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タクシデルミア
第二次世界大戦中、ハンガリーの人里離れた山村に配備された中尉とその当番兵ヴェンデル・モロジュコバーニ。中尉には太った妻と二人の美しい娘がいた。モロジュコバーニは朝から中尉にこき使われていた。そんな彼の唯一の楽しみは、凍てつく納屋の寝床で妄想を膨らませ、自慰にふけることだった。しかし、その対象は二人の娘だったのだが、ある日中尉の妻の誘惑にのり、彼女と関係をもってしまう。そのことがバレて、モロジュコバーニは中尉に殺されてしまう。しかし、中尉の妻はしっぽがある男の子を出産。それから、数年後、ハンガリーはソ連の影響下にあって社会主義国家となっていた。当時の流行で、スポーツ大食い選手権大会がソ連圏で華々しく行われていた。男の子はカルマンと名付けられ、小さい頃から大食いで、訓練をうけ国民的な大食い選手となっていった。彼は、女性大食い選手のギゼラに会って一目惚れ、二人は結婚するのだった。そして生まれた子ラヨスは、両親ともに肥満からはかけ離れた細身の剥製師(タクシデルミア)となった。父カルマンは、もうすたれてしまった大食い選手権にいまでも思いを馳せている。あまりに体重が増えすぎて、座ったままの姿勢を変えることもできず、ひたすら座ったまま大量の食物を食べ続け、排泄の世話を息子ラヨスに頼らざるを得ない。それでも、かつての大食いのビデオを繰り返し見ながら、ペットの猫数匹と暮らしていた。しかし、息子のラヨスと些細なことで口論となり、しばらく訪ねることがなかった後、死亡した父カルマンの姿を見つけたラヨス。彼は父を剥製にしてしまう。
 祖父、父と三代にわたり、性欲、食欲、そして死について描いたグロテスクかつ奇妙な映画。第1のエピソードでは射精する場面が花火になっていたり、カメラアングルが回転したり、木製のバスタブが様々な場面をつなぐショットが印象的だった。続く第2のエピソードは、ゲロのの噴射と社会主義「ヒーロー」のパロディが秀逸だ。さらに、太ったカップルのラブシーンも印象的だった。最後の剥製師のエピソードは、死と美と永遠といった課題について訴えているようだ。その象徴が「ダビテ」の立像に似せた自らの肉体をつかっての剥製というかたちで完結させているところが際だっていた。



監督:パールフィ・ジョルジ
出演:ツェネ・チャバ、トローチャーニ・ゲルゲイ、マルク・ビシュショフ
2006年ハンガリー映画  上映時間91分
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テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

闇の子供たち
タイ北部の農村から、一人の少女が売られてトラックに乗せられた。着いたのは街の売春宿で、そこには少年少女たちが檻に入れられ閉じ込められていた。もちろん、公然と売春はできず、カラオケ店を隠れ蓑に営業しており、子どもたちへの性的虐待と暴力が日常的におこなわれ、エイズを発症した子は黒いゴミ袋に入れられ、ゴミの回収車に捨てられていた。ある日、日本新聞社バンコク支局の記者南部に、東京の社会部からの依頼があった。それは、日本人の子どもへの臓器移植がタイでおこなわれているという事についてだった。そこで、南部は元仲介をしていたという男から衝撃的な事実を聞き出した。それは、臓器提供をおこなうタイの子どもは、生きたまま臓器を摘出されるということだった。驚愕の事実の裏付けをおこなうために取材をおこなう南部。その取材で、バンコクの社会福祉センター(愛のあふれる家)を訪ね、女性所長ナパポーンに話を聞いた。そこでは、都会からも、幼くして売られて売春を強要されたりした子どもを保護していた。そこには、たまたま日本のNGOから支援に来ていた音羽恵子という若い女性がいて、活動していた。南部から、臓器移植の話を聞き、憤る恵子。取材を続けていくと、近いうちに日本から心臓移植をおこなうために子どもがタイに来ることがわかった。そこで、南部は恵子を伴って日本に帰国する。最初に臓器移植の件を調べた本社の記者清水と南部は恵子を連れて臓器移植をおこなおうとしている梶川という商社マンの家を訪ねた。梶川夫妻にタイの子どもの命を犠牲する手術を止めるように懇願する恵子。しかし、梶川は日本で小さい子どもの心臓移植はできないし、アメリカでの移植はすぐにはできない状況だし、息子はあと半年以内に手術ができなければ死んでしまうと言うのだった。そして、日本での移植を斡旋する男による南部と清水への暴力的な圧力がかけられた。タイに帰国した南部はフリーカメラマンの与田とともに移植がおこなわれようとしている病院と医師への取材をおこなうが、銃を突きつけられ取材を止めるように脅かされた。それでも、与田とともに日本から来る梶川一家を空港で見張り、病院に連れてこられるタイの子どもを現認しようと張り込む南部だった。
 幼い男女に性的虐待をおこなう日本人を含む大人たち。一方で、貧困がもたらすこうした悲劇は、格差が拡大する中で、いっこうに減らないのが現状だ。おぞましく、嫌悪感が増幅される。恵子のように現在直下おこなわれようとしている非人道的な犯罪行為を思いとどまらせようと必死な姿とありのままの現実を報道によって知らしめることで、変革を期待するというスタンスは考えさせられる。ただ、大阪大医学部で移植医療部で働く福嶌医師の話をネットで読み少しは安心した。それは、これまで、タイをはじめ生きた人間の心臓を切り取って移植するという例はないというのだ。現実の問題として、人道的な見地から、移植側も含め難しいし、費用や法的にも無理とのことだった。ただし、これまでも報道されたことのある腎臓の移植は現実問題として成人間ではあるのは事実だ。
 また、かつて、埼玉県議たちが海外視察と称してタイに行き、日本語表記のカラオケ店で女性を見つけホテルに連れてきた報道番組を思い出した。ともあれ、重い内容を突きつけられた作品だ。


監督:阪本順治
出演:江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡
2008年日本映画  上映時間:138分

テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

MONGOL モンゴル
 12世紀のモンゴルは部族間の対立が激しかった。一部族のハーン(頭領)イェスゲイは息子のテムジンを連れてメルキト族のもとに向かっていた。それというのも、かつてイェスゲイはメルキト族から女性を略奪して自らの妻としたことから、この贖罪のため改めてテムジンの妻は正式にメルキト族から迎えようということだった。しかし、その途中立ち寄ったなじみの集落でテムジンは、そこにいた少女ボルテを許嫁に決めてしまう。まだ9歳のテムジンは5年後の結婚を約束して帰途につく。すると、その途中行き会った敵対する部族と会ってしまい、イェスゲイは巧妙に毒殺されてしまった。すると、部下のタルグタイの裏切りで、一家の財産を奪われたテムジンは命を狙われる。必死に逃げるテムジンは、極寒のなか助けられ、そこで出会った少年ジャムカとアンダ(盟友)の誓いをかわすのだった。その後、たくましく育ったテムジンは許嫁ボルテを迎えに行き二人で母の住む故郷に帰った。新婚生活を送っていたテムジンたちを、かつてイェスゲイに妻を奪われたメルキト族が復讐のため襲いボルテを奪っていった。すると、テムジンはジャムカを頼りメルキト族の集落を襲いボルテを奪還した。このなかで、テムジンの器量に惚れ込み部下が増えたがジャムカとの確執が増大する。そして、テムジンたちの馬を盗もうとしたジャムカの弟を殺してしまったことを契機についにジャムカと対決することになる。家族たちを逃し、多勢のジャムカ軍ととの死闘の末捕まったテムジンは奴隷として西夏(タングート)に売られていった。そこで、部下たちは死に絶えるが、テムジンだけは不屈の精神力で生き抜き、ボルテの献身的な行動で何とか救出された。そして、帰国したテムジンは祖先の霊に祈り、モンゴルの部族に規律を打ち立てるため立ち上がる。徐々に力をつけ、ついにかつてのアンダであるジャムカと雌雄を決するため戦うのだった。
 幼い頃から首かせを嵌められ、苦労の連続のテムジンだった。しかし、繰り返し苦難を脱するところは描かれているのだが、小なりとは言え自らの軍団を形勢していくところがほとんど描かれていないのは物足りなかった。戦闘シーンもCG処理でそんなに迫力はなかった。それと、当時の美人の基準が違ったのだろうボルテについてはたくましくて好感がもてた。しかも、角川版「蒼き狼」ではボルテの子ジョチの父が誰なのかということでの悩みがクローズアップされていたが、案外あっけらかんとしたこの映画のようだったのではないかと思ってしまった。


監督:セルゲイ・ボドロフ
出演:浅野忠信、スン・ホンレイ、アマデュ・ママダコフ
2007年  上映時間:125分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

レッドクリフ Part1
 後漢の末期、皇帝である献帝は丞相として曹操を任命。彼は、次々に国内の有力武将を屈服させていった。残るは、呉の孫権と荊州の劉備だった。これを撃つことを進言する曹操に皇帝は躊躇する。劉備は同じ縁戚で、反抗したわけでもなく大義名分がたたないということになる。しかし曹操は天下を平定し自らが皇位の簒奪を密かに狙っており、強引に掃討戦を裁可させる。こうして西暦208年、80万の大軍を率い、長坂の戦いで劉備軍を襲う。劉備軍は彼を頼ってきた民衆を守りながら退却する。その際、劉備の子阿斗と麋夫人が逃げ遅れて曹操軍に取り囲まれていた。そこに駆けつけたのが趙雲だった。彼は獅子奮迅の活躍で阿斗は助けるが、麋夫人は自ら井戸に身を投げてしまう。こうしたなか、善後策を相談する劉備たち。そこで、天才軍師の諸葛亮孔明はかねてからの主張である三者鼎立を実現するためにも、呉の孫権との同盟を主張し、自らが呉に赴くのだった。しかし、孫権は曹操との戦いに反対する老臣たちを前に躊躇する。しかし、孔明の理路整然とした主張に心を動かされた。そこで、呉の軍政の中心人物周瑜と面会する孔明。二人は琴の連弾をするなかで気持ちを通わせるのだった。さらに周瑜の妻小喬は天下に名高い美女で、曹操は呉を征服した後、彼女を手に入れようという野望もあったのだ。こうして、劉備軍と孫権軍が共に立ち曹操軍を迎え撃つことになる。連合軍は、赤壁に陣をはる。そして、長江に2000隻の大船団と陸上部隊あわせて80万の大軍が向かっていた。これに対して、初戦には孫権の妹尚香が女性の侍女たちを率い、曹操軍の先鋒を挑発し、連合軍が待ち伏せる地点に引き込んだ。そこには、孔明の八卦の陣で曹操軍を迷路に引きずり込み、後は、関羽、張飛、超雲さらには呉の甘興、周瑜までも参加して大勝利をおさめるのだった。そして、いよいよ赤壁の戦いになる。
 すでに知っている三国志の山場赤壁の戦いを描いた作品。たくさんのエキストラとCGを織り交ぜた映像は圧巻。それと、この時代の戦いが「大義名分」とか民衆を庇護する「慈悲」の心などを尊重するといったあたりも描き出されている。日本人俳優も金城武、中村獅童なども好演している。アクションシーンは関羽、超雲らの超人的な活躍がジョン・ウー監督お得意の映像でこれでもかという程見せつけられた。さらに、あらためて気がついたのは、日本で現在でも和服のことを「呉服」ともいう。孔明が着ているのは紛れもない呉服なのだが、日本の和服のルーツを見ることができた。



監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー
2008年  上映時間:145分

テーマ : レッドクリフ
ジャンル : 映画

ハンティング・パーティ
 1990年代のボスニア紛争の際、アメリカのテレビ局の特派員サイモンは、現地からのレポートをカメラマンのダックとともに送っていた。しかし「民族浄化」という名の下にイスラム系住民を虐殺し、レイプするといった蛮行が展開されるという現場を目の当たりにし、サイモンの恋人もこの犠牲になったのだ。この事件を契機に言いたいことを口走り、テレビ局を追われることになったサイモン。同僚のダックは帰国しテレビ局内で出世した。しかし、現場の緊張感を忘れられずにいた。そうしたなか、紛争終結五周年の記念式典に参加したダックとニュース番組のアンカーマンであるフランクリン、さらにハーバード大出身の若手テレビプロデューサーのベンジャミンも出席した。彼らの前に現れたのがサイモンだった。彼は生活に困り借金漬けの生活をしていた。早々と帰国したフランクリンだが、ダックにフランクリンはフォックスというボスニア紛争の責任者に単独インタビューをしようというのだった。バカンスが待っているダックが、昔のよしみでサイモンの提案をうけいれるのだった。ベンジャミンは父がテレビ局の副社長という立場だが、彼なりに実績を上げたいという思いで二人に同行するという。しかし、フォックスが潜伏しているらしいという一帯は山間部で、いまだにフォックスを信奉する支持者がおり、行く先々で見張られていた。国連司令部に顔をだすと、司令官のボリスに三人はCIAと誤解されてしまう。そして、CIAという誤解のまま怪しい女性に紹介され、フォックスの情報を聞き出そうとする。しかし逆にフォックスの腹心の護衛隊に捕まってしまう三人だった。
 この映画の舞台は2000年ということで、事実を基にしたフィクションということで、冒頭「この映画ではありえない所が真実である」とのクレジットが流れる。しかも、フォックスは実在のカラジッチにそっくりだ。しかも、彼が逃亡を続けているのは、イギリスやフランス、アメリカといった国々との裏での利害関係がからんでいるといったことを暗示している。それでも、三人はけっこう無鉄砲に立ち向かっていくのだが、逆にリアリティにかけ、娯楽作品にもなりきれない中途半端な印象しか残らなかった。それでも、今年実際のカラジッチが逮捕されオランダのハーグの国際法廷に送られたという報道があったが、これも裏がありそうだ。それと、カラジッチの前に逮捕されたミロシェビッチは拘留中に死んでいるのも、何かあったのだろうかとも考えてしまう。そんな裏読みをかき立てる作品には違いない。



監督:リチャード・シェパード
出演:リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ジェシー・アイゼンバーグ
2007年 上映時間:103分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー
 アフガニスタンは1978年社会主義政権が誕生したがその基盤はけっして盤石ではなかった。しかも当時のイランでは、ホメイニにるイスラム革命が進行していた。こうした背景によって当時のソ連は国内のイスラム勢力への浸透を阻止する目的もあって、アフガニスタン政権を支援するということを掲げて軍事展開した。そのため、イスラム諸国から反政権と反ソ連でムジャーヒディーンと呼ばれた抵抗勢力が結成され闘いをおこなっていた。このソ連のアフガン侵攻は、批難の的であった。そうしたなか、アメリカもテキサス州選出の下院議員チャーリー・ウィルソンズはベテラン議員で国防委員会のメンバーであった。しかし、彼の秘書は「チャーリーズ・エンジェル」と呼ばれる「美女軍団」で本人も朝からウィスキーのボトルを密かにかたむけるというアルコール依存症気味だった。そんな彼は、ハリウッドで新作映画出資しないかとジャグジーバスに美女を侍らし、麻薬までも用意された接待にも乗ってしまう。しかし、彼はその現場でアフガンからの現状を訴えるテレビに眼を向けた。そして、当時のアメリカとして表立ったアフガン反政府組織への援助はできないというなかで、極秘の援助をすることになっていた。そして、郷里の大富豪でチャーリーの後援者でもあるジョアン・ヘリングからの電話でアフガン支援を500万ドルからいきなり1000万ドルに倍増する、ヘリングの手配で秘書とともにパキスタンに行きアフガン難民の惨状を目の当たりにする。根が単純なチャーリ―は胸を打たれ、CIAに手を打つと、優秀なのだが組織からもてあまされたガスト・アヴラコトスが派遣された。チャーリーはガストに有効な軍事物資とりわけソ連の軍事ヘリを撃墜するための武器について聞くと、CIA内の軍事アナリストを紹介した。対ソ連との関係もあり、武器はアメリカ製ではなく、ソ連から奪ったものを使うということになった。そうしたなかで、イスラエルとともにエジプトやサウジアラビィア、パキスタンといった政治的に対立している国々を極秘裏に協力してもらい、資金は米国防委員会の秘密予算で何とかするというものだった。そこで、国防委員会の委員長夫妻にもアフガンを視察してもらい、7年間で10億ドルもの巨額な援助を実現し、ついにソ連の軍事侵攻を阻止するに至った。この功績でチャーリーは表彰されるが、彼は最後にアフガンの子どもたちに学校を建設しようという提案をしたのだったが実現しなかったことを悔やんでいた。
 アメリカの議会における議員の立場というか、具体的な政策の実行過程が、けっこうなぁなぁでいい加減におこなわれ、けっこう日本流の根回しで動いているんだと思った。それと、ソ連があった時代だから、ジュリア・ロバーツ扮するセレブがただただキリスト教原理主義的反共で行動するあたり、テキサスなどでは、今でもそうした傾向が強いのではという印象を受けた。ともあれ、お気楽な議員の秘密裏の活躍でソ連の侵攻は阻止できたのだが、その後武器を手にしたムジャーヒディーンにはウサマ・ビン・ラディーンも参加しており、こうした戦闘を経験したなかからタリバン政権がつくられ、後の9.11テロにつながっていったことを思えば、皮肉な展開となったものだ。


