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愛の予感
 2004年6月長崎県佐世保市で小学6年生の女子生徒が同じ学級の女子生徒の首をカッターナイフで切り殺傷した事件があった。この事件を想起させるような最初の展開がある。東京で中学2年生の女性徒が同じクラスの女性徒を殺す事件が起きた。加害女性徒の母親典子はマスコミに「先方の親がさんに会ってお詫びがしたい」と語った。一方被害にあった生徒の父親順一は「先方の母親には会いたくもないし、顔も見たくもない」と語っていた。そして、典子は故郷の北海道の苫小牧にいた。一方、順一は勤務していた新聞社を辞め、北海道に渡っていた。順一は苫小牧にある製鉄所で働いていた。寮のようなところで朝食事をし、工場に行き昼食は弁当。さらに寮に帰ると、そそくさと風呂に入り夕食を淡々と食べ寝るだけのスペースの部屋で寝るという生活が続いていた。一方の典子は偶然順一の働く工場の寮で賄いの仕事をしていた。朝は、生卵を食べたくない人用に目玉焼きをひたすら焼いていた。朝の仕事を終えて、女性用の部屋に帰る際、コンビニでサンドイッチとジュースを買って一人で昼食を取っていた。そして夕方、夕食の準備にかかり、食事を提供し、その後片付けをし終わり、一人立ったまま夕食をとる典子だった。このような判で押したような生活が続いた。ある日遅い夕食の後、食器を片付ける時、さりげなくコンビニで買った菓子を典子に渡そうとした。しかし、翌日順一の部屋の前にコンビニの袋に入ったままの菓子が置かれていた。そして、ふたりはそれぞれの携帯電話をみつめる。さらに、典子は朝出勤前の順一の腕を引っ張り、びんたをするのだった。
 同じような場面が繰り返し繰り返し続き、台詞もほとんどなく、些細な場面の違いだけににじむような心の動きが見て取れる。しかし、最後にインタビュー場面で終わるあたりは、様々な連想がひろがる。


監督:小林政広
出演:小林政広、渡辺真起子
2007年日本映画  上映時間:102分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

アウトレイジ
 関東の広域暴力団山王会の昼食会が開かれ参加の組長たちが集まった。閉会の際、山王会若頭加藤は池元組長に兄弟分の村瀬組がシャブを密売していることが山王会関内会長が怒っていたと伝える。山王会はシャブは扱わないことになっていた。それと村瀬は弱小の組で池元とは兄弟だが山王会の傘下には入れてもらえていなかった。池元はさっそく子分で大友組を張っている大友に村瀬組を痛めつけろという。そこで、村瀬組のチンピラ飯塚に騙されたふりをしてぼったくりバーの代金を大友の事務所で100万円支払う大友組員。あわてて、村瀬君の若頭木村が飯塚の小指と200万円持って事務所に詫びを入れに来た。しかし、大友は木村の指も詰めさせ、顔もナイフで切ったのだった。すると、中野は飯塚とともに大友組の組員を拉致し、大友の居場所を聞き出そうと拷問するが、口を割らぬまま殺されてしまった。すると、大友組では村瀬組の飯塚を殺し、村瀬も歯の治療中襲われ、重体となった。そこで、山王会の関内会長が入り、村瀬は引退することになった。大友は若頭の水野と金庫番の石原を使って村瀬がやっていた麻薬販売や新たにカジノを開設する。しかし、連日カジノに入り浸る池元を苦々しく思う大友。一方、村瀬が引退後も麻薬販売を続けていることが判明。すると池元は村瀬を始末するよう指示する。そこで、村瀬たちを殺してしまう大友だが、今度は池元が関内の意向を受け、大友を破門する。これで切れた大友は池元や関内に刃向かい、池元を殺してしまう。すると、今度は池元組の若頭小沢の放った連中にほとんどの大友組員は殺されてしまった。
 久しぶりの、北野バイオレンス映画だが、従来の顔ぶれから一新したが、ところどころ痛そうな場面があった。しかも、そうした場面の後、石橋蓮司や中野英雄といったコミカルな面を持っている俳優たち治療後の出で立ちには、思わず笑ってしまった。結局すぐに暴力を振るってしまい、殺しまでも躊躇なくやってしまったり、すぐに「バカ野郎」と吠えてしまうあたりチンピラ以外の何者でもない。韓国映画「息もできない」に出てきたチンピラの暴力性と基本的には同じで、彼は「シバラマ」と怒鳴っていたが、あの主人公と同じに見えてしまった。そういう意味で、怒鳴りまくるだけで、オチも予想がついたし、あまり新鮮味もなかった。


監督;北野武
出演:三浦友和、椎名桔平、加瀬亮、杉本哲太、石橋蓮司、北村総一朗、小日向文世、國村隼、ビートたけし
2010年日本映画  上映時間:109分

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

ザ ウェーブ
 現在サッカーワールドカップが南アフリカで開催されている。世界中が注目している様が連日放映されている。この応援風景はナショナリズムの一形態と言えばそうなのだろうが、何か違和感を感じる。元々サッカーには興味ないから、なおさらかもしれない。しかし、サッカーに興味を示さないことが非難されるとしたらどうだろうか。そんなことを想定させるようなのが、本作だ。現代のドイツの公立高校で1週間の特別授業がおこなわれた。テーマは「独裁」だった。最初集まった生徒たちは、集中せず「現代に独裁なんて起こりえない」と言う。そこで担当の教師ベンガーはどういう状況が独裁と定義できるかを聞いていく。そして、ある実験を提案する。誰かを指導者にするということで、ベンガーが選ばれた。彼はそこで、これからは「ベンガー様」と呼ぶことを決める。そして、つぎに制服を決め白いシャツを着用することにする。さらに、集団の名前を「ウエーブ」とした。彼らは最初は戸惑うが、次第にのめりこんでいく。そしてウェーブの皆が助け合うようになる。しかし、一方でこうしたウエーブに疑問を持ち止めるように主張するカロという女性徒は排除されたり、パンクグループとのいざこざも白シャツの「ウエーブ」で撃退するのだった。さらに彼らは、「ウエーブ」のロゴを作り町中に張りまくった。それと、「ウエーブ」のように波を模した敬礼も実施した。わずか5日間で、完全に洗脳された高校生たちは、すっかり「ウエーブ」の虜になっていた。一方、こうしたベンガーのやり方に疑問を持った同じ高校で教師をしている妻がベンガーと口論になり、家を出てしまった。彼は土曜日に緊急の「ウエーブ」集会を開催し、彼の本音を語るのだが。
 原作は60年代に実際にあったことを、現代のドイツに置き換えている。ところで、制服効果とでも言おうか、日本では現在も中高で制服がほとんど義務づけられている。こうした環境ではいくつか追加するだけで、けっこうこうした状況が創出できるのではないかと、ゾッとした。戦前の例を引くまでもなく、この国はけっこう潜在的にファシズムを受容する素地があると思う。近年では「小泉ブーム」で盛り上がったなか、潜在的なワーキングプア状態の若者が自らをさらに泥沼に叩き込んだ「小泉」を圧倒的に支持してしまったあたりが思い起こされる。小泉はまた「自己責任論」をわめきちらし「村八分」的な排除を煽った。こうした例を見るにつけても、けっこう危険な状況だと思う。いっぽうう小沢辞任にまで至った彼の秘書も含めての政治資金規制法違反事案も検察の一方的なリークで「小沢は悪」という図式が形成された。これを一斉に書き連ねた新聞各紙は、戦前の大本営発表だけをひたすら忠実に報道してきた時代とあまり大差はないと言える。こうした状況をみれば、危険に満ちた状況を改めて認識せざるをえない。現代の状況を考えるためのきっかけになる作品と言えよう。


