FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

2007/05
≪04  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31   06≫
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新・あつい壁
 フリーのルポライター卓也は、55年前熊本で起きた冤罪事で、無実でありながら死刑になったという話に興味をもった。卓也はこの人物がハンセン病患者ということを知り、熊本の菊池恵楓園に行くことにした。恵楓園で、吉村勇吉と事件について知っている入所者の増井、佐伯たちから詳しい話を聞いた。それで、吉村の無実を実感した卓也。55年前、役場職員宅にダイナマイトが投げ込まれる事件が起きた。この人物の報告でハンセン病療養所への入所勧告通知が出されたことを恨んでの犯行ということで逮捕された吉村。幸い、被害者はかすり傷程度だったものの、吉村は警察ではなく恵楓園に連行された。そこで、取り調べと裁判までおこなわれた。判事や検事などすべて白衣を着用していた。そして、ずさんな裁判で、吉村は懲役10年となった。彼は、無実でありながら服役させられ、刑期が終えても一生恵楓園にいなければならないということに、絶望し、恵楓園から脱走。娘と母親に一目あってから死のうとした。しかし、親戚でかくまってもらったものの、彼が逃亡したということを待っていたかのように、元役場元職員が殺されたのだった。警察に追い詰められ逮捕された吉村。今度の裁判では、1審で死刑の判決だった。吉村は、恵楓園内の医療刑務所で勉強し、無実を訴えた。しかし最高裁まで争ったが、1審の死刑判決は覆らなかった。それから、3次にわたる再審請求もおこなわれ、事件から10年たってようやく、重要な証言がでたのだが。  今なおハンセン病に対する差別と偏見を、現実にあった「藤本事件」をモチーフにして訴えている。あの「らい予防法」が廃止された後、菊池恵楓園の人たちを宿泊拒否事件についても触れている。事件後ホテル側の謝罪文について、不十分であるということで受け取らなかったことが、報道されて逆に差別的な手紙、ファックス等が集中したという。さらには、ハンセン病は特効薬プロトミンによって完治しても、迎えてくれる故郷がないというところに、差別の重みがある。ちなみに、宿泊拒否事件を引き起こした、アイスターグループは熊本県から問題のホテルの営業停止処分を受けたが、ホテル側はそのまま廃業してしまった。しかも、従業員への賃金不払いというおまけつきであった。何という人権感覚だろうと思った。
 ハンセン病についての差別については理解できるのだが、惜しむらくは「藤本事件」について、被害者の元役場職員についてもう少し説明があった方がよかったのではないだろうか。冤罪ということは理解できるのだが、真犯人像をイメージするためにも、ぜひとも説明が欲しかった。