監督:マイク・ニコルズ
出演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ
、フィリップ・シーモア・ホフマン
2007年米映画  上映時間:101分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

マンデラの名もなき看守
1968年南アフリカでは、アパルトヘイト政策により、黒人には投票権がなく、住居や就職、教育でも差別され、身分証を常時携帯していなければならなかった。そうしたなか、ジェームズ・グレゴリーは看守として妻と二人の子どもとともに元ハンセン病の治療施設だったロベン島の刑務所に赴任することになった。その際、国家公安局のジョルダン少佐から、刑務所に収監されているネルソン・マンデラを含む受刑者の手紙の検閲をはじめとした仕事をするように命じられた。特にマンデラに関しては直接ジョルダンに電話で報告するようにと言われた。それというのも、グレゴリーが生まれ育ったのがマンデラの故郷に近く、子ども時代には黒人の友だちもいて彼らのコーサ語ができたからであった。そして、マンデラ夫人が面会に来たとき二人の会話の中でマンデラからの武装闘争の指示や息子の近況がコーサ語で話しあっていることを聴きすぐに、少佐に報告するのだった。すると、新聞紙上にマンデラの息子が交通事故死したとの記事が載っていた。グレゴリーは暗殺の疑いを持ち、マンデラにコーサ語で心から哀悼の言葉をかけるのだった。これを契機に、マンデラが共産主義者のテロリストという「常識」からマンデラの唱えていた「自由憲章」を危険を冒して手に入れ熟読し、彼の思想に理解を示すようになっていく。一方、当局への通報が評価され軍曹から准尉に昇進したグレゴリ-。妻のグロリアも美容師として上官たちの妻たちの髪のセットをするなどしてご機嫌を取り、間もなく少尉への昇進が見込まれるというところだった。しかし、マンデラから妻へのクリスマスプレゼントを託されたグレゴリーはその願いを聞き届けた。しかし、それが明るみに出てしまい、所長が転任になり、周囲はグレゴリー一家を仲間はずれにする。そうした生活に嫌気がさし、転任願いをだすも、認められずとうとう辞表を出したグレゴリーは他の刑務所にいながら、彼の手紙の検閲をやることを条件に転属する。それから、数年後世界的にマンデラの長期拘留への批判が盛り上がり、ロベン島からポールスムーア刑務所への移送がおこなわれ再びグレゴリーが看守として任務に就くことになった。しかも、通信制の大学生となった息子ともどもこの任務にあたることになった。グレゴリーは妻グロリアに「傍観者にはなりたくない。自らが歴史のひとこまになりたい」と話し、世界的に孤立する南アフリカの現状を憂い、マンデラに親子で理解を示すのだった。すると、黒人びいきの子供は殺すと脅しの電話がグロリアのもとにかかってきた。ポタ政権から新政権に移行すると、マンデラに面会したいという新大統領からの申し出があった。もうすぐ、新しい時代の到来を予感した時、悲しい知らせがグレゴリーのもとに飛び込んできた。
 冒頭1968年の島全体が刑務所といった隔絶されたなかで、とにかく非人道的な虐待が日常的に横行し、それが当たり前のように繰り広げられている様子が衝撃的だった。しかし、そうした理不尽な扱いにも凛としてすっくと立ちつつ受け止めるマンデラの姿に胸を打たれた。それでも、後年のマンデラの処遇が世界的な注目もあって目に見えて厚遇されていったのにも驚いた。それでも、マンデラの人間としての器の大きさと、思想の力を武器に一人の看守の生き方にも影響与えていった情況が見事に描かれている。グレゴリー役のジョセフ・ファインズは「恋におちたシェークスピア」以来の好演だと感じたし、グロリア役のダイアン・クルーガーも「ナショナル・トレジャー」の派手な感じから市井の妻役をうまく演じていた。それと「24」で米大統領役だったデニス・ヘイスバートのマンデラも適役だった。


監督:ビレ・アウグスト
出演:ジョセフ・ファインズ、デニス・ヘイスバート、ダイアン・クルーガー
2007年   上映時間:117分

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

イーグル・アイ
 プロローグで中東の砂漠を疾走する車が、衛星からのカメラに補足された。アメリカの国防省がテログループの幹部として追っていた男に違いないとの情報だ。国防長官らが、彼を抹殺するチャンスとばかりミサイル攻撃の準備をはじめる。しかし、コンピューターシステムは誤認の確立が7割もあるから、攻撃を中止するよう勧告する。しかし国防省の関係者はせっかくの機会を逃したくないという気持ちが大半だ。最終的には、大統領のゴーサインで、葬儀をおこなっている中東の現場にミサイルが撃ち込まれ居合わせた人々は即死する。そうした一方、アメリカでは、コピーショップで働くジェリーは、双子の兄が交通事故で亡くなった。その葬儀の帰りATMに寄ると、残高75万ドルと表示され、100ドル紙幣が次々と溢れ出る。あわてて、自分のアパートへ戻ると、大量の荷物が届いている。偽造パスポート、銃、化学薬品に航空機のマニュアルだ。困惑するジェリーに、携帯電話が鳴り、30秒でFBIが到着するので、直ちに逃げろという。しかし、逃げる間もなく逮捕されてしまう。いくら、自分は関係ないというものの信じてもらえない。所変わって、弁護士事務所で働くレイチェル。彼女はシングルマザーで、息子のサムがワシントンで開かれる音楽祭参加して演奏するということで、駅まで見送りに来ていた。その後、彼女にもジェリーと同じ女性の声で、息子の乗った電車内の画像が突然町の広告スクリーンに映し出され、『指示に従わなければ息子の命はない』というのだった。言われた通り、車に待機していると、FBIから強引に逃走ルートを作り出され、必死で逃げてきたジェリーと合流することになった。それから、例の声による指示が次々に繰り出され何とかその指示に従っていた。そして、FBIの捜査官と軍の情報担当官の協力によって、イーグルアイと呼ばれている巨大コンピューターシステムの存在に到達する。ジェリーとレイチェルの行動は、すべてこのイーグルアイの指示によるもので、このシステムにジェリー双子の兄が関わっていたこともわかる。そうした中で、イーグルアイのねらいが次第にわかってくるなか、必死で行動する二人だった。
 巨大コンピューターシステムに情報処理を遂行させるというなかで、この反乱という設定は「2001年宇宙の旅」が代表的だが、今回の「アリア」はあまり賢くないように思えた。強奪するように仕向けられたアタッシュケースの中身は意外なものだったし、もっと効率よく指示することも可能だったと思う。それと、FBI捜査官はいざ知らずジェリーとレイチェルといったまったくの部外者がいとも簡単にペンタゴンに入り込むなんて、ちょっとゆるすぎと思った。スピルバーグのお気に入りのシャイア・ラブーフも、ちょっと出過ぎという感じだ。画面の処理も「トランスフォーマー」と同じで動きが速すぎて、何なんだという感じがした。


監督:D・J・カルーソー
出演:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ロザリオ・ドーソン
2008年米映画  上映時間:118

テーマ : イーグル・アイ
ジャンル : 映画

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