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ハドソン川の奇跡
 2009年1月USエアウェイズ1549便は機長のサリー・サレンバーガーと副操縦士ジェフ、3人のキャビンアテンダント、さらに150人の乗客が乗り込んだ。1549便は、ノースカロライナ州に向け、ニューヨーク・ラガーディア空港を離陸した。機体は高度を上げようとした矢先、大型の渡り鳥の群れに遭遇し数羽がジェットエンジンに巻き込まれてしまった。その結果、両エンジンは停止した。管制塔に状況を報告し、すぐに飛行場へひき返そうとする。しかし、推力を失い、巨大ビル群を避け旋回できそうにないと判断した機長は眼下のハドソン川に不時着水を決断する。機体は無事着水に成功するが、この日の気温は氷点下6度、水温は2度だ。機体には水が入ってくるので、乗客たちは乗員の支持で主翼の上に避難する。救助要請を受けた市消防局や沿岸警備隊が直ちに救助に向かう。さらに、走行中のフェリーや観光船など次々に救助にあたりわずか20分で、乗客乗員155人すべてが救出された。マスコミはこの事態を世界中に配信し、機長らは一躍時の人となった。しかし、国家運輸安全委員会の事故調査委員会は、1549便の一方のエンジンの推力が残っていて、飛行場まで戻れたという判断で、あえて極寒のハドソン川に着水しなくても、よかったのではないかと機長と副操縦士の責任を問うのだった。さらに、様々なデーターを元にシミュレーションセンターで再現実験をおこなう。
 事故調査委員会に召還されたサリー機長と副操縦士ジェフの2人は、フランスにあるシミュレーションセンターでの再現を委員会で見ることになった。すると、再現では飛行場に無事帰還できるのだった。すると、サリーはあらかじめ想定された再現では、実際の現場とは違うと主張した。しかも十数回も試行操作をやっている事こともわかった。しかし現実には、決断には若干の戸惑いもあり、わずか数秒で判断を下すという機微は、データだけの機械にはわからない。そこを顧慮して、2分ほど逡巡の時間をプラスすることになった。その結果飛行機は、飛行場には着陸は無理という結果になった。そういう意味で、人間の判断力や経験則がコンピューターシステムより優位性が示された。

