2009-12-07(Mon)
岩手県盛岡市の閑静な住宅地に、児童養護施設「みちのくみどり学園」がある。ここは1957年虚弱児施設として創設されたが、9年前児童福祉法の改正にともない、現在では在園児童の約7割が虐待を受けた子ども達が集団生活を営んでいる。この子どもたちは、ほとんどが幼児の頃施設に保護されている。虐待の結果、子どもたちのなかでのコミュニケーションの取り方がぎこちなく、一番いやなはずの暴力に訴えてしまうこともしばしばある。この映画にでてくる子どもたちは、親との電話で甘え、一日も早く迎えに来て欲しいと訴える子。親からの電話を無視して、受話器を一方的に置いてしまう子。様々な対応をしながらも、心におった傷の一部が見えてくる。また、虐待をおこなっていた親たちも、話を聞けばかつて自らも被虐待の経験のある人たちが多いこともわかる。そんななかで、職員たちが別荘と呼ばれている西和賀町にある宿泊所での少人数での合宿や、一関の大工さんの協力で太鼓の制作から演奏までの合宿などの取り組みが紹介される。さらには、こけし作りと弁論大会のなかで、自ら思いをそれぞれが表現する。
自らの虐待の体験を客観的に表現するには、やはり時間が必要なのか、言葉で語ってくれたのは高校生だった。映画の最初と最後に虐待で死ぬ子どもたちが多いことが強調された。虐待が連鎖することも言われた通りなのだが、経済格差も含め現在のセーフティネットの充実をはからなければ虐待の根絶には至らないという思いを強くした。
監督:小池征人
2009年日本映画 上映時間:113分
自らの虐待の体験を客観的に表現するには、やはり時間が必要なのか、言葉で語ってくれたのは高校生だった。映画の最初と最後に虐待で死ぬ子どもたちが多いことが強調された。虐待が連鎖することも言われた通りなのだが、経済格差も含め現在のセーフティネットの充実をはからなければ虐待の根絶には至らないという思いを強くした。
監督:小池征人
2009年日本映画 上映時間:113分
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