FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

2008/06
≪05  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30   07≫
山桜
 庄内の海坂藩、磯村庄左衛門の妻である野江は、叔母の墓参りからの帰途、見事に咲いた山桜に見とれていた。その枝を折ろうとするが、届かず足を滑らせてしまった。すると、後ろから「手折ってしんぜよう」と長身の侍が声をかけ、野江に手頃な枝を折って渡した。彼は手塚弥一郎と名乗り、野江の名前を知っていた。野江は、当初嫁いだ夫を病気で亡くし実家の浦井の家にいた頃のことを思い出した。たしか、再婚の話があった時、手塚からの話もあったのだ。しかし、一度も会うこともなく、現在の磯村の嫁となって1年ほどたっていた。別れ際に手塚は「今は、お幸せでござろうな」と野江に問うた。野江は胸の内は明かせなかった。実は、磯村の父左次衛門は蓄財に熱心で、密かに高利貸しをやっていた。庄左衛門もそんな父と同類で、野江を「出戻り」といい、夫婦仲はよくなかった。それに、姑もつらく当たり、夜遅くまで仕立てものの内職をするのが日課となっていた。そんな野江の境遇を心配するのは、両親や弟、妹たちだった。手塚との縁談は、母瑞江が、手塚家の家が母子の二人暮らしということを気にして進めなかったこともあった。現在では、野江の弟新之助が通う、藩校の剣道場で師範代を手塚がやっていた。そして、手塚がかつて野江が裁縫の手習いに通っていた頃、道場の窓から見そめていたということを先輩から聞いていた。いっぽう、藩の財政が逼迫している折から、重臣の諏訪平右衛門が新田開発を主張していた。しかし、藩内には数年来の天候不順で凶作が続き、この上新田開発をおこなえば、百姓たちが疲弊し「つぶれ百姓」が増えるという危惧があった。そうしたなか、新田開発を強行し、それによって利益をえる豪農たちから賄賂を受け取り贅沢な暮らしを続けていた。この諏訪の取り巻きとなっていたのが、磯村だった。またいっぽうで、こうした諏訪のおこないに江戸の藩主に実情を訴え、新田開発を止めさせようとの動きも出るが、諏訪の手によってつぶされてしまう。新田開発のため過酷な年貢が課せられ、百姓たちの窮乏は増していた。そんな折、単身手塚が諏訪を討ち果たし、大目付のもとへ出頭した。磯村は帰宅して「正義派の手塚が余計なことをしてくれた」となじるのに、腹を立てた野江は夫の羽織を落としてしまう。それがもとで、野江は離縁され、再び実家に戻ることになってしまう。
 藤沢周平の海坂藩を舞台にした短編の映画化。庄内地方の四季の移ろいを織り込んだ作品だ。監督の篠原哲雄は田中麗奈のデビュー作「はつ恋」でも桜の大きな巨木ポイントとなっていた。何か桜に特別な思入れがあるのだろうか。また、時代劇では所作もなかなか難しいと思った。富士純子が終盤に登場するが、着物の着こなしは、さすがだと思うのだが、あまりに小粋なもので、武家の女性には見えなかった。いっぽう、東山はりりしいのだが獄中にあっても、やつれていないのはちょっと不自然。ともあれ、クライマックスがないなかで、淡々とした展開で終わるのだが、強いていえば一青窈の歌が目立ったというべきなのだろうか。


監督:篠原哲雄
出演:田中麗奈、東山紀之、檀ふみ 、富司純子
2008年日本映画 上映時間:99分
スポンサーサイト



テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

プロフィール

skdfg

Author:skdfg
FC2ブログへようこそ!

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSフィード
ブログ内検索
Amazon

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カレンダー
05 | 2008/06 | 07
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -