。その採掘場所は月の裏側だった。そこに、ルナ社の宇宙飛行士サム・ベルがたった一人で派遣されていた。かれの一日はルナローバーという月面走行車で採掘現場に行き、採掘されたヘリウムを含む岩石からヘリウム3を抽出、精製してポッドに入れ地球に向けてロケットで送り出すことだった。彼の契約期間は3年で後2週間すれば、地球で妻と娘と再会できることになっていた。彼の月面での活動を補佐するのは、人工知能を搭載したロボットのガ-ティだけだった。しかし、サムは最近、孤独な生活のせいか、幻聴や幻影に悩まされていた。そんな時には、地球から送られてきた妻のテスからのビデオレターを見るのだった。しかし、通信機器の故障で地球とのリアルタイムの交信はできないのだ。そんな彼の散漫な注意力しかないため、ある日サムは採掘現場で事故を起こし、怪我をして意識を失ってしまった。ある日目を覚ましたサムは、診療室のベッドから起き上がった。妙な違和感を覚えたサムはルナローバーで外に出ると、採掘現場に止まったままのルナローバーを発見した。中を覗くと人が倒れていた。急いで救出して基地に戻った。ガ-ティに治療をさせると、気がついたのは、サムと同じ顔、同じ体型のうり二つのもう一人のサムだった。そして、交信不能のはずの地球とガ-ティが話している声も偶然聞いてしまった。いったい、これはどういうことなのか、そしてあることに気がつくのだった。
 宇宙でたった一人の人間が、人工知能と会話するというシチュエーションといえば、「2001年宇宙の旅」を想起するに違いない。ただ、この作品のガ-ティは小さな画面には、スマイルマークが様々な会話の状況を泣いたりしかめ面で表現している。本来遭遇してはならない二人のサムが出会ったことで、次第に謎が解き明かされ、悪辣なルナ社の陰謀が明るみに出る。なかなか面白かった。監督のダンカン・ジョーンズはデヴィッド・ボウイの息子だという。


監督:ダンカン・ジョーンズ
出演:サム・ロックウェル、ドミニク・マケリゴット
2009年英映画   上映時間:97分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

バイオハザードⅣ アフターライフ
 前作から数年後、東京渋谷のスクランブル交差点の真ん中でたたずむ女性がいた。彼女は、突然歩いてきた中年男性に噛みついた。いよいよ、ウィルスに感染した女性が東京にも出現したのだった。それというのも、この東京の地下にはアンブレラ社のヘッドオフィスが建設され、ウェスカー議長率いる面々が活動していた。すると、そこに現れたのが、アリスと彼女のクローンたちだった。次々にアンブレラ社の傭兵たちをなぎ倒すアリス。すんでのところで、ウェスカーは垂直ヘリで脱出し、アンブレラ社もろとも東京に核爆弾を爆発させた。しかし、そのヘリにはアリスも乗っていた。そこでもみ合っているなかで、アリスはウェスカーに血清を注射されてしまい、サイコキネシス効果を失った。そして機は墜落。助かったアリスはウィルスに汚染されていないアルカディアと呼ばれたアラスカに向けて、小型飛行機を飛ばしていた。しかし、そこには誰も姿を見ることできなかった。すると、そこに一人の女性が襲ってきた。それは、かつてアリスがアルカディアに向けヘリに乗せた女性クレアだった。彼女の胸には謎のデバイスが装着されていて、すっかりかつての記憶をなくしていた。胸のデバイスを取り、彼女を乗せて小型機でロサンゼルスに向かったアリス。すると、少しづつ記憶を取り戻してきたクレア。ロスにはおびただしい数のアンデッドがいたが、かつての刑務所には数人の生存者を発見した。緊急着陸したアリスをアルカディアからの救助者と皆勘違いしていた。それというのも、放送でアルカディアに来るように呼びかけていたというのだ。聞けば、アルカディアはロスの沖に停泊している船だというのだ。ただ、アンデッドに侵入されそうになり、ただ一人拘置されているクリスに脱出方法を聞くことになった。釈放されたクリスはクレアの実の兄であった。彼の指示で武器を調達し、脱出に向けて動き出そうとしたところ、アンデッドたちも侵入してきた。死闘が繰り返され、つぎつぎに倒れていく生存者たち。そんななか、元映画プロデューサーだったベネットが、アリスの小型機に乗って一人だけ脱出する。何とか死闘をくぐり抜け、アルカディア号に乗船できたアリスたち。しかし、そこには驚くべき事実が待っていた。 今回3D版も制作された。例によってアクロバティックな動きでアンデッドたちをなぎ倒していくアリス。そして今回は刑務所からの脱出ということでクレアの兄として登場したウェントワース・ミラー扮するクリスは、言わずとしれた「プリズンブレイク」の主役だった。このあたり、やるねと思った。ただアクション中心の映画ということもあって、3Dで迫力が増したというぐらいかな。


監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、アリ・ラーター、ウェントワース・ミラー、ショーン・ロバーツ(
2010年米・英・独映画   上映時間:97分

テーマ : 最近観た映画
ジャンル : 映画

牛の鈴音
 韓国の山あいの村で79歳のチェ爺さんは76歳のお婆さんと二人で農業を営んでいた。そんなお爺さんの農作業の手助けする雄牛は40年も生きている。通常牛の平均寿命は15年と言われている。しかしこの牛は30年も働いている。それでも、さすがに歩くのもよろよろしながらゆっくりゆっくり荷車を引いていた。チェ爺さんは子どもの頃、針治療のミスから片方の足が不自由だった。こちらも年のせいで満身創痍だった。しかも、このお爺さん農薬は一切使わない。それは、毎日牛の餌として刈っている草に農薬がかかれば、毒の餌を牛に与えてしまうからというのがその理由だ。一方、長年連れ添ったお婆さんは、口を開ければ愚痴がでてしまう。「こんな男と一緒にならなければ、もっと楽な暮らしができたのに」と。それでもこの夫婦は9人の子どもを育て上げている。獣医はこの老牛はあと一年持たないかもしれないという。そこで、チェ爺さんは牛の市に行き、農耕用の牛を探しに行った。しかし、今時農耕用の牛なんていない。それでも一頭の牛を買ってきたのだが、それは妊娠した雌牛だった。間もなく雌の子牛が生まれた。婆さんは、私の仕事がまた増えたと愚痴る。しかし、老夫婦では子牛も入れて3頭の面倒をみられないので、子牛は売ってしまった。そんな折、韓国のお盆のような行事で老夫婦の子どもたちが集まった。さすがに、チェ爺さんには、経済的には援助するから、もう隠居した方がいいと口々にいうのだった。チェ爺さんは足の怪我や頭痛を抱えながらも、老牛と黙々と農作業をおこなっていた。でも、稲刈りはさすがに、鎌を持つ手が動かない。近所のコンバインを持っている若者がチェ爺さんの次男に頼まれたからと言って、稲刈りをやってくれた。やがて、冬徐々に雌牛に荷駄を引かせる練習をするのだが、なかなか言うことを聞かない。そうこうするうちに、ついに老牛の具合が悪くなった。チェ爺さんは、30年以上使ってきた、鼻輪を切って自由にしてやる。せめて、それが安らかな死を迎えるための心遣いだった。
 粗末な家、家電といえるものは牛の荷車にもぶら下げるトランジスタラジオぐらいだ。後は牛ぐらいしかいない。そんなただただ自分の身一つの農業を牛と婆さんと、自分のペースでやっている。かつて、日本の農村でも見ることの出来た風景だ。頑固に無農薬に徹しているチェ爺さんの姿は実に感動的だ。牛の鈴音とともに、農村の四季の風景は印象深く心に刻まれた。


監督:イ・チュンニョル
出演:チェ・ウォンギュン、イ・サムスン
2008年韓国映画  上映時間:78分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

食堂かたつむり
 とある山間の村、そこからはちょうどおっぱいが並んだような山が見える。そこで生まれた倫子は、父が誰だかわからない。だから、小学生の頃には「倫子の倫は不倫の倫」と呼ばれていた。母親のルリコはスナックを経営していて、夜はいつも一人過ごす倫子だった。奔放でわがままな母と折り合いも悪く、中学を出た後倫子は、祖母のもとで暮らすことになった。祖母は料理が上手で、いつしか倫子もいろんな料理を覚えた。祖母が亡くなって、秘伝のぬか床を大事にしながら、インド人の彼と暮らしながら店を持とうと貯金をした倫子。ところが、ある日帰宅した倫子のアパートは空っぽで、インド人にお金から家財一切持ち逃げされてしまった。そのショックから失語症になった倫子は仕方なく実家に戻った。しかし、母ルリコは豚のエルメスをペットとして相変わらずの暮らしぶりだった。母に頼み込んで、物置を改修し「食堂かたつむり」を開店することになった。この時に世話になったのが、熊さんという昔からの知り合いだった。倫子は開店第1号の客として熊さんを招待した。彼に出したのは、ざくろの入ったカレーだった。食べ終えた熊さんは、おいしさととともに幸せな気持ちになり、数年前に別れた外国人の妻と娘のことを思い出していた。すると、しばらくぶりに別れた妻から電話がかかってきた。このことがあって、一日一組だけの予約制の営業が始まり、最初に訪ねて来たのは桃という高校生だった。彼女は片思いのサトルとの食事の予約をおこなった。当日、出されたスープを飲み、すぐに打ち解けた二人は、食後には手をつなぐほどになっていた。そんな評判がたち、ある日訪れたのは、通称「お妾さん」と呼ばれる老女だった。彼女は、つき合っていた男性に先立たれ、それから以降は常に喪服を着続けていた。そんな彼女には、フルコースの料理を準備した。食べ終わった彼女は「おいしかった」とつぶやき、翌日からは派手な衣装で出かけるようになっていた。こんな奇跡をおこす倫子の料理だが、母ルリコと向き合う事態が起こる。
 画面にイラストが合成され、中島哲也監督の「嫌われ松子の一生」や「パコと魔法の絵本」に出てきたような処理がされ、メルヘンチックな雰囲気が出されている。ただこの作品は監督、原作とも女性ということで、女性目線が強調されているように思った。倫子とルリコとの隠された愛情がじんわり伝わってくる。単なる癒し系の映画ではなく、食ということの根本は人間が他の生き物の命を頂くというあたりを提起しており、現実にも目を向けさせようという意図も感じた。


監督:富永まい
出演:柴咲コウ 、余貴美子、ブラザートム、田中哲司、志田未来、江波杏子、三浦友和
2010年日本映画  上映時間:119分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

タイタンの戦い
 ギリシア神話の時代、ゼウスによって創造された人間たちは、次第に神々への畏敬の念が薄れてきた。そこで、アクシリオス王がゼウスへの反乱を企てた。しかし、アクシリオス王に変身したゼウスは王妃の寝所に潜り込み彼女と関係を持ち、天空へ戻ってしまう。怒った王は王妃を殺し、生まれたばかりの男の子ともども棺に入れ海に投入した。その際、王は雷に打たれ、大きなダメージを受け王国は没落してしまう。一方、漁師のスピローズは偶然海上で拾った棺桶の中に、生きた男の子を発見して自分の子として育てるのだった。彼こそがペルセウスでゼウスの血をひく半神だった。やがて、大きくなったペルセウスは一家で漁に出ていたところ、アクシリオス王の部下たちが、巨大なゼウス象の足を切って、海に落としてしまった。すると、そこに冥界のハデスの配下が現れ、兵士たちを殺してしまう。その巻き添えをくって、ペルセウスの一家は彼を残して皆命を落としてしまった。ゼウスはアクシリオス王の行為や人間の思い上がりに腹を立てていた。すると、そこにハデスが現れ、アクシリオス王に娘のアンドロメダを生け贄にしなければ、ハデスが操る魔物クラーケンによって人間を皆殺しにしていまおうと言う。そもそも、ゼウスとハデスは兄弟でハデスの方が兄なのだが、ゼウスの計らいで冥界の王とされたのだった。そこで、アクシリオス王はドラゴ隊長以下精鋭たちとペルセウスがクラーケンを退治するための手がかりを探す旅にでることになった。彼らの後をおって一人の女性がついて来た。彼女はイオと言い、クラーケンを庇護する天空にも通じた女性だった。そして、旅の途中様々な怪物や魔物と遭遇しながら、クラーケンに勝てるあるものを求めて苦難の戦いを繰り広げる。そんな、ペルセウスを見かねてゼウスは何度か天界に来ないかと誘ったり、有効な武器を提供してくれる。しかし、ペルセウスは人間として生き、人間として戦うことを宣言して、援助をかたくなに断った。そして、怪物クラーケンと戦うことになる。
 この作品は1981年に制作された映画のリメークなのだが、前作と違い「神の子としてではなく、人間として戦う」ことを宣言して、前作と劃期をなした。しかも、ラストも違うものになった。そういう意味ではCGの発達した現在、よりリアルに怪物たちが闊歩していると思った。ただ、いくら自分が造った「人間」であっても、その運命を翻弄するような行為をゼウス自身がやってしまえば、愛を信条としているゼウス自身、人間からの信頼を失ってしまうのも無理はないと思った。


監督:ルイ・レテリエ
出演:サム・ワーシントン 、リーアム・ニーソン 、ジェマ・アータートン、レイフ・ファインズ、マッツ・ミケルセン
2010年米・英映画   上映時間:106分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

トイレット
 3人兄弟の住む町に母が死にそうだということで、日本から呼ばれた祖母。しかし、その母は猫の「センセー」の臭いが嗅ぎたかったという声を残して亡くなってしまった。残された兄弟の長男のモーリーはパニック障害を起こして以来引きこもりの日々を過ごしていた。レイはある企業の実験室に勤務しているが、一人でアパートに暮らしていて、プラモデルのロボットに夢中のオタクだ。末の妹のリサは大学生だ。ある日、レイが実家に呼ばれると、モーリーとレイが家を売ってしまおうと提案する。しかし、もう一人日本から来た「ばーちゃん」は英語が話せず、コミュニケーションがとれない。それでも、レイのアパートが火事に遭い、結局レイも実家に戻り、4人と猫で同居することになった。レイが戻ってくるということで、部屋を掃除したモーリーが母の形見の足踏みミシンを見つけた。しかし、長年使っていなかったこともあって、うまく動かなかった。そこで、ばーちゃんにみてもらい、ようやく動くようになった。すると、モーリーはばーちゃんに買いたい布があるということで、金を借りた。しかし、4年間引きこもっていたせいもあり、途中で帰れなくなってしまう。それでも、彼はミシンで作り始めたのは、実は彼が履くスカートだった。すると、彼は4年間のブランクを感じさせないほど、華麗にピアノを弾くのだった。一方、レイは誰とも深く関わりをもとうとしてこなかったが、実家に帰り毎朝長い時間トイレに入って、出てくると深いため息を漏らすばーちゃんが気になっていた。リサは大学で詩のゼミに入っている。ある夜リサが眠れず階下にいくと、ばーちゃんが一人「エアギター」のDVDを見ていた。これを機会にリサはばーちゃんとエアギターのDVDを見るようになった。当初、レイが帰ってきて、寿司パーティをやってもあまり食べなかったばーちゃんだが、会話はできないものの手作り餃子を家族で作ることになり、心を通わせることができるようになった。モーリーもスカートとばーちゃんのおかげででパニック障害を克服してピアノコンクールに出場できるようになった。
 もたいまさこがいつ喋るのかという期待は、かつて「さそり」で梶芽依子のそれを思い出してしまった。ただ随所にユーモアがあるのだが、せっかくフードスタイリストがついていながら、料理は餃子一品というのは、少々物足りない感がある。せっかく「かもめ食堂」「めがね」と続いた路線は、違う監督だが、出演者と料理というコンセプトで「プール」「マザーウォーター」といった作品として繋がっている。このことを思えば、今回のトイレットはなにか中途半端な感じが否めない。荻上監督は確か南カリフォルニア大学に留学経験があり、こんな映画を作りたかったのだろう。それと、トイレというのも、日本製のそれを自慢するのも、どうかと思った。

監督:荻上直子
出演:アレックス・ハウス、タチアナ・マズラニー、デイヴィッド・レンドル、もたいまさこ
2010年日本映画  上映時間:109分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

東京島
結婚20年を記念して、ヨットでクルージングに出た隆と清子の夫婦は、その途中嵐に遭遇して無人島に漂着した。島での生活は、たくましくなった清子とは裏腹に、すっかり落ち込んでしまった隆。そんななか、島に16人の若いフリーターの男たちが漂着した。彼らは、島を「東京島」と名付け、ブクロ、ジュク、シブヤ、トーカイムラと集落を作った。すると、ある日断崖の下に横たわる隆の姿が発見された。事故か他殺か事の真意はわからなかった。しかし、夫を亡くした清子に、16人の若者を暴力で支配していたカスカベが2番目の夫となった。しばらくして、島に6人の密航に失敗した中国人も漂着してきた。彼らは日本人のなかで一人だけ別行動のワタナベとトーカイムラのあたりで暮らすことになった。中国人たちは、バイタリティがあり野豚を捕まえたり、網を編み魚を捕ったりしていた。野豚を焼く臭いに誘われて清子は中国人グループの集落に紛れ込み、肉を土産にもらってきた。すると、カスカベが中国人を疑い「ぶっ殺してやる」と飛び出していった。しかし、翌日再び断崖の下に横たわるカスカベが発見された。ワタナベは「犯人は中国人かこの中の誰かかも」と薄笑いを浮かべ、二人が死んだ断崖を「サイナラ岬」と名付けた。途方に暮れた清子のもとに、オラガがやって来て、今後の争いを避けるため、今度はくじで清子の夫を決めようと提案してきた。清子は「私は東京島のトキ、絶滅寸前の天然記念物なのだから仕方ないのね」と納得した。くじ引きのの日、清子はエルメスのスカーフを身にまとい、髪にブゲンビリアの花をさして現れた。しかし、夫に立候補したのはわずか6人だった。くじの結果、GMが選ばれた。彼は島に漂着して以来、それ以前のことは記憶喪失になっていた。しかし、彼らが島に来る前にいた与那国島での過酷なバイトをしていた時には、リーダーだったらしい。そんなGMはやさしかった。他の日本人の若者もそれぞれ、無為にすごしていた。一方、中国人たちは着々と脱出の準備をし、大きな筏を完成させていた。中国人のリーダーのヤンは清子を「俺の女になるのなら筏に乗せてやる」と誘う。いったんは断ったものの、島から出ればいろんなものが食べられると誘う。ケンタッキーフライドチキンという言葉に反応し、乗ることにした清子。そのため、定員オーバーで乗せてもらえなかったワタナベは「女なんかみんな死んじまえ」と毒づくのだった。ところが、筏は潮流に流され再び、島に戻ってしまった。すると、島の様子は一変していた、GMは森軍司という大学院生だという記憶も取り戻し、リーダーとして君臨していた。すると、清子が妊娠したこともわかった。森かヤンのどちらの子どもかわからない清子。しかし、出産にむけて、食欲旺盛な清子。出産するには、やはり中国人たちの方が頼りになると思い、彼らの集落に合流した。すると、そこには若い女性が漂着していた。
 桐野夏生の原作とは若干違うのだが、映画は映画としてよかった。実際、戦中にアナタハン島事件という一人の女性と31人の男がサイパン島の近くのアナタハン島で起きた事件がモチーフとなっており、かつて映画化されたという。絶望状態では、男はあまり力を発揮できないという日本人の気質を戯画化し、一方で清子に象徴される女性のたくましさが対照的だ。また国民性というか、中国人たちは皆バイタリティ溢れ、生産的に生きている様がこれまた対照的だ。いかなる状況でも、希望を持って生きていこうという前向きな志向と、現在の日本のこれで諦めようと、そこで内向きになっている姿がダブってしまった。木村多江は好演している。


監督:篠崎誠
出演:木村多江、窪塚洋介、福士誠治、柄本佑 、鶴見辰吾
2010年日本映画  上映時間:129分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

瞳の奥の秘密
 1999年のアルゼンチンの首都ブエノスアイレスの裁判所に定年を迎えたベンハミンがかつての上司イレーネを訪ねる。ベンハミンは25年前に起きた事件を小説として執筆していることを打ち明けた。その事件とは二人にとって忘れられない事件であった。当時、連邦刑事裁判所に勤務していたベンハミンは、有名大学を卒業して彼の上司となったイレーネとともに仕事をすることになった。ある日、殺人事件が起きて、ベンハミンとパブロが担当することになった。それは新婚間もない女教師リリアナがレイプされて殺されたという事件であった。お節介な隣の担当者が、予断から二人の男を逮捕して拷問によって、自白させた。しかし、彼らと面会したベンハミンはただちに、告発しその男は左遷させられた。一方、夫のリカルドは銀行に務めていて、事件によって憔悴しきっていた。ベンハミンはリカルドに妻のアルバムを見せてもらった。すると、何枚かの写真にリリアナを見つめている男がいることがわかった。アルバムに書いてあった名前からゴメスというリリアナの幼なじみだということがわかった。調べるとブエノスアイレスにいることがわかった。すぐに彼を参考人として調べようとしたのだが、判明した現住所からはすでに姿をくらませていた。その後の進展がない中、ベンハミンはリカルドと駅で会った。彼はゴメスが駅を使わないかと、張り込みをしていた。それを見たベンハミンはどうしてもゴメスを見つけようと決心した。様々な手段を駆使して、とうとうゴメスを追い詰め逮捕することができた。ベンハミンはイレーネとの連携でゴメスの自白を得た。裁判で終身刑になったゴメスだが、ベンハミンのかつての同僚が、意図的に刑務所の中にいたゴメスを反政府勢力から情報を得るためと称して恩赦を与え、自分の部下として使っていることがわかった。そこで、酒好きのパブロが酔ってつぶれてしまいベンハミンを家に連れてきた。そこで、パブロの連れ合いを呼びにいった間に、パブロは殺されてしまった。その後、ベンハミンは命が狙われている可能性があり、地方に転勤になり25年が経過した。
 殺人事件を縦軸に主人公ベンハミンのイレーネへの思いが二つの時代を交錯させて描かれている。アルゼンチンの司法制度が、よくわからないのだが、イレーネやベンハミンは当初連邦裁判所の判事の下で働くが、イレーネはその後検事、さらには判事補という職に就いている。つまり、裁判所の下に検察、警察が置かれているというみたいだ。それは、ベンハミンが警察とともに事件現場に行ったり、容疑者逮捕の指揮をとったりしている場面もあったりしたところからも伺える。それはともかく、酒浸りだがけっこう鋭いパブロがいい味出していた。ベンハミンの書いた小説はイレーネへの愛の告白という側面がでているが、もうひとつ妻を殺されたリカルドの妻への愛と犯人ゴメスへの憎しみが描かれている。タイプライターとか事務所のドアを開けたままの対応と閉めての対応というあたりや、ラストがなかなか印象的だった。


監督:ファン・ホゼ・カンパネッラ
出演:リカルド・ダリン、ソレダ・ビジャミル、パブロ・ラゴ、ハビエル・ゴディノ
2009年スペイン・アルゼンチン合作映画  上映時間:129分

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