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キャピタリズム マネーは踊る
 映画は冒頭、サブプライムローンの焦げ付きで家を強制退去させられる一家を映し出す。しかしこれまで、こうしたサブプライムローンの関係で家を失った人々だけではなく、実はすでに家を所有していた人々にも、こうした資産は金を生むとして、かつての日本のバブル期のように家と土地を担保に融資し、それをデリバティブで運用するという口車に乗せられた人々も、実は家や土地を奪われていることも明らかにしていた。いわゆる100年に一度の金融危機といわれたリーマンブラザースの破綻に端を発した事態について、マイケル・ムーアは強欲資本主義の本性として暴き出している。ムーア監督は第二次大戦後、他の資本主義列強が戦争の当事国はアメリカ以外勝者も敗者も戦争の被害を受けていたが、唯一アメリカだけが被害を受けることなく、戦後の復興を一人勝ちで推進した。その結果、生み出された中産階級は普通に働き、妻は専業主婦で郊外に広い家を持ちたっぷりと有給休暇を謳歌し、子どもたちには大学教育を受けさせ、医療費も年金も企業が面倒をみてくれた時代があった。しかし、その後日本やヨーロッパの復興のなかで、アメリカ経済の中軸だった自動車産業の衰退が顕著になってきた。そこで、登場したのがレーガン大統領だった。彼は規制緩和と福祉削減を進め富裕層の支持を得た。一方、その後のクリントン政権で財務長官となったロバート・ルービンやブッシュ大統領の財務長官ヘンリー・ポールソンなどゴールドマン・サックス社の出身だ。特にポールソンは金融危機の際金融機関安定化法案を一度は却下になったものを民主党議員を丸め込み成立させている。このため7000億ドルという巨額の公的資金という名の税金が注入されたのだった。ムーア監督は、この金は国民に返還するの筋と直接行動に打って出た。しかしウォール街に君臨するゴールドマン・サックス社らは再び高額なボーナスを手にしても知らん顔なのだ。そもそも、こうしたグローバル経済を背景にした資本主義は、金融の世界に深く食い込み従来は畑違いの有名大学の工学部出身者も巻き込んでデリバティブを仕組んできたのだ。難解な方程式で計算されたこれら金融商品は、カジノさながらの確率で儲かるといって一般大衆をサブプライムローンに巻き込んできた。結果、アメリカの1パーセントの富裕層が95パーセントの貧困層を越える所得を得ているという結果になっているという。こうした、アメリカの現象は、こうした路線を見習おうとした小泉・竹中路線で拡大された格差として日本でも現れている。これまで、あめりかでの教育によって、民主主義とアメリカンドリームということが強欲資本主義の下では縁のないものだということが露呈したといえる。そうしたなかで、9.11以降「脅威」ということをちらつかせ、国民をだまらせてきた。しかし、さすがにもう我慢の限界を超え、理不尽な扱いに抗する人々が出てきたことも紹介されている。
 いっぽう、日本では日航の法的整理が取りざたされているが、アメリカの現状はパイロットの平均年収が200万ほどで、企業年金などとっくに廃止されているという。こうしたアメリカの航空会社も日航への支援に手をあげているが、アメリカでの航空事故の多発という事態も含め、将来の日航の姿とだぶらないよう注目しておいたほうがいい。そうした意味でも、アメリカの資本主義を見習っているこの国の将来を写す鏡として、方向転換せねば大変なことになると思った。それと、さいごのエンドロールで「インターナショナル」が歌われていて聞き入ってしまった。つまり、資本主義事態、断末魔の叫びをあげている今こそ、闘う時なのだという、ムーア監督のメッセージが込められていると思った。


監督:マイケル・ムーア
2009年米映画  上映時間:127分
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

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