監督: デニス・ガンゼル
出演:ユルゲン・フォーゲル、フレデリック・ラウ、マックス・リーメルト
2008年独映画  上映時間:108

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

正義のゆくえ
 ロサンゼルスの移民局(I.C.E)のベテラン捜査官マックスは縫製工場で不法移民の取締りをおこなった。そこで、メキシコ人の若い女性がマックスに幼い息子が一人取り残されることを案じてメモを託すのだった。しかし、若手の捜査官たちの冷たい視線に抗しきれず、そのメモを捨ててしまう。相棒のハミードはイラン系の移民だが帰化して,今の仕事に就いていた。それでも、妹のアメリカナイズされた素行が家族中の非難を浴びていた。また、オーストラリアから来たクレアはアメリカで女優として活躍したいとグリーンカードを取得するため、ヤミ業者に依頼していた。そんな折り、交通事故を起こした移民局相手が移民判定官のコールだった。彼はグリーンカードを出す代わりに彼女に性的関係をせまった。クレアには南アフリカ出身でプロのミュージシャンをめざすユダヤ人青年ギャビンがいた。彼もまた、ユダヤ教の「宗教関係者」としてグリーンカードの取得を目指していた。さらに、コールの妻デニスは弁護として外国人たちの弁護をしていた。彼女が担当しているのは、バングラディシュ人一家のダズマリーの件だった。彼女は、高校生で授業で9.11に関してイスラム側の置かれた状況に好意的な発言をおこなった。それで、FBIとICEの強制捜査を受けた。彼女の弟と妹はアメリカでで生まれたので、市民権はあるが両親とダリズマは強制送還されるという。そこで、デニスが入った交渉で、母親がダリズマとアメリカを離れ父親と二人の子どもはアメリカに残るということになった。
 さらに、ハミードの妹ザーラが彼女の働く店の店長とともに射殺された。一方、アメリカへの帰化が認められた韓国人の高校生が悪ガキに誘われてコンビニ強盗に入った。たまたま居合わせたハミードと銃撃戦になった。こうした、様々な人間模様がやがてひとつに収斂していく。
 9.11以降、テロへの恐怖を背景に強圧的に些細なことでも外国人への取締りを強化しているアメリカの現状が垣間見える。日本でも様々な外国人が生活している。日本で生まれた中学生の娘だけを残して両親はフィリッピンに強制送還されたケースはまだ記憶に新しい。そんなことも想起させるような本作だが、ただ世界的規模での流入しているアメリカはもちろん日本の比ではないものの、何も好きこのんで異国での生活を選ばざるをえない社会や経済状況にこそ目をむけなければならないと思った。


監督:ウェイン・クラマー
出演:ハリソン・フォード、レイ・リオッタ、アシュレイ・ジャッド、クリフ・カーティス
2009年米映画  上映時間:113分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

告白
 かつて、湊かなえの原作を読んだが、どうにもラストに違和感を覚えた。しかし、映画の方はいろいろな解釈のできる余地を与えていた。こちらのの方がよかった。
 物語はとある郊外の中学校の終業式の日、1年B組は喧騒で担任の森口悠子の声に集中していなかった。しかし、「私はこの3月で教師を辞める」というところから、徐々に皆が彼女の話に耳を傾けはじめた。そして先月、この中学校のプールで亡くなった森口の一人娘愛美のことを話し始めた。彼女の告白は「愛美はこのクラスの二人の生徒に殺された」というものだった。そしてその二人をAとBと呼び殺害の方法を解き明かした。しかし、彼らは少年法によって保護され、けっして厳罰には処されないという現実から、真相は警察にも話さないと森口は言う。そして、カリスマ的な人気のある熱血先生こと桜宮正義が森口のパートナーであり、現在HIVを発症したため、結婚しなかったという。そして終業式当日クラスで飲んだ牛乳パックに桜宮の血液を混入させたと言い残し、教室を去る森口だった。二年に進級した彼らはクラス替えもなく、担任が寺田良輝に変わった。しかし、森口に名指された少年Bこと下村直樹は不登校になり、HIVの恐怖に日々さいなまれ母親に当たっていた。一方、少年Aこと渡辺修哉は学校に来ても毎日「人殺し」と言われいじめのターゲットにされていた。しかし、ある日彼の捨て身の行動によって、いじめを封じこめることができた。そして、学級委員長の北原美月と密かに会うようになった。やがて、修哉が愛美を殺した動機が明かされ、その原因が彼の母親との関係にあったことだった。
 原作でも、一人称で語る「告白」によって構成されていたが、映画もこの方式で描かれる。それで、メインは復讐劇なのだが、少年法で保護される子どもたちに対しても何らか報復をしたいということなのだろうか。でも、当初のHIVの血液混入も含め子ども相手に大人げないという感じがした。それもあって最後の結末もあの通りとも限らないという気がした。いかに元教師とは言え、深夜に中学校に入ることなど、現在では無理ではないだろうか。それにしても、携帯電話にのめりこみいじめも堂々とやっているという場面は、どれほど今を写しているのだろうか。それと、修哉は愛美をはじめ直樹さらには美月に対する振る舞いはただ思い上がった子どもというだけでは理解しずらい。


監督:中島哲也
出演:松たか子、岡田将生、木村佳乃
2010年日本映画  上映時間:106分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

パブリック・エネミーズ
 冒頭、インディアナ州クラウンポイント刑務所に収監されようとしたデリンジャーだが、仲間とともに脱獄する。その際、双方ともマシンガンを容赦なくぶっ放す。この時代、アメリカは大恐慌で不景気に見舞われ、アル・カポネたちが暗躍していた。そしてデリンジャーは仲間とともに、次の銀行を襲うため逃走用の最新式のフォードを購入。そうして銀行へ、きっかり1分40秒で有り金を奪って逃走した。こうしたデリンジャーに対してFBI長官のフーバーはシカゴ支局長にメルヴィン・パーヴィス捜査官を任命した。パーヴィスは就任早々電話局に手を回しデリンジャーゆかりの人物宅の電話を盗聴することにした。彼らは最新式のレコード盤を使いそれらをもれなく録音していた。一方デリンジャーはある日ビリー・フレシェットというクラブでクロークをしていた女性と知り合う。たちまち恋に落ちたデリンジャーは自ら銀行強盗だと告白する。次なる仕事に取りかかろうとした時、彼らの持っていた銃器を見られて、警察に踏み込まれた。逮捕されデリンジャーはそれでも、同房の男とともに刑務所から脱獄する。こうして、次の銀行を襲うが予想に反して金はあまりなかった。しかも、パーヴィスの情け容赦のない拷問でデリンジャーたちの隠れ家を自白してしまったデリンジャーの配下。デリンジャーたちの隠れ家に到着したパーヴィスは後発の配下が着くのを待たず急襲した。しかし、激しい銃撃戦のなかデリンジャーはまんまと逃げおおせた。そして、今度こそはとシカゴで厳重に警戒体制を敷くFBI。それでも、ビリーのもとに電話してくるデリンジャー。来ないでと言うビリーに必ず行くというデリンジャー。そして、FBIの監視をかいくぐってデリンジャーのところに行くビリー。しかし、行動を起こしたところで逮捕されたビリー。しかし、彼女はFBIの過酷な取り調べで、トイレにも行かせてもらえず漏らしてしまっても口を割らなかった。それでも狡猾で権力にものを言わせデリンジャーを追い詰めるパーヴィスたち。
 後半デリンジャーが脱獄して再び銀行強盗をやろうとシンジケートを頼るがつれなく断られる。彼らはパブリックエネミーと言われたデリンジャーのような銀行強盗ではなく、競馬のノミ行為を大量の電話でおこなっていた。同じ犯罪でも、命のやりとりもなく確実にたくさんの金が稼げるノミ行為を選んだ彼らは、デリンジャーたちとつながっていれば摘発の口実を与えることになるという判断で断ってきたのだった。そうした時代の流れもあって孤立していったデリンジャー。1974年に公開された映画「デリンジャー」はウォーレン・オーツの主演だったが本物のデリンジャーには彼の方が似ている。ジョニー・デップはいかにもカッコよすぎる。そういう意味では恋愛映画の要素も濃厚。これもデップ効果か。それにしても、この時代FBIの取り調べは人権無視も甚だしい。ギャングたちの容赦ないマシンガンでも抗戦があったとしても、ひどいと思う。


監督:マイケル・マン
出演:ジョニー・デップ、マリオン・コティヤール、クリスチャン・ベール、ビリー・クラダップ
2009年米映画  上映時間:143分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