監督:中山節夫 
出演:ケーシー高峰、高橋長英、趙和、安藤一夫、左時枝
2007年日本映画  上映時間111分
スポンサーサイト

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

誰がために
 東京の下町で写真館を営む村瀬民雄は母と二人暮らしをしていた。写真館は民雄で3代目だが、写真館を継いだのは、父が急死してしまったからだ。民雄は、それまで報道カメラマンとして世界中を飛び回っていたのだが、パレスチナなどの紛争地帯で撮った写真の子どもが翌日には死んでしまったりといった生活に疲れてもいたからだった。そんなある日同級生の妹で幼なじみのマリが大学の卒業記念に着物で写真を撮りにきた。マリの同級生の亜矢子も一緒に来た。亜矢子は民雄の撮影した報道写真に興味をもったようだ。その数日後、今度は亜矢子が一人でやって来た。十数年前の写真の原板を探して欲しいというのだった。実は亜矢子は、かつてこの町で暮らしており、家族で写真を撮ったというのだ。その写真が見つかり、その後二人は気持ちを通わすようになった。亜矢子は両親が離婚して、理容師の母親に育てられ、いわゆる家庭のぬくもりをしらぬまま育っていた。そのことに精神的にも囚われているのだった。しかし、民雄と結ばれ、亜矢子も写真を撮影するようになった。その作品は、いつも風がテーマになっていた。そして、妊娠し幸福につつまれていた。ある日病院の検診の帰り、立ち寄った本屋で幼い子どもに「ママ」と後ろから抱きつかれた。そして、人違いとわかったものの、それを見ていた一人の少年が、亜矢子の後をつけ、家の前までついてきていた。そして、チャイムを鳴らし、無理矢理に入ってきて、亜矢子を殺してしまったのだ。すぐに警察に逮捕されたものの、未成年ということで民雄には、少年の名前も知らさされず、裁判も少年審判ということで、傍聴もできず、後になって、審判の際の速記録を見ることしかできないのだった。民雄は、被害者の知る権利はどうなっているのかと、警察につめよるが現在の法制度ではどうしようもないといわれる。そんな折り、雑誌社の記者が少年の写真を持って現れ、名前と住所も知らせて、民雄への取材を申し入れた。いまさら、何も言うことはないと突っぱねる民雄だった。それから、一年がすぎ、亜矢子の一周忌が行われ、亜矢子の母も民雄に、誰かいい人を見つけたらというのだ。そしてマリが落ち込んだ民雄に気をつかい、写真館の手伝いをするようになる。いっぽう民雄は、雑誌記者から少年が釈放されたことを聞かされた。そして、手に入れたナイフを眺めいるところを、マリに見つかってしまう。
 少年犯罪を絡めて、愛と喪失感について描いた作品。少年審判の描写は、こんな感じなのかと思った。いっぽう、少年が事件を起こす動機なりその背景が、母親の自殺ということぐらいしか説明されておらず、いまいちわかりづらかった。それと、風景の場面が多様されているが、もう少し短かくてもいいのではないだろうか。上映時間が短い割にちょっと間延びした感がした。浅野忠信の悲しみに耐えているという感じは出ていたが、警察で言っていた事件の真相を知りたいという思いと、復讐という思いの葛藤というところはみえなかったの残念。池脇千鶴はがんばっていたと思う。それと、声は聞き覚えがあったのに、最後のテロップで宮下順子が民雄の母親役だったことを知り驚いてしまった。全体の印象は、ものたりなさが残る作品。


監督 日向寺太郎
出演 浅野忠信 、エリカ 、池脇千鶴
2005年 上映時間 97分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

パッチギ!LOVE&PEACE
 前作パッチギの1968年から6年後、アンソン一家は東京に移住していた。というのも、アンソンと桃子の間にできた息子チャンスが難病の筋ジストロフィーに罹ったため、その治療のために東京にでてきたのだった。彼らは東京の江東区枝川の在日コリアタウンともいわれるところで、親戚たちと暮らしていた。そんなある日、京浜東北線の車内で十条にある朝鮮高校から下校する生徒たちを狙って、日本の右翼大学生たちが大挙乗ってきた。そして朝鮮高校生たちに暴行をはたらいていた。たまたまその電車が停車した駅にいたアンソンは京都時代の宿敵近藤が長ランを着て暴れているのを見つけ、彼と闘うのだった。線路上での乱闘を止めに入ったのが、国鉄運転手の見習いの佐藤だった。そんななか、チャンスの病気が悪化したことがわかる。治療にはアメリカが一番ということで、アンソンは大金が必要になる。それを知ったアンソンの妹キョンジャは声をかけられた芸能プロダクションに出向くのだった。アンソンは父と同じ済州島出身の故買屋のおばさんの紹介で金の延べ棒を韓国に密輸する仕事を佐藤とともにするために、下関に行く。一方キョンジャは青山涼子という芸名でテレビにちらほら出ることになった。そして、人気スターの野村健作とつき合うことになるが、キョンジャは自分は在日であることを隠さなかった。そして、在日を理由に野村と別れ映画界の大物プロデューサー三浦に身を任せ、戦争映画大作「太平洋のサムライ」のヒロイン役を獲得する。しかし、映画の撮影中のシーンで疑問を感じるのだった。彼女の父親は済州島から日本軍への徴兵を拒否し小さな船で南の島に逃げたのだった。そうした過去と現在が交錯するなかで、映画の完成試写会が行われるのだった。
 今回はキョンジャが芸能界入りして、あからさまな差別の状況も描かれていた。ただ、最近でこそ、自らカミングアウトする人もいるのだが、ネット上での書き込みに誰々が在日だということがけっこうある。また、在日のコミニュティでも誰と誰がそうだということを自慢することもある。そこらあたりを、松尾貴史がうまく演じていた。それもこれも、やはり根底には根強い差別の実態があることを痛感させられる。このパッチギシリーズは、アンソン、キョンジャの父親が日本に来てからの物語も作るのだろうか。井筒監督がかつて「ガキ帝国」で朝鮮高校生を描き、最後に上岡竜太郎演ずる暴力団幹部の姿が出てきたが、この暴力団と在日の関係にも踏み込むのではないかと思ってしまう。
 それはともあれ、この映画では基本的に新人たちが前作の沢尻エリカ同様がんばっていた。とりわけ、チャンス役の今井悠貴には感心してしまった。いっぽう、脇役では風間杜夫や手塚里美はもちろん米倉斉加年もいい味だしていた。台詞はなかったが、馬淵晴子の存在もいいと思った。ともあれ、前作でも、歴史のおさらいのための、饒舌な台詞はやむをえないとは思うのだが、若い人たちにはこの映画を前作共々チェックしていろいろと考えて欲しいと感じた。絶対学校ではこうした点を教えていないだろうから。

監督:井筒和幸
出演:井坂俊哉 中村ゆり 藤井隆 西島秀俊 キムラ緑子
2007年日本映画  上映時間127分

テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

トランスアメリカ
 ロサンゼルスでメキシコ料理店と電話セールスとを掛け持ちで働き貯金に余念のないブリー。彼は性同一性障害で、性転換手術を1週間後に控えていた。そのための費用を稼ぐためがんばっていたのだ。今でも外見は女性そのものだが、ホルモン剤はかかせない。そんな彼のもとに一本の電話が掛かってきた。電話はニューヨーク市警からで、彼が昔男性の姿をしていた頃の名前であるスタンリーにだった。それは、彼の息子を逮捕し、まだ未成年なので連絡したのだという。そのことをカウンセラーに話すと、息子と会わなければ手術には同意しないと言われた。そこで、ニューヨークに行き、息子のトビーのもとへ。しかし、彼の生活荒んでおり、養父のところに送っていくことにする。いやがるトビーを伴い、車でニューヨークを出発する。しかし、彼の養父はひどい男で、トビーを託すことにはならず、そのまま二人でロサンゼルスに向かうことになる。やがて、二人はうち解けていくのだが、ある日トビーはブリーの秘密を目撃してしまう。それから、二人はぎくしゃくとした雰囲気になるなか、ニューメキシコでヒッチハイカーを同乗させる。しかし彼はとんだくわせもので、車ともども逃げ去ってしまう。そして、二人は途方にくれながら、親切なネイティブアメリカンのカルヴィンという男性にアリゾナまで送ってもらった。そこには、ブリーの実家があったのだ。彼の両親と妹は女性として現れたスタンリーにとまどいを隠せない。しかし、一緒のトビーが孫であることを知ると、大はしゃぎをするのだった。実家は豪邸で、両親はトビーをひきとって一緒に暮らしたいと言う。そうしたなか、心を開いたトビーにブリーがついに親子の関係を告白すると、ブリーを殴り倒し姿を消してしまったトビー。
 「ボーイズ ドント クライ」で題材にした事件から十年以上経って、少しは「性同一性障害」も社会的に認知されてきたのだろう。日本においても、こうした人たちが少なからずいて、戸籍の性の変更も認められる(一定の条件はあるのだが)ことになった。ただ、今日の朝日新聞紙上で、国内で性転換手術の第一人者の先生が定年を迎え、すぐには後継者がいないということが報道されていた。しかしながら、手術を希望する人は多くいるという。映画でも、この手術の予約を流すと次は1年以上先になるということが言われていた。とはいえ、自らのアイデンティということに率直に対峙するためとはいえ、精神的にも肉体的にも大変な負担を強いられることになるのだと思った。それは本人はもとより家族も含めてのことであり、いっそう深刻だと思った。それは、何より社会的な無知に根ざした偏見、差別が現在でも根強く存在していることも事実としてあることにも影響されているからであろう。人の多様性、違いを認め合うことの重要性は性という範疇でも尊重されなくてはならないということであろう。 
 主演のフェリシティ・ハフマンは難しい役を大変好演しており、当初は男性が演じているのではと思ってしまった程だった。また、バリーの父親役でバート・ヤング(「ロッキー」でエイドリアンの兄ポーリー役)も出演している。ロードムービーとしても良くできており、ネイティブ・アメリカンのカルヴィン役のグレアム・グリーンもいい味だしていて良かった。「性同一性障害」について知るうえでも、観る価値があると思う。


監督:ダンカン・タッカー
出演:フェリシティ・ハフマン 、ケヴィン・ゼガーズ
2005年米映画  上映時間103分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

スパイダーマン3
 目立った悪人もいないなか、平凡な学生生活と新聞社でのカメラマンの副業もこなしているピーター。またいっぽう、スパイダーマンもすっかりニューヨークの人気者になっていた。MJもブロードウエイの舞台に主役で出演することになった。ピーターはMJとの結婚を真剣に考えていた。そんななか、二人のデートの帰り際、密かにピーターのバイクに黒いゲル状の物体がとりついた。親友のハリーは父親がグリーン・ゴブリンとしてスパーイダーマンと闘い殺されたとの思いから、スパイダーマンがピーターであることを知って、彼に復讐をしようとして、闘いを挑むのだった。心ならずも闘ったピーター。しかし、ハリーは重傷を負い、記憶をなくしてしまう。いっぽう、警察から2年前ベン伯父さんが強盗に殺された件で、真犯人はマルコという男で別の事件で服役していたが、脱獄したという知らせを受けた。そのマルコは警察に発見され追い詰められて、立ち入り禁止の素粒子研究所に逃げ込み、実験に巻き込まれサンドマンとなってしまう。いっぽう、ピーターは黒い物体に身体を覆われブラック・スパーダーマンなってしまう。パワーアップはするのだが、凶暴で身勝手な心に支配されてしまう。それは、ピーターにも影響し、彼をライバル視する同僚カメラマンのエディのインチキを暴露する。さらにはサンドマンとなったマルコを伯父の仇として打ちのめすのだった。MJは、新聞に酷評され、舞台を下ろされてしまう。傷心の彼女にうまく応えられないピーター。それが、黒い物体のせいであることしり、悩むピーター。そして、黒い物体を剥ぎ落とし再びスパイーダーマンとして空を飛ぶのだが、そこには黒い物体にとりつかれた男とサンドマンがMJを人質に立ちはだかるのだった。
 1作目からアメコミヒーロものでありながら、人間味あふれるスパーダーマンだった。前作でも、電車の暴走を止めるため奮闘しマスクを仮面を外したくさんの人に顔をさらしていた。NY名誉市民の授与式で、クラスメートのステーシから証書をもらう際、MJと同じ中つりでキスをし、MJを傷つけたり、さらに追い打ちをかけたりしている。ここらは、ブラックスパーイダーマンに支配された心の闇の部分が表出してのこと。しかし、ピーターが結婚の申し出をしようとした時、MJの悩みにきちんと応えられないあたりは、ピントがはずれていると言いたくなった。ただ、今回は悪役がブラックスパイーダーマンも含め多すぎで、映画も長く感じてしまう程で少し散漫になったように思う。


監督 : サム・ライミ
出演 : トビー・マグワイア 、 キルスティン・ダンスト 、 ジェームズ・フランコ
2007年米映画  上映時間139分

テーマ : スパイダーマン3
ジャンル : 映画

青chong
 「フラガール」の李相日監督が映画学校卒業制作作品。舞台は朝鮮高校で、軟式野球部でバッテリーをくむ大成と玄基。ある日、練習帰りの駅前で、日本人の「悪」二人組にからまれた。大成たちが「朝高生だ」と名乗ったのだが、「朝高だと言えばビビると思っているのか、証拠を見せろ」と迫った。そこで大成が外国人登録証を見せると同時に、玄基が一人をKOしていた。あわてて、逃げ出すもう一人。そんな二人に朗報が飛び込んだ。高野連が、朝高野球部も春夏の甲子園大会の予選への出場を認めたのだ。学校をあげて歓迎ムードのなか、出るからには必勝をと校長が檄をとばす。そんななか、大成が帰宅すると茶の間には、父親が一人でビール飲み、その前で姉と見知らぬ男性がかしこまっていた。台所の母親は姉が連れてきたのは日本人の男性で姉と結婚したいと言うという。母親はあからさまに「なんで日本人なの」と困惑する。大成にも「あんたは、日本人はを連れてこないでね。同級生の奈美ちゃんはどうなの」と言うのだった。大成は密かに、奈美には思いをよせていた。その奈美についてクラスの「悪」グループが、黒板に日本人とつき合っているという落書きをデカデカと書いていた。そのことでショック受けたのか、大成は日本の高校との練習試合で大負けをしてしまう。そのことで、またショックを受け、野球部を辞めてしまう。いっぽう玄基も野球部仲間とお好み焼き屋にいる時、バイト先の女性と出会い「木村くん」と呼ばれ、一緒の二人を「草薙、稲垣」と紹介する。大成は「木村なんだ」と言うと「朝鮮人だと雇ってくれないし、通名のほうが楽じゃないか」と反論。もう一人の青福も「どうせ俺らはどっちつかず人種じゃないか」と言う。そんな玄基でもバイト先のコンビニで、朝高野球部の地区予選出場について悪口を言った日本人のバイトをのしてしまう。そうしたな、奈美へのいやがらせをおこなった「悪」グループに報復した大成は奈美と会って話をすることに。そして、ボールを再び握ることに。
 在日朝鮮人の現代を描いた秀作。特に、朝鮮高校の授業風景も出てきて、黒板の上には金日成、金正日親子の肖像画が飾られている。教科書にも金日成の肖像画があり、ご丁寧に保護用の薄い紙がついている。大成は、その紙があぶら取り紙のように見えたのか、鼻や顔にくつけてしまう。しかし、それを教師に見つかり、罰として金親子の肖像画を磨かされてしまうという場面など、おもしろかった。いっぽう、屋上での場面や、空を高速度撮影する場面など「スクラップ・ヘブン」でも使われたショットの原型が出てくる。いろいろ制約もあったであろう映画学校の卒業制作作品として出色だったと思える。

監督 李相日
出演 眞島秀和 、山本隆司 、竹本志帆
1999年 上映時間54分
 

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

バベル
 モロッコの山岳地帯に住む羊飼いの一家に、ある日ライフルを買わないかと近くの男がやって来た。父親は羊を襲うジャッカルを退治するためなけなしの金と子羊でライフルを手に入れた。アメフットとユセフの10代前半の兄弟たちがこのライフルを持って羊の放牧をおこなっていた。兄のアメフットが見つけたジャッカルを撃つがあたらない。そこで、弟のユセフが遠くを狙って試し撃ちをしようと、車やバスにむけて発砲した。しばらくして、バスが止まったの見て二人はびっくりして、その場を逃げっさった。バスのなかにはアメリカからの観光客のリチャードとスーザン夫妻がおり、銃弾はスーザンの肩にあたり、みるみる出血が激しくなっていた。リチャードは病院に急行するよう運転手に言うが、病院までは3時間、診療所までは1時間半もかかるという。そこで、バスに乗り合わせていたモロッコ人の村まで行き、そこで救急車を呼ぼうということになった。スーザンはアメリカに残してきた2人の子どものことを気遣うのだった。ロサンジェルス子の子どもたちは、アメリアというメキシコ人の家政婦が面倒を見ていた。しかし、彼女は息子の結婚式を控えて、休みを取りたがっていた。しかし、交代の家政婦の手配ができず、子どもたちともどもメキシコに行くことにした。一方、モロッコで使われたライフルが東京に住む綿谷のものだったことが判明する。綿谷は妻を亡くしたばかりで、「聴覚障害」のある高校生の娘と暮らしていた。娘のチエコは、母を亡くして以来情緒不安定で何かといらついていた。一方、モロッコでは、やっとのことでアメリカ大使館に連絡したリチャードだったが、テロがらみではないかということで両国間で緊張が高まった。そうした事情もあって、救急車も到着しない。さらに、メキシコでの結婚式が無事終わり、再びアメリカに戻ることになったアメリアと子どもたちは、酒の入った甥のサンジェゴの運転で国境に向かった。日本でも、警視庁がライフルの所有者だった綿谷のマンションに刑事を派遣した。こうして、モロッコ、日本、アメリカ、メキシコという地点がつながり、それぞれの人間模様が展開する。 菊池凜子のアカデミー賞助演女優賞ノミネートで一躍有名になり、合わせて劇中のディスコ場面での光の点滅で気分が悪くなったという人が出て、これも大きく報道された作品だ。このディスコの場面は、まばゆい刺激的な光線の点滅と大音響の激しい音楽が続く、しかし目に見える光景は同じでも、大音響の音楽はチエコには聞こえないということで、音がないシーンも繰り返されることによって、いっそうその対比が増幅された。大音響と静寂、しかし画面の刺激的な点滅は続くということの影響なのだろう。
 ところで、この作品名のバベルは、もちろん旧約聖書に出てくる、バベルの塔からきている。人間が神のいる天空まで巨大な塔を建設しようとしたが神は快く思わず、それまでひとつだった言葉をばらばらの言葉を話すようにしてしまった。そのため、人間は、まとまらなくなり、全世界に散らばっていったというところからきている。この映画でも、言葉の通じないもどかしさが、随所にでてくる。さらに、「聴覚障害者」というハンデを通してのコミニュケーションの難しさといったところが描かれている。そうしたなかで、現代の地球上で生活様式がかなり違っているなかでも、人間として、家族を中心に人と人との繋がりいたわりの情といったことの大事さを訴えていると感じた。それと、やはり銃について、そこに存在すれば使ってみたくなるのはやむを得ないということなのだが、やはり簡単に使えることの怖さを痛感した。