監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー
2016年米映画    上映時間: 96分
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栄光のランナー
 1933年黒人の高校生ジェシー・オーエンスがオハイオ州立大学に入学する。もちろん、一家で大学進学は初めてだった。彼は高校時代、陸上短距離の選手として全米でも注目されていた。大学に入りコーチのラリーと出会い、めきめきとその実力を開花させていった。とはいえ、当時のアメリカではバスの座席も白人とは別に座るという差別が当たり前だった。それでも、次期オリンピックをめざし、練習を重ねるオーエンスだった。こうして迎えた競技会で、一日で3種目の世界記録を樹立し、オリンピック代表間違いなしと言われた。しかし、次期オリンピックは、ヒトラー政権下のベルリンで開催される。米国内でも、ヒトラーのユダヤ人弾圧に反対の声があり、オリンピックをボイコットすべきという世論が多かった。そこで、アメリカオリンピック委員会のブランデージ会長はドイツに行き、ヒトラーの腹心ゲッペルス宣伝相と会った。ブランデージはユダヤ人をはじめとした人種差別の横行する現状では、次のオリンピックにアメリカは参加できないと主張した。すると、ゲッペルスはブランデージの申し入れを受けいれ、極端な差別政策をよらないから、アメリカの参加を実現して欲しいと言うのだった。しかも、建設業者のブランデージにアメリカで建て替えるドイツ大使館の受注をちらつかせたのだ。この後、アメリカでおこなわれた投票では、僅差でオリンピックの参加を決めた。しかし、オーエンスの元には黒人地位向上委員会から、ナチスの人種差別政策に抗議するため、彼にオリンピック不参加を表明するよう要請された。彼は迷いながらも、ナチにメダルを独占させまいと参加を決めた。アメリカからはユダヤ人の選手も加わった。開催されたベルリンオリンピックでオーエンスは、100メートル走、走り幅跳び、200メートル走で優勝した。走り幅跳びではあやうく失格になりそうだったところを、ドイツのルッツ選手に助けられて金メダルを取ったのだ。オーエンスの活躍を苦々しく思っていたナチスは、400メートルリレーに出場する予定のユダヤ人選手を外すよう、ブランデージに申し入れた。ブランデージ会長自らが介入した結果、急遽オーエンスらが代役として出場することになった。すると、ここでも金メダルを獲得したオーエンスは合計4個の金メダルを獲得した。一方、ヒトラーはオリンピックを最大のプロパガンダの場として利用しようと、女性映画監督リーフェンシュタールを起用し、「美の祭典」「民族の祭典」2作品完成させた。 ところで、ナチスの人種差別には反対するアメリカ、しかしながら自国の黒人差別は受け入れている。それは、オリンピック祝勝会の際、会場のホテルに、主役のオーエンスが正面玄関からは入れず、通用口から入るよう促すドアボーイの姿に象徴されていた。しかし、荷物用エレベーターに乗っていたエレベーターボーイの白人少年がオーエンスにサインを求め、サインを大事そうに抱えるシーンにはほっとした。しかしながら時代はアメリカの公民権運動が始まる前ということで、まだまだ黒人たちの苦労は続く。ヒトラーはオリンピックを自らの政治宣伝に利用しようとし、ゲッペルスがそのお先棒を担いでいる。ここでゲッペルスは、米オリンピック委員会のブランデージをまんまとアメリカでドイツ大使館の建設という「エサ」で引きつけるのだ。このあたりは、現在の東京オリンピックでも、招致から会場建設に至るまで電通による買収と利権のばらまきといった日本の現況の原点をみる思いがした。特に気になるのは、東京オリンピックは真夏の開催ということなのだが、これは一番金を出すアメリカのテレビ局の意向によるものだ。こんな金まみれのオリンピックなど、やらなくてもいいと思う。2018年冬期ピョンチャン大会も資金難で会場建設が難しいとも聞いた。こんな有様じゃ、日本でも前回の東京オリンピックの際一斉に整備したインフラで、道路をはじめ橋梁など改修しなければならないといったところが多々ある。これはどうするのかと思う。
このベルリン大会で大活躍のオーエンスだが、彼と同じ短距離走と走り幅跳びで4冠を取るのがロス五輪でのカール・ルイスだ。きっとルイスはオーエンスを意識していたに違いない。この作品は、ナチスの非道さを訴えているが、返す刀でアメリカ本国での黒人差別について訴えていると思う。ここにこそ神髄があろう。

監督:スティーブン・ホプキンス
出演:ステファン・ジェームス、ジェイソン・サダイキス、ジェレミー・アイアンズ、ウィリアム・ハート、カリス・ファン・ハウテン
2016年仏、独、加映画     上映時間:134分
トランボ  ハリウッドに最も嫌われた男
 第2次大戦後、ソ連への脅威からアメリカでは反「共産主義」運動、いわゆる「赤狩り」旋風が巻き起こった。ハリウッドで売れっ子脚本家のトランボは米共産党員だった。一方ジョン・ウェインをトップにした「アメリカの理想を守る映画連盟」と、反共記者のヘッダ・ホッパーらが、ハリウッドから「赤」を排斥しようと躍起になっていた。さらに、議会でも非米活動委員会がつくられ、トランボらを召還した。しかし彼らは合法の党に所属し、憲法で思想の自由が保障されているということで、質問に答えなかった。すると彼ら10人は、議会侮辱罪で刑務所に入れられてしまった。彼らは服役を終え出所しても、仕事は完全に干されてしまった。そこでトランボは、自らが書いた脚本を友人の名を借りて売ったのだ。これが後に「ローマの休日」となり、アカデミー賞をとることになるのだった。とはいえ、トランボの名前を出した脚本は誰も買ってくれない。仕方なく彼は、多くの偽名を使って、B級映画専門のキング・ブラザー社と契約を交わした。このキング社長映画作りは金儲けが第1と割り切り、トランボが安い契約で数をこなしていく。やがて、トランボは仲間も巻き込み、脚本を書きまくる。さらに、家族も総動員で脚本を量産していった。こうした噂を耳にした「アメリカの理想を守る映画連盟」の男がキングにトランボとの契約を破棄しろと乗り込んでくるが、キングはバットを振り回し、男を追い払う。すると、そんななかでトランボの書いた「黒い牡牛」が再びアカデミー賞脚本賞に選ばれてしまう。
 この「赤狩り」の時代、互いに疑心暗鬼になり、密告も横行し、数多くの映画関係者が職を奪われたり、友情が破綻したりという不幸な時代を経験せざるを得なかった。有名俳優ではエドワードGロビンソンはトランボのかつての仲間だったが、仕事を干され、生活のため仲間を売ってしまう。この映画ではカーク・ダグラスとオットー・プレミンジャーがリベラルに描かれていた。対立する方はジョン・ウェインぐらいしか出ていなかったが、後ウォルト・ディズニーやゲイリー・クーパー等の保守派も多くいた。このマッカーシズムと対決するニュースキャスター、エド・マローの実話を描いた「グッドナイト&グッドラック」は、かつてジョージ・クルーニーが監督した佳作だ。クルーニの父親もキャスターをしていたといい、なかなかこちらもよかった。ただ、「トランボ」にしても「グッドナイト&グッドラック」にしても皆ヘビースモーカの人々たちばかりなので、見ていて咳き込みそうだった。  


監督:ジェイ・ローチ
出演:ブライアン・クランストン、ダイアン・レイン、ヘレン・ミレン、マイケル・スタールバーグ、エル・ファニング
2015年米映画  上映時間:124分
レヴェナント: 蘇えりし者
 アメリカ大陸にヨーロッパから白人が入植した初期の頃、白人たちはネイティブアメリカンの土地に入り込み、毛皮を獲るために内陸部に入り込んでいた。そんな時、道案内をするのがヒュー・グラスだった。彼はネイティブアメリカンの女性と結婚していた。しかし、彼の集落は騎兵隊に急襲され妻は死に、一人息子ホークは重傷を負うが,グラスの必死の看病で助かり、親子二人で案内人をして生きていた。ある日、半年間の狩りで蓄えた毛皮を乗ってきた船で帰路につこうとしたとき、突然ネイティブアメリカンのアリカラ族に襲われ、多くの人々が命を落とした。アリカラ族はリーダーの娘ポワカが白人に拉致されていて、娘を探して旅を続けていたのだ。一旦はボートで逃げるが、グラスの進言で船を捨て徒歩で駐屯地キオワを目指すことにする。隊長ヘンリーは、部下に船を始末するように命ずるが、彼らはそのまま船で移動する。しかし、船はネイティブアメリカンに発見され惨殺されてしまう。一方、ヘンリーは毛皮を持って移動できないと判断し、それらを隠し後に取りに来ることにする。こうして、冬の荒野へ旅たつ一行だった。グラスはある朝、斥候として一団より先に森を歩いていた。すると、突然大きな熊に襲われた。一旦はやり過ごし、銃で熊を狙うが,再び襲われ体中深手の傷を負う。一行に発見された時には虫の息だった。すぐに、傷を縫い手当をする。一行はしばらくはグラスを担架で運ぶ。しかし、断崖に遭遇し、これ以上グラスを連れて行けないという判断から、ヘンリーはグラスに銃を向ける。しかし、これまで,彼に助けられたこともあり、引き金を引けない。しかたなく、グラスの息子ホークと若手ジムがこの場に残り、グラスが死んだら丁重に埋葬することを約束させ、一行はその場を離れる。もう一人残り、報奨金をせしめようというフィッツジェラルドだ。彼は、以前ネイティブアメリカンに頭の皮を半分剥がされたこともあり、ホークに辛く当たっていた。数日が経過して、アリカラ族に追いつかれるのではという恐怖心もあり、フィッツジェラルドはグラスを殺そうとする。気がついたホークは止めに入るが、逆に殺されてしまう。フィッツジェラルドはまだ息のあるグラスを穴に埋め、ジムを騙し、その場を後にする。グラスは気がついて、ホークの死を確認し、何とか這いずり、フィッツジェラルドへの復讐を誓うのだった。これから、体力の限界を超え何とか彼の後を追うのだった。
 レオナルド・ディカプリオが念願のアカデミー主演男優賞を獲得した作品。ネイティブアメリカンからの視点も入れ、勝手に自分たちの祖国に入り込み、略奪と虐殺などやりたい放題に対しての、対抗として闘うネイティブアメリカンの姿が注目した。彼らの弓は凄まじい威力を見せていた。ただ、そうした内容もあるが、結局のところはリベンジ劇だ。 クエンティン・タランティーノの「ヘイトフル・エイト」は3時間8分という長尺だったが、この作品も156分と長い。映画は、カットを積み重ね、省略とイマジネーションで構成できるものと思う。そうした意味も含め、カットできるエピソードやショットはけっこうあったと思う。少々尻が痛くなった。しかも込んでいたため、前から2列目で、首も痛くなった。それでも、デカプリオの熱演には拍手喝采あるのみ。
 
 
 
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ドーナル・グリーソン、ウィル・ポールター、フォレスト・グッドラック、ポール・アンダーソン、ブレンダン・フレッチャー

2015年米映画       上映時間:156分
スポットライト 世紀のスクープ
 冒頭、1970年代のボストンでカトリックの神父が警察に連行された。しかし、神父は教会からの迎えの車に乗り、帰っていった。時は移り、2001年ボストンで一番発行部数の多い「ボストン・グローブ」紙に新任の編集局長のバロンが着任した。彼は、噂ではリストラを断行するために来たということだった。ところが、彼はいきなりカトリックの神父による子どもたちへの性的虐待について取り上げようというのだ。この件には社内でひとつの事件を掘り下げて取材する「スポットライト」のチームに託された。チームはロビーをキャップにマイクとサーシャ、マットの4人だ。そして、ある神父の虐待を告発する弁護士にマイクは接触する。さらに、グローブ紙の記録から、神父による虐待事件の記事から調査を始める。さらに、かつて虐待問題について資料をグローブ紙に送ったという当事者団体の代表とも会う。しかし、ボストンの市民の半数はカトリックの信者であり、教会がらみの取材では、なかなか協力が得られない。それでも、地道に取材と調査を重ねていくと、数十人の神父が関わっていたことを突き止める。取材班は犠牲者とも面談をするが忌まわしい過去を思い出し泣き出す人もいる。さらに、過去を恥じ、自死した人々もいた。こうして、彼らの努力は報われ、グローブ紙が提訴し、これまでの記録の開示を勝ち取り、とうとう新聞紙上に掲載することができ、大反響を得た。
 このスクープ以降全世界で、カトリック神父による各国で性的虐待の状況が明らかになった。こうした隠蔽ともみ消しの体質に対し、2013年ローマ教皇となったフランシスコは、今後こうした事態に対して断固たる対応をとると明言した。この作品で明らかになったのは、虐待を繰り返していた神父たちは貧しい家の子をターゲットにしていたという。この子どもたちにとって神父は神と同義で彼らに親切にされると、天にも昇る気になり、言われるままに様々な要求に応えていくのだという。ボストン紙によるスクープがなければ、こうした虐待の状況はまだ続いていたかもしれない。それにしても、現在日本のマスコミは、戦前の戦争協力体制に雪崩をうって荷担していった過去の反省を忘れ、自ら権力にすり寄り、かれらの意向を忖度するといった姿が目立っている。少しはきちんと対応をしてもらいたい。そうは言っても安倍と食事会をするようなマスコミ中枢の連中が多く、真っ当に仕事をする記者たちがいても潰されていくのだろう。
 
 

監督:トム・マッカーシー
出演:マーク・ラファロ、マイケル・キートン、
レイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバー、ジョン・スラッテリー、ブライアン・ダーシー・ジェームズ

2015年米映画                     上映時間:128分

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