なくもんか
東京の下町善人通り商店街で人気のお総菜店「デリカの山ちゃん」は一番人気のハムカツは先代からの秘伝のソースでもっていた。この店は元々山岸正徳の山ちゃんが妻の安江とやっていた。そこに、ある日旧知の下井草健太が息子の祐太を連れてやってきた。それというのも、健太は根っからの遊び人で仕事もせず遊び歩いていた。そんな健太にあいそが尽きた妻の祐子から離婚の離婚すると言われたのだった。しかし、祐子はもうまもなく第2子の出産を間際に控えていた。彼女は一人で切り盛りしていた食堂を続けるのだった。こうした事情を踏まえ、健太と祐太が山ちゃんの店に転がり込んだのだった。しかし、健太は訪ねてきたその日、店の売る上げをもって姿を消してしまった。その日から、祐太は何となく、山ちゃんの店にいることになった。祐太は商店街の人々も含め誰にも頼まれれば何でもし、いつも笑顔を絶やさなかった。そして、山ちゃんからは、秘伝のソースの作り方を教わり店を継ぐように言われた。そして、山ちゃんの一人娘徹子と結婚して欲しいというのだが、高校生の頃から太っていた。そして、家を出てしまった。そんななか、山ちゃんが亡くなり祐太は二代目山ちゃんとなった。安江は認知症気味だった。それでも、二代目山ちゃんは先代に負けないくらいの評判を得て毎日行列ができていた。そんな商店街に、人気漫才師金城ブラザースの祐介がやって来た。祐太は直感的に彼こそ生き別れになった弟だと思った。そして、戸籍を取り確信が持てた。しかし、祐介は大介との兄弟コンビで売り出し、大介の書いた二人の自叙伝を出版し注目を集めていた。一方、山ちゃんの店には家出していた徹子が別人のようにきれいでスリムになって帰ってきた。しかも二人の子どもまで連れてきた。徹子はシングルマザーとして男性遍歴を祐太に告げ、二人は結婚することになった。それからもいろんな出来事が起こるが二代目山ちゃんのいやと言えない性格からさまざまな事件がおこるのだった。
 テンポよく前半のストーリーが進んでいく、しかし途中で現代版「父帰る」のような展開になるが、それも何とか受けとめる。ただ商店街の設定は時代が交差するような感じがした。ただ、惜しむらくは後半からだれてきて、ラストはもう少し工夫があってもと思った。それにつけても、これは阿部サダオの怪演が光る作品だ。


監督:水田伸生
出演:阿部サダオ、瑛太 、竹内結子、塚本高史 、陣内孝則、伊原剛志
2009年日本映画  上映時間:134分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

SR サイタマノラッパー
 埼玉県の北部「福谷市」のラッパーとして独り立ちを目指すグーループがいた。彼らはSYO-GUNというグループで集まったメンバーが来月初ライブをやろうと決めた。彼らのたまり場は倉庫のようなところで、楽器や録音機材さらには、それぞれの私物が雑然と置かれていた。その中のIKKUは新聞の切り抜きを集め時事ネタの収集をしていた。TOMは「おっぱいパブ」でバイト、MIGHTYは家業の農業の手伝いをしていた。年長のKENとTECはあまり顔を出さないが技量的には上のようだ。そんなある日、IKKUとTOMの高校の同級生で中退して東京でAV女優をしていた千夏が帰ってきた。偶然会ったIKKUはびっくりするが、彼女はIKKUに「まじめに働け」と言い放つのだった。しかし、彼女が戻ってきたという噂はたちまち広がりMIGHTYは千夏の出演したDVDを買い、皆で観るがIKKUとTOMは複雑な思いだった。一方、KENとTECは市役所の地元の若者ががんばっている姿を紹介するという集いに参加することを承諾したものの当日ドタキャン、残りの三人がラップをおこなった。しかし、参加者からはあまり評価されず、むしろ辛辣な質問や意見が相次いだ。そうしたなか、ライブに向けてIKKUの先輩で病弱で闘病中のT.K.Dに作曲の依頼をした。彼は引き受けてくれできた曲をCDに焼いてくれたが、まもなく亡くなってしまった。さらに、SYO-GUNも千夏を紹介しろというKENとTECに返事をしないIKKUに二人は切れてしまう。そして、IKKUとTOMは彼らと袂を分かち倉庫を後にする。すると、当の千夏も再び東京に行くという。IKKUは密かな思いも告げることもできず、持っていた携帯のCDプレーヤーごとT.K.Dに作曲してもらったCDを聞くように手渡した。そしてIKKUもニートから焼肉屋でバイトをすることになった。そこへ、偶然客としてTOMが工事現場で働く同僚たちとやって来た。そんな彼にラップで、もう一度ラップをやろうと呼びかけるIKKU。
 けっこう若者たちの支持や高い評価があり、第2弾も制作されたことは周知の通り。しかし、ジェネレーションギャップというか、あまりこうしたHIP-HOPなど聞いたことがない者としては、あの独特の節回しが耳にすんなり入ってこなかった。だから最後の場面の呼びかけもあまりよくわからなかった。せめて、字幕でもあればもっとよく理解できたと思う。そんなことは、邪道なのだろう。しかしこの国でもあんな独特の音楽に合わせて韻を踏んだりしての節回しは謡曲や浄瑠璃といった伝統芸能で脈々と伝承されており、あれも聞き慣れていなければ耳になじまいのと同じではないかと思ってしまった。それと、夢をおい挫折しながらも踏ん張るというところを目指すのだが、どうにも埼玉の片田舎の悲哀がでている。「反権力」も口だけ、まともに社会へ立ち向かうこともしない。情けない限りのラッパー。こんな情けない若者たち、しかし希望や未来を持てなくさせた駄目な大人たちへのせめてもの反逆なのかと思えた。


監督:入江悠
出演:駒木根隆介、みひろ、水澤紳吾、杉山彦々、2009年日本映画  上映時間:80分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

春との旅
 北海道増毛町、寂れた漁村の小さな家から勢いよく飛び出した老人忠男、持っていた杖を放り投げる。その後を追いかけてくる孫娘の春。大きな声でわめく老人やがて、電車に乗るがまだ打ち解けない。そして、最初の目的地である気仙沼の大きな家に入った二人。この家の主は金本重男といい、忠男の長兄だった。重男は春の母親が自死したことを責めた。そんな兄に自分こそ長男でありながら金本の家に婿養子に入ったことをなじった。しかし、忠男は春が勤めていた小学校の給食の仕事が廃校になって失職し、東京に働きに行きたいのだが祖父で足の悪い自分一人残して行かれないという事情を説明した。そこで、忠男をこの家の物置でもいいからおいて欲しいと言うのだった。しかし、昔から仲がわるく今は息子の言うがままで老人ホームに夫婦で入ることになっているから、忠男の面倒はみられないと突き放す。そこで、今度は弟行男の元を訪ねた。しかし、そこは名字が違っていた。近所の人に話を聞き偶然行男の内縁の妻愛子とあうことができた。すると行男はこれまでも刑務所に何度も入っていて、現在も他人の罪を被って服役中だというのだ。仲がよかった弟だけにがっかりしてしまう忠男。そこでつぎに鳴子で温泉旅館を経営している姉の茂子のところに行く。すると、満室で忠男は布団部屋で寝ることになり、春は厨房の手伝いをすることに。茂子は夫に先立たれ子どももいないので、春をこのままここにいてもらい将来の後継者として働かないかと誘うのだった。しかし、忠男たちの兄弟の対応が冷たく、逆に春は忠男の面倒をみようと思い始めるのだった。そして、一番成功しているという噂の末弟の道男の元にいくことにした。しかし仙台は学会が開かれていてホテルは満室で、二人は結局公園のベンチで寝てしまった。翌朝、道男の家を訪ねるが家はなくなっており、電話も使われていないという。すると、高層マンションに住んでいることがわかった。しかし、道男とも昔からそりが悪く、互いにばかやろうとののしりあいしまいには殴り合いのけんかになった。しかし、その後道男は忠男と春にホテルのスイートルームに泊まれるように手配する。そこで、春は北海道に戻ろうと言い、何年もあっていない離婚した父に会いたいと言い出した。そこで、フェリーで北海道に行き、静内に立ち寄った。春の父真一は牧場を経営していて現在は伸子という女性と再婚していた。久し振りに父に会った春は、両親の離婚の理由を聞くが答えない父に母の不倫が原因だと言うことを知っていたと言う春。そして、母は許してもらえないと知って自死したという春。一方伸子は父親を知らないで育ったことを打ち明け、真一とも忠男のことは話しており、よかったら一緒に暮らして欲しいというのだった。それでも二人は増毛に向かうのだった。
 かつて小津安二郎の「東京物語」では、老夫婦が東京の息子や娘の家を訪ねるのだが、あまり歓待されず熱海に追いやられてしまう。しかし、戦争で亡くなった息子の嫁、原節子演ずる紀子だけは勤めを休み親身になって東京を案内してくれた。これと同様、「春との旅」でも忠男を受け入れようと言うのは伸子だけだった。戦後の復興期と現代の格差社会というなかで肉親であっても、ことわざにあるように「兄弟は他人の始まり」というようにただ血縁者に過ぎないという無常感が漂う。忠男というニシン漁の夢につかれ頑固で意固地でわがままでときには甘えん坊といった性格は老人になっても変わりようはなく、春もそんな祖父を見捨てられない。そんなぎこちなくも粗野な愛情が胸を打った。ただ、春のがに股歩きは違和感を覚えた。あれは印象には残るが止めた方がよかった。


監督:小林政広
出演:仲代達矢、徳永えり、大滝秀治、菅井きん、小林薫、田中裕子、淡島千景、柄本明、美保純、戸田菜穂、香川照之
2010年日本映画  上映時間:134分

テーマ : 最近見た映画
ジャンル : 映画

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