監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演 ブラッド・ピット 、ケイト・ブランシェット 、ガエル・ガルシア・ベルナル 、役所広司 、菊地凛子
2006年米映画 上映時間143分

テーマ : バベル
ジャンル : 映画

松川事件
 とある知人から、最近「松川事件」のビデオを見たけど、「松川事件」そのものをしる人が少なくなって話しもできないで困ったということを聞いた。さっそく探して見ることにした。松川事件は1949年に相次いだ「下山事件」「三鷹事件」の後に起きた国鉄がらみの「三大謀略事件」だということを松本清張の「日本の黒い霧」で読んだ記憶があるくらいで、正直あまりよく知らなかった。ただ、断片的に「赤間被告」だの「諏訪メモ」あたりは何となく覚えていた。
 1949年9月10日ごろ福島駅の近くのパン屋に本間という刑事が入って行き、一人の青年を地区警察に連行した。赤間は19歳で、ある女性が彼に強姦されたと被害届を出しているというのであった。しかしこれは明らかに、つくられた話であったのだ。本当のねらいは、一月前の東北本線金谷川駅と松川駅間で、上り旅客列車の脱線転覆事件であった。赤間はパン屋に勤めるまでは、国鉄の保線区で働いており、大量の人員整理計画に反対する国鉄労組の指導で反対闘争に参加して逮捕され保釈で出てきたものの、解雇されたのだった。こうした背景を利用し、最初に赤間を逮捕し連日に渡る長時間の拷問に近い取り調べによって、「ウソの自白」させられる。これをてこに、国鉄労組から10人を逮捕。さらに、東芝松川工場の労組員10人を次々に逮捕した。彼らも警察、検察で「赤間自白」をもとにつくられた筋書きで、役割分担を強制された。しかし、この年の12月にひらかれた福島地方裁判所での第1回公判で、赤間被告は自白を翻し自分が無実であることと、自白が警察での追いつめられて無理やりに言わされたことを主張した。そして、20人の被告団も次々に自らの無実の主張を展開する。さらに、弁護側も被告たちが無実であることを物証も含めて次々に明らかにしていった。しかし、裁判所は死刑五名、無期懲役五名、残る十名に有期刑という判決をだした。ただちに控訴し、第2審の仙台高等裁判所での審理になった。そこでも、多くの物証とともに、被告たちがこの事件とは無関係であることを弁護側が立証していった。そして、3年後仙台高裁は3人だけは無罪としたが、残りの17名には死刑を含む有罪を言い渡した。こんな判決は聞きたくないと絶叫する被告たち。裁判所の外には多くの労働者、学生、市民が集まり、不当判決に怒りをあらわにしていた。そして、最高裁で勝利しようということを誓い合うのだった。
 新日本映画社ということで、日共の影響があると思ったが、いかにも当時の日共臭プンプンだ。この映画も、先に「松川事件」についての学習映画が作られ、この上映運動でさらに劇映画を制作してもっと広範な人々の共感を得ようとカンパを訴えて4千5百万円を集めて作られたという。当時の時代背景として、中華人民共和国の成立や国内での国政選挙でも日共が大躍進するなど、こうした国内外での情況と国鉄労組内での日共の影響力が大きかったということがあった。そうしたなかでの国鉄、東芝の労組に的を絞ったフレームアップであったことは間違いない。それにしても、警察と検察の露骨なでっち上げにはあきれた。しかし、大胆さや露骨の程度の差こそあれ、現在でもこうした体質は変わっていない。それは、鹿児島の県議選にからむ志布志町事件、富山県警の誤認逮捕、起訴有罪後服役をし余儀なくされた後、真犯人がわかるという事件が次々に明るみにでたことでも明らかである。時代ということでは、当時の福島地裁の木造の実写場面は逆に貴重と言えよう。


監督 山本薩夫
出演 小沢弘治、宇野重吉、宇津井健
1961年日本映画 上映時間162分

テーマ : DVDで見た映画
ジャンル : 映画

プロフィール

skdfg

Author:skdfg
FC2ブログへようこそ!

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
RSSフィード
ブログ内検索
Amazon

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カレンダー
04 | 2007/05 | 06